この程度でヒッキーだなんてまちがっている - やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の感想

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

4.634.63
映像
4.50
ストーリー
4.75
キャラクター
4.75
声優
4.63
音楽
4.38
感想数
4
観た人
5

この程度でヒッキーだなんてまちがっている

4.04.0
映像
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
4.0
声優
4.0
音楽
3.5

目次

若干リアルな学園生活、ボッチらしからぬスペック

学園物は学生生活に夢を詰め込んだ作品が多いですが、学生生活が報われなかった人にとっては苦しいくらい人間関係がかなりリアルに感じました。気持ち悪い人やノリの悪い人が浮いて虐げられる。対して仲良くはないけどなんとなく一緒にいる。スクールカースト。しかし物語が進むにつれてだんだんと周りが生ぬるく優しくなります。主人公がボッチであり続けていては話が進まないのは間違いないですが、卑屈さばかり残った自称ボッチになってしまうのが非常に残念です。そこがヒッキーの長所なのはもちろんですが頭がよく切れる、運動はできる、たしかな洞察力を持っている、しかも女子に慣れており可愛い友達がいる、可愛い妹までいる、加えて可愛い男友達まで備えているといった好条件を揃えているので、なんだか悔しい気分になります。今までが不幸であったなんて理由でいじけているのはあまりにもったいない男であり、本当に今までモテなかった、友達がいなかった人にとっては羨ましい限りです。きれいなヒロインの姉に胸を押し付けられてもほかのアニメの高校主人公では赤面してどもるのがたいていですが、彼は違います。彼は一瞬にしてヒロイン姉の性質を見抜きほんの少し顔を赤らめるほか動揺しません。まわりに人がいれば面白さが認知されるタイプのようなので、最初の交通事故がなければまったく違ったことになっていたことでしょう。結果的には楽しそうなのでこっちの方がよかったであろうことは間違いありませんが。

どことなく雰囲気が生ぬるい

進学校で過ごしている主人公たちが年齢をごまかして深夜時間にアルバイトをする女の子を辞めるよう説得する場面があるのですが、「奨学金って知ってるか。」という締めで解決します。そんな簡単な問題なのかという疑問が否めないのはもちろんですが、主人公一同が生活に困ったことのないお坊ちゃんだということを表現するという点においては成功しています。しかしながらそんな誰でも思い当たる提案だけで解決しようとするのはあまりにも安易で消化不良です。最近の奨学金はほとんどが実際上ただの借金であり、ほとんどが有利子のものであるのは間違いありません。それについてどうこう掘り下げるつもりはありませんが現状がそうである以上、こんな解決方法では視聴者の同情共感は望めません。いっそ進路先のための費用稼ぎでなくもっと深刻な事情であったならば話が首尾よくまとまった気がします。また由比ヶ浜 結衣ちゃんですが集団で常につるんでいた友人と若干の距離を置くシーンがあるのですが、翌日から総無視をくらうか最低でも机を蹴り飛ばされるくらいすると思ったのですが特に変わりなく友人関係が続いています。これと言ってどこが問題だというわけではありませんがこんなのはいじめ経験者からすればぬるすぎます。気まずい雰囲気だとかがもう少し表現されてもいいのかなと思ってしまいます。明らかにクラスで浮いているキモイ人に声をかけたときに飛んでくるヤジ、なんであいつがあいつに話をわざわざかけているのだろうという好奇の目線が集まるなどのつらく悲しい実情が表現されていないのが残念でした。しかしこんなアニメを見ているときにさえアンチテーゼばかりが持ち上げられ深刻な会話が繰り広げられても心休まらないので、もしかしたらこのくらいがちょうどいいのかもしれません。

的確な突っ込みと会話のボキャブラリー

ライトノベル原作ということでライトノベルによく見受けられる特徴の、説明的な話し方をたびたび聞きます。ですが進学校出身というわりにやたら頭悪そうなのが多かったりして最初は進学校設定がにわかに信じがたかったです。しかし二人きりで会話となると話にキレが生じテンポのいいはきはきとした流れが楽しむことができます。会話のキャッチボールがひどくスムーズで、極端な話ですが、音声だけ流していても状況がよくわかりますし、ヒッキーたちの地頭の良さがうかがえます。リア充グループとそれに一応属している由比ヶ浜 結衣ちゃんだけは残念ながらその気を感じ取ることができませんでしたがどうなのでしょう。少し目を離したら話がよく分からなくなったというようなことがないのは見ている側としてはありがたいことですよね。面白いなとはよく思うことがあったものの、目が覚めるような展開や思わず微笑んでしまうような可愛らしさ等は見受けられなかったので全体的に4が多い結果となりましたが、特殊な超能力や異次元などが絡まない限りではそもそも高校生活なんてものはグダグダのんびりした展開になるのが極めて妥当であり、それにボッチという属性を付加した点においては、この作品はそういう雰囲気を楽しむ以上では優れているように思えました。最終的には主人公が元ボッチと思えないほど周りから見てどうかではなく主観的なリア充になるので成長物語ともとらえられるのでしょうか。いづれにせよ幸せなヒッキーです。

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4.54.5
  • 蓮華蓮華
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  • 2023文字
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