死語連発で笑えてしまう - 裸足のアイツの感想

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裸足のアイツ

4.004.00
画力
3.00
ストーリー
3.50
キャラクター
3.00
設定
3.50
演出
4.00
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死語連発で笑えてしまう

4.04.0
画力
3.0
ストーリー
3.5
キャラクター
3.0
設定
3.5
演出
4.0

目次

皆人が謎すぎる

彼の言動と行動にはいつも吹き出してしまうレベルだった。あまりに自己中、そして突拍子もない。いったいいつ明星を好きになったの…?ウザいとかめんどくさいとか、散々言っといて、明星が好きになったなーと思っていたらキス…おっと、明星はドキドキしっぱなし、皆人はいつまで経っても感情が見えずに、でも明星を大事にしていることだけは間違いないんだけどね。明星にベタ惚れなんだって理解できるまでに、けっこう時間がかかったよ。終盤になってようやく皆人の表情が豊かになって、楽しそうになって、明星と同じ気持ちを共有できているのがわかってきた。最終巻でみせる皆人の笑顔はまったくもって1巻と比べたら他人レベルに違っている。

それにしても、皆人の使う言葉が…思わず笑っちゃう。

明星と対等でありツーカーの仲になりたいんだぜ…

っておい、いつの言葉だ…!死語がやばい…!ググらなければわからなかったよ。語尾に…だぜ、黙ってついてくればいいんだよっていう強引さ、金持ちだけどバイトがんばって、買いたいものはヨット…!ヨット…って!そしてその髪型!ワイルド感満載なのにちょっとワルっぽくて、ケンカが強くて、カッコつけるときは髪の毛かき上げちゃう…この時代では流行ったのかもしれないが、今の子たちが読んだらゾゾっとするレベルで引いちゃうキャラクター。どの辺が裸足なんだろう。「アイツ」って言っちゃうあたりも、古いわ…

でもね、確かに、皆人のフォルムは美形でカッコいいのよ。これだけは納得するレベルだ。

明星がいかにも昭和

明星に関しては、眉毛が太かったはずなのに、だんだん細くなっているよね…?今ならリアルにふと眉が人気だからいいかもしれんなーって思ってたのに、徐々に細眉へ。まぁ、時代は移ろうからね。そして、「なんなのよー!キー!でも好きなのー!」っていう意地悪な男に引っかかるのが明星。皆人から全部してもらうなんてだめ、ちゃんと自分の力でできるところまでがんばるんだから…!ってがんばれる明星に、おそらく皆人も惹かれていったんだと思うのだが、わーきゃーとうるさいキャラクターだから、嫌いな人はいるかもしれないね。中途半端に伸びた髪よりも、短くしてからのほうが確かにかわいくなったなとは思う。

あたしってばドジだわ、何をぼうっとしているのっ…昔のテヘペロ。かわいいんだがうざいんだか、紙一重である。

一番笑ったのは、皆人と付き合っていることが学校でバレたら、女友達がいなくなると思った明星が、皆人に「私から告白してそこから付き合うことにしてほしい!」って言ったくだり。なんだその三文芝居。皆人がやるわけないし、そんなの思いつくのが身勝手すぎる。さらにそこから結局バレて、皆人が明星に惚れているから付き合っているんだって公開ネタバレさせてしまったときの女子の反応。うらやむのでなく、明星を尊敬するっていうね。なんだその流れ。袋叩きじゃなく祀り上げられるという事態には、津波と沙織もびっくりだ。嘘ついていたのね!ひどいわ…!ってならないそのメンタル。明星みたいな庶民でも皆人クラスの男子に告られることがあるという夢が見れただけでよかったらしい。なんて平和的解決。

仕掛けられる罠も露骨

沙織に関しては、完全にいじめ・犯罪レベルなのに、平気でいられるのが正気の沙汰じゃない。明星を海に沈めて苦しめて、皆人が夜どこに出かけているのかを吐かせようとする沙織…般若のよう。ついには皆人との間に子どもが出来ちゃったから、正式に結婚するわーって粋がって皆人に破棄されるというお粗末具合。…もはやコントであった。

津波に関しては、その名前からして、絶対今は使っちゃいけない名前だよね。そして義理の兄さんの持っているものを欲しがるというねじ曲がったブラコンぶりがウケる。普通はどこかで、兄さんをいじめるのは大好きだからなんだ…!とか暴露して丸くおさまるのに、とことん兄をいじめ、明星に関しては殴られて好きになってしまっている。もうドM何だと思う。

ヨットの大会に出場させないためにパートナーのヒロミを事故に遭わせるというあまりにひどい人間。しかも部下のケガはおかまいなし。まじで金持ちのイメージを悪くするキャラクターだよね、こういうのって。沙織もひどかったけど、津波はもっとひどかった。

全体として、皆人が誰の者にもならないでほしい!僕だけのものでいて!的な発想が多かった。好きすぎていじめちゃう、苦しんでいる姿に興奮しちゃう、頭のイッちゃってる人ばかりで、金持ちの価値観はこれくらい違うんだよーって言っているような、昭和の極端な階層意識を感じてしまった。

一番きもいなーって思ったのは、義理の妹かな。もうここまでくると、めんどくさすぎる。せっかくお父さんにも認めさせたんだし、もうほっといてほしい。いつまでこのやり取り続ける気なんだろう。若干飽きてしまった。

ヒロミが切ない

ヒロミがね…いつも皆人の味方で、皆人、ミサキ、ヒロミで外洋旅行に行こうって決めている仲間。ピンチの時は助けてくれて、支えてくれて。

そんな人がまさか明星好きになっちゃうなんてさ…。普段、自分が優しいから、他人に優しくされることが少なすぎたんだろうね。明星の優しさに惹かれてしまい、気づいたら好きになっちゃってて、もうそのまま皆人関係なく付き合おうって…いやいや、約束はどうしたの?友情ってそんなもん?愛のために全部捨てる気?そしてあっさり引いた皆人、おい。お前のここまでの愛の貫き方から言って、その引き方はつらい。大切な友達とよく話し合いのうえ、考えたほうがいいよ。

ヒロミとイチャコラタイムに突入しようかってときに、明星はやっぱり皆人が好きだから、付き合えないと告げる…。いや、タイミングよ。タイミング考えて。ここでそれ言う前に、何度もちょうどいいタイミングあったはずでしょ!なに流されてるんだよ明星。皆人との関係を守るためにわざわざ大友家で修業してたんだろうが!いつの間にか小悪魔か!

そういう感じで、ヒロミはいつも自分に優しくしてくれた人に恋して、でもそのたび強引な皆人に好きな子全部持って行かれたんだろうな…。なんだかんだ、皆人だって優しいし、緩急が大事なんだ。ヒロミみたいにいつも優しいと、スパイスが欲しくなるんだよね、女って。

蒸発した父親がノコノコ来れるわけない

ラストで蒸発した父親から電話が入り、ゴタゴタと巻き起こったが、明星と皆人がゆるぎなくて本当に良かった。ていうか、蒸発したくせにノコノコ電話かけてこれるなんて怪しいし、情報が筒抜けなのも怪しい。いつも裏でいろいろなことが巻き起こってきたから、さすがに最後は展開がある程度想像できた。

ヒロミとのいざこざを乗り越えて、ようやく結ばれることができた2人だったけれど、結ばれてからはラブラブ度がぐっと上がっていい雰囲気ばかりに。皆人の表情もかなり豊かになって、明星にときめいている感じも伝わりやすくなった。後半のほうがキザったい言葉とか、妙にかっこつけるのとかが減ったので、ずいぶん読みやすかったと思う…。ぞわっとするセリフを吐かれたくない…。明星も皆人も見た目が落ち着いて、とがってないから助かった。

少女漫画はときめくものだと思うのだが、この漫画を読むと、世代の違う人のときめきポイントを確認できるというメリットがある。たまには昔の漫画も楽しいものだと知ることができた。

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