学問ハウツーアニメの末路
時代に応じた経営学入門書
日本の経営者、特に大企業の経営者であれば、その著書をバイブルとして使用している人は
数十年前から少なく、度々ドラッカー博士は、日本を訪問し経営者向けに講演をされていました。
経営に関わる人や経営学を学ぶ学生や研究者では、何らかの影響を受けているのが
ドラッカー博士のマネジメント哲学です。
ITバブルやMBA、起業家ブームが過ぎ去り、それを肌で感じていた1980年代の世代が
社会に出て行くタイミングで、経営学やマネジメントというキーワードが社会的にあふれていた時に
その人々がもやもやと感じていたキーワードを
上手く取り入れ多くの人々に、経営学とはマネジメントとは何かをアンサーをし
マネジメントを一種のブームにしたのが本アニメの原著であり、本アニメです。
マネジメントで青春サクセスストーリー
高校生イコール野球、青春という安易なストーリー設定ではあるものの
野球選手という第一線で活躍する人をサポートする
監督ではなく、女子マネージャーに焦点を当て点が評価されます。
実際に、マネジメントや経営学を学んだ人は、組織を管理し
成功に導こうと監督者の立場で、考えています。
そこに、高校野球という場面で実際に使用するにはどうするのかという
マネジメントが必要とされる中間管理職の立場のハウツー本として
ドラッカー博士のマネジメントが使われている点が
このストーリーの良い所であり、その時期にこれらに興味ある人が
知りたいと思っていた内容でした。
その反面、学術書でもあるという事で、サクセスストーリーでないといけない点が
ストーリーの幅を狭めてしまった残念な点でもあります。
もしドラ以降の経営学
もしドラのブームが去り、結局マネジメントとは経営学とは何だったのか
ドラッカー博士という経営学界の巨星が既に他界した後でのブームであり
だれしもこのアニメや、経営学ジャンルのアニメに対して
ドラッカー以外の人では、確実なお墨付きを付ける事ができなかった点が
以降の同一ジャンルや続編の安定化に役立たなかった点ではないでしょうか。
しかしながら、もしドラ以降学術的な内容の入門書として
アニメ化する手法が増えた事は間違いないです。
ただし、学術という事で、決して失敗する事が許されない
ハウツーアニメだからこそ、ストーリーが一方通行になってしまう
読み手側からすると原著を知っていればわかってしまう結末は
このアニメ以降の同一ジャンルが大きく取り上げられない理由になったのではないでしょうか。
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