前作を読んでいないと入り込めない
タイトル詐欺ってあると思う。
映画化されて再度前作から読むことにした。
RE:という記号があるから過去に遡って始まるのかと踏んでいたが裏切られた。
これはタイトル詐欺かと思いきや、前作から登場したキャラクターが出てくるのでこれは東京喰種なんだとそこでようやく気がつく。
前作はアオギリ強襲で終わったはず。
その後の話として書かれ始めたと理解した時になんとか作品に投影することができた。
キャラクターが濃い。
本作の主人公は前作のカネキから変わったものだと思った。
しかし蓋を開けてみれば、記憶を無くしたカネキらしき人物かという伏線が張られている。
そこからなぜ作者は記憶喪失にしたのか。
こうも人格が変わるほどの過去とはなんだろう。
ましてや前作の敵役な存在のCCGの内部にどうしているのか。
色々と疑問が浮かび上がっては読み進めている自分がいた。
これが作者の思惑なのか、それとも自分の考えなのかわからないが本作にハマる。
前作と違った視点からの作品に戸惑いながらも面白いなと思うしがあるのもまた事実。
鈴屋が出て来たときはやっと知ってる人物が!と喜んでしまった。
チームに所属する主人公の周りはまた個性豊かなキャラクターが多く、今後の展開が読めないところもまた本作の魅力の一つではないだろうか。
なぜこうも面白いと思う話を作れるのか。
作者の人柄などはあまり興味を持たないものだと思っていた。
面白い作品は面白く、つまらない作品はやはりつまらなく、物語だけにハマっていたのがつい最近までの話。
話し手と読み手という風に考えるようになるとまたこれが違った面白みを増すのだから興味は尽きない。
なぜ作者はこの話しを書こうと思ったのか。
どうしてカネキが主人公なのか。(カネキだけどカネキじゃない)
CCGの内部事情が明らかになることで、人類と喰種はどうなっていくのか。
作者の性格が起因しているのだろうけど、普通に過ごしていたら思いつかなそうな世界観に惹き込まれて気づけば本屋に駆け込んでいた。
自分の世界に閉じこもる癖がある私だからそう思うのかわからないが、人間と喰種のハーフが自分の綺麗な部分と余り見たくない部分とを分けているのではないか?と捉えると本当になぜ人は食べないと生きていけないのだろうかと思えてくる。
私は自分の観たいところしか観ていないから。
綺麗でキラキラした部分に情景を抱いて、汚く黒くドロドロしたものは見えない様に蓋を閉めているのでは?と思えてならない。
私はこのドロドロした黒いものを喰種の存在として立たせているのではないかと思う。
またCCGの人物の描写で色濃いのは真戸と決めつけている私だが、その黒い何かを真戸を通して感じてもいた。
怒りや悲しみ、恋や愛、食欲という欲望などの感情と欲望を吐き出してくれる個性豊かなキャラクターを通して自分というモノを廻ているのかと思う。
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