そのまま押し倒されてもいい - 狼陛下の花嫁の感想

現実だと天皇家とくっつく話

狼と名前の入っている少女漫画は多いですが、その名前の通り男性がSな部分がある部分がたまりません。ついつい惹かれてしまいます。

本来の怖いくらいクールな雰囲気の陛下が実は演技で本当は気弱であるとヒロインにウソをついて安心させようとする設定等が最初から読者にはわかるように書かれており、気づかないヒロインは鈍感で早くくっつかないかなと思いつつ、陛下が可愛すぎて何度も同じシーンを読み返してしまいます。

現実でいうと、天皇家に頑張っている一般人が見初められるといった非現実的な設定だからこぞ、シンデレラストーリーは惹かれてしまうなと感じました。

本当に人間が出来てる人が多い

少女漫画は出てくるライバルキャラやお邪魔キャラが最終的にはくっつき合ったりして幸せになる都合のいいところはありますが、陛下の婚約者候補として出てきたキャラも2人が幸せならそれでいいと言って身を引いてくれます。ヒロインを好きになる人は多々出てくるのですが、相手が陛下なので大変だろうが、好きな人が好きな人と一緒になる方が幸せなのかと言って身を引きます。本当に好きだから身を引きつつ、各々も幸せに過ごしてほしいなと思いました。

名前もない程度のモブキャラくらいしか嫌な人はおらず、お邪魔キャラの方が能天気にしているので嫌悪感をキャラに対しては全く感じませんでした。

むしろくっつかない陛下たちにムズムズイライラしながら読み進めた人は多いと思います。

我儘な感じも人間性

途中で陛下がヒロインを王都のいざこざに巻き込まないように自分から遠ざけます。

ヒロインの為を思って遠ざけますが、ヒロインはそんなことより陛下の傍に居たい。帰るからには何かしっかり手柄を持って帰らないとと陛下がつけてくれた護衛の人と協力して隠密行動をとります。

周りのみんなはヒロインの幸せを思って動いてくれているのに、自分の気持ちに正直に動きすぎるヒロインは自分勝手だなと思いつつ、陛下はそれを求めていた部分もあるかと思うので、結局は良かったのかなと思いました。

現実にあんな正直でまっすぐな子がいても、何か裏があるのではないか。もしくはそんなにまっすぐにものを考えられるなんて周りに甘やかされて貧乏でも幸せな人に囲まれて育ったんだろうと嫉妬してしまうと思いますが、そんな本当に嫌な腹黒い人は出てこないので、夢の別世界の雰囲気を崩さずに気持ちよく読むことができます。