リアルな家族マンガ - あたしンちの感想

魅力その①お母さんってやっぱり…

サザエさんやちびまるこちゃんに代表されるジャンルでいうと家族マンガ。でもこの2作って少し昔の話かなというイメージ。古き良きって感じで、懐かしさや郷愁を感じさせるけれどやっぱり今の時代とは少し違う感は否めない。もちろん嫌いという意味では全くないけれど。でもこのマンガは少し違う。現代にも通ずるリアルさがあるんじゃないかな。どこのお母さんも子供の教育や夕飯のメニュー、家計のやりくりに悩みながら暮らしているんだなあって共感しながらもクスリとしてしまうリアルさが癖になる作品だと思う。

魅力②登場人物の絶妙さ

お父さん、お母さん、長女のみかん、長男のユズヒコ。主要人物はこれだけこの4人に絡む友人や同級生、いわゆる脇役達なのだけれどこの脇役達がまたいい。きちんと共感出来てキャラも立っている。日常あり恋愛ありお酒も時々。そんな当たり前の日常の中で繰り広げられる日々が何故か可笑しい。凄いのはどの年代のキャラクターの目線で読んでも楽しめること。年齢も立場も違うはずなのに言っていることや動きに妙に納得してしまうのが作者の観察眼の凄さなのかな。

魅力③いい意味での気楽さ

4コママンガの連載だからなのか、それともほっこりした丸みのある可愛らしい絵柄からなのか読んでいても全く気負わなくて済むのがまた魅力的。どこから読んでもいいし、どこで止めてもいい。トイレで読むも良し、寝る前にちょっとだけベッドの中で読んでもテレビを見ながらCM中に読むのも大丈夫。読む時間帯もタイミングも自分の意思で決められるような気楽さ。それなのに何度読んでも飽きの来ない内容、気付くと何度も読み返してしまう。気楽で飽きが来なくて、誰のことも傷つけない、優しいのに少しだけ鋭さのある作品。よ～し、今日はマンガをがっつり読みたい！という時ではなく忙しかったから今日がまったりしたいな～…という時にぴったり。そんな気楽で邪魔にならない作品です。

魅力④後を引く読後感

• 最終巻も日常をそのまま描いて終わってしまった。残念ながら連載は終了してしまいましたが何度も読み返して、本がボロボロになるようなマンガです。作者の意思もあるだろうけどもう少し続けて欲しかったかも。みかんやユズヒコのその後や恋の行方も気になるなあ…いつか、読みきりでもいいから家族や周りの人達のその後ことも描いて欲しい！そんな風に感じる魅力のあるマンガでした！