俳優阿部寛を楽しむ
主人公桑野のキャラクター
偏屈で人との関わり方が下手だが、作る家で人を魅了してしまう建築家の桑野を阿部寛が絶妙の役づくりによって演じている。それは男性として、女性に対する配慮や媚びとは無縁で、ファッションセンスや人との関わり方、ダサささえ感じる。でも憎まれ口叩きながらもなんだかんだと助けてくれるし、憎めない。スペックは高いんだけど、こだわり強いし、口悪いし、超変なヤツ。本人は思ったことを正直に口にしてるだけなんだけど。とにかく、佇まいが可笑しい。一人焼肉してるとこや、帽子の試着してるとこなんて笑っちゃう。2枚目の阿部寛が、こんな役もするのか、と感心するろど。お尻丸出しで診療される姿は情けなくおかしくて、好きにならずにはいられない。笑
女医の懐の深さ
このドラマのもう一人の主人公。女医の早坂先生。本当に診療してる?と言いたかなるくらい桑野さんの相手ばかりしてる早坂先生だけど、この先生がすごく魅力的。普通ならキレて当然な桑野の失言も、一回は怒るけどすぐ許してあげるし、何度も胃が痛くなる先生を母親的なあたたかさをもって対応してあげてる。もしかして最初から早坂先生は桑野さんのこといいと思ってたのか?それにしても、ある年齢まで結婚せずに仕事に邁進してきた自立した女性でありながら、みちるちゃん(若くて男探しに余念がないちょっとおバカな女の子女の子)とも仲良くできて、桑野さんのお母さん(草笛光子)に対する配慮も上出来。容姿もいい。周りに対してオープンマインドなのも素敵。でも実のお父さんに対してはちょっと頑固。そんなとこはリアルで良かった。
周りの人間のあたたかい目
建築事務所で調整役として働く沢崎さんやアシスタントのエイジは、桑野に対して愛情があるからこそハッキリと物を言う。桑野の協調性の無さや偏屈な性格の貴重な理解者である。妹やその婿(桑野の昔からの友人)も、結婚できない桑野をあたたかく見守っている。つまり、桑野は決して孤独ではない。ここがこのドラマを楽しく、安心して見られるポイント!性格に難ありだけど、素直になれないけど、結婚できない男だけど、孤独じゃない。誘ってくれる人もいるし、想ってくれる女性も出てくる。(劇中では三人が桑野に想いを寄せる)桑野さんなら結婚しなくてもそのままでも十分幸せに生きていける気がするけど…。でも誰かと居ることで得られる幸せの方が尊いのかな〜。誰かといて我慢することも、自分が犠牲になることも、全部ひっくるめて幸せ!と最後まで桑野は思わないけど笑、(むしろそうで居てほしい)大人の成長物語を見てるようで、面白い。小ネタも色々あるけど、一番は俳優阿部寛の魅力満載のこのドラマ。定期的に見返したくなる名作だと思う!!
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)