異星人侵略事態 - 世界侵略:ロサンゼルス決戦の感想

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異星人侵略事態

3.03.0
映像
3.0
脚本
2.5
キャスト
3.5
音楽
2.5
演出
3.5

目次

他の惑星を侵略するには(全軍突撃する異星人)

この映画のストーリーは現代地球に異星人が侵攻してくるのがメインです。

ただこの作品の異星人は大きな母船などもっていない状態で攻めてきます。

強襲揚陸艦のような移動基地とそれに付随する無人戦闘機、戦車がわりの歩行型兵器そして異星人自身

が地球侵攻の主力です。一体どこからやってきたのか。大型母船はなしなので完全に地球目当てで侵攻

してきています。はっきり言って今までの映画作品に登場するエイリアンとはレベルがかなり下のほう

になるでしょう。なので事前準備を怠ってはいないはずなのですが?

アメリカ軍だけでも陸軍50万くらい最大動員数で100万人の戦闘員がいます。戦車も千両

とかいうレベルで存在し戦闘ヘリも数百機あります。空軍では千機を超える戦闘機を保有し海軍の原子

力空母10隻以上(1隻あたり大体80機以上の海軍戦闘機の戦力)とそれを守る駆逐艦と巡洋艦が

160隻以上です。これに加えて基地などの施設には大型の対空ミサイルなどを完備する巨大軍隊が

アメリカ軍です。1国だけでもこの状態でロシア、ヨーロッパ、中国なども軍隊的には大きな勢力で

す。ほかの作品で異星人の侵略者が優位に立っているのはその圧倒的な技術力の差で作った巨大母船

があるからです。だいたい地球側が負けるのはこれがあるからです。ミサイル直撃、核兵器の直撃など

に耐える盾がこの母船です。地球側の兵器類は防御などはあまり考えられていません。迎撃などといっ

ってもそれほどうまくいくわけではないからです。当たれば終わりなのでとにかく先に相手を破壊する

必要があります。しかし異星人の母船は設定により防御シールドなどや母船自体が巨大ゆえに頑丈だっ

たりして破壊不能の動く要塞です。どちらも手数は同じだけありますが受け止める盾がない地球側の軍

は一方的にやられてしまうわけです。ところがこの作品では最大の障害である母船をもたない異星人が

侵略者です。地球側の上位互換な異星人の兵器ではありますが基本が歩兵と航空機と戦車なロボット。

この構成でよく地球に攻め込んできたなと思ってしまいます。上空に宇宙船がいるとかではないので

退路もありません。軍として機能するには補給が必要なはずなのにそんなこと考えずに突撃してきまし

た。映画内では手りゅう弾クラスの武器が必須な頑丈な異星人ですが持っている武器は明らかに鉄砲

です。それともエネルギー兵器なのでしょうか。無人戦闘機もジェット噴射みたいなもので姿勢制御

しているのでそれほど科学力の差はないのでは。ぶっちゃけ戦場が都市部だから勝てていますが、

米軍戦車が揃って出られる荒野だと戦力差が大分縮まるでしょう。宇宙を渡れる異星人なのに肉弾戦

を仕掛けてそれほど技術差のない兵器で地球側を数で圧倒しようとするのはどこかの戦闘民族のよう

です。地球の歴史上ですが世界を一度も世界を統一した国がないのはひたすら地球が広いからです。

宇宙レベルでは小さな惑星ですが高度な航空機があったとしても惑星を占領するのは前人未到の神業

です。作中では最後当たりで貴重な航空戦力である無人戦闘機を地球側のミサイルに体当たりさせて

なんとか基地を守っています。この調子では持ってきた武器のほとんどがいずれはなくなってしまうで

しょう。はっきりいって第2次大戦中の日本のようなもの、いずれは負ける陣容です。せめて軌道上に

補給用の宇宙船が必要なのでは。地球上にすべて降下してしまうと頑丈な異星人とはいえまったく休む

ことなく連戦させられることになります。安全地帯があれば交代で戦場にいくことができ各段に戦闘は

安定するし作戦も成功するでしょうに。

異星人軍の弱点

考えればすぐお分かりと思いますが敵側にあたる異星人は電波をつかっています。

恒星間航行が可能なのに電波を使用していたりします。異星人の最大戦力は基地からでる無人戦闘機

です。地球側の有人戦闘機をどういうわけか簡単に撃破したようです。しかしこの無人戦闘機はおそら

電波で指令を受けているのではないでしょうか。基地の場所から強力な電波が発生しているのは無数に

いる無人機のコントロールのためではないでしょうか。ぶっちゃけそんなに隔絶した技術力をもってい

るように見えない敵異星人。主人公の部隊と戦って1部隊が全滅してしまっているのです。地球まで

どれだけかかってきているのかわかりませんが持っている武器を見ても4、5年かかっているのでは。

どうみても後続がいないような全軍での攻撃です。下手な被害を受けないため叩けるだけ叩こうとして

いるのでしょう。攻撃兵器も放射線などの有害なものは発しないものをつかっているように見受けられ

ます。異星人軍の弱点はやはり数の差ではないでしょうか。地球は70億に達する人口を誇ります。

これに対抗するのであれば核兵器級の武器で地球側の主力を叩いてしまわなければなりません。

そもそも異星人側は航空爆撃をしていないのでそんな兵器を持ち込んでいない可能性があります。

核兵器は持っている可能性はありますが環境への被害を拡大させたくないのか強力な攻撃兵器を使って

いません。こんな縛りプレイでの惑星占領。敵無人機の無力化に成功すれば普通に勝てる可能性が大で

しょう。そう異星人最大の武器は航空優勢を確保している無人機なのです。あとは少しあるロボット型

戦車もどき。異星人歩兵は人と比べると頑丈ではありますが野砲でも一斉射撃すれば容易に潰せる範囲

です。この無人機のコントロールは基地型の強襲揚陸艦です。これには気づいた主人公が基地を破壊し

ました。するとやはり異星人は後退していきます。でも別に基地を破壊することは必要なのでしょうか

そもそも基地に戦闘能力はなさそうです。ただのコントロールタワーです。無人機自体が人工知能で

制御されている可能性はないでしょう。基地を破壊しただけで撤退したのは無人機は自分で攻撃したり

できないわけです。ほぼラジコンのようなもの。では対策はコントロールしている基地の破壊ではなく

単純に基地と交信する電波をかく乱する方法があればいいわけです。電磁パルスというのが研究されて

いるのはご存知でしょうか。この武器使うとあらゆる電化製品類が壊れてしまい復興するのが困難にな

ってしまいますが技術力で上な異星人を相手に四の五のいっていられません。もちろん異星人も知って

いるでしょうが電波で通信している以上は抗えない武器です。効果範囲が広いので地球側の戦闘機や

戦車は退避しておき使ってみましょう。無人機は破壊されないかもしれませんがコントロールができな

状態になります。ラジコンなら制御不能で落ちてしまうでしょうし、姿勢制御だけは保つようにできて

いたとしてもそんな簡単には復旧できないでしょう。こののち遠くからミサイル攻撃で絨毯爆撃するな

り核兵器を使うなりされたら異星人軍は壊滅すると思います。ちなみに電磁パルス応用の武器はまだな

いという方がおられるかもしれませんが一応発生させる方法は確立してはいるのです。現代戦で使われ

る確立が低いのは広範囲を無力化してしまうのでのちの復興などに影響がありお金がかかりすぎるから

です。

最後に斜陽になったSF映画

ここまで異星人がそれほど強くないと主張してきましたが実際問題としてこれはストーリー上の問題で

あろうと思います。恒星間移動ができる異星人がこの程度のはずはありませんし、そもそも大規模な

侵略行為に出る理由がありません。あくまでも宇宙に進出できない地球人類的な異星人像です。

見つけた惑星に人がいるならとなりの星へいってみようくらいの技術レベルがあるのが異星人です。

近年は巨大母船で襲撃してくる映画が結構でてきて最初のうちは映像の目新しさから注目されましたが

CGをフルに使った映画が台頭して物珍しさがなくなったSF映画。実際には宇宙なんていく技術はな

いですがいろいろな映画によりこの手のストーリーには飽きてきています。そこで少し弱めで現実感の

ない巨大宇宙船を出さずにアメリカ軍が苦戦する相手としてこの映画の敵役が出されたのでしょう。

現在ではアメリカ軍が本気で苦戦するとなると宇宙人以外いないのです。ロシアや中国となると人類が

破局してしまい話にならないので却下されるでしょうから。宇宙戦争ものは現実味が薄くストーリーも

ピンとこないものが多くなります。特にSF映画最大の武器である映像美があまり広告塔にならないと

なると。それでもSF映画が好きな人は結構いるのでしょう。ですが戦闘ものにはあまり目新しさがな

いのです。そんな中でのこの作品、あまり有名ではないのかもしれませんが現代を舞台にするSFとし

ては及第点ではないでしょうか。

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他のレビュアーの感想・評価

ゲームのような戦争体験

この作品はレンタルDVDで、まったく別の作品「プリースト」「ハンナ」とキャンペーンされていましたが、この作品はその中でも個人的にもっとも面白いと感じました。本作品は戦時中、実際に起きた米軍の誤認事件「ロサンゼルスの戦い」を題材としたSFアクションで、「もし戦時中に米軍が日本軍だと誤認した未確認飛行物体が、現代になって攻めてきたら」というフィクションドキュメンタリーになっています。戦闘そのものの演出もさることながら、一人ひとりの兵士をしっかり描いており、突然勃発した戦争に戸惑う人間模様が深く描かれています。ただ、それ以上に銃撃戦や白兵戦の激しさは見ていて常に興奮させられますし、戦争映画らしく実名兵器が多数登場するので、ミリタリー好きには堪りません。戦闘が主観で行われるうえ、いわゆる雑魚敵の後にボスや難所が登場するというような、ゲームのような感覚を味わえます。SFやミリタリー、ゲームが好き...この感想を読む

4.54.5
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