「めしや」が近所にあったらいいのに!
こんなごはん屋さんが近所にあったらいいのに!
メニューはなくて、その日にある材料でできるものなら、リクエストすれば何でも作ってくれる…。こんなごはん屋さんが近所にあったら、絶対通います。高級食材が必要なメニューはさすがにできないけれど、ジャンルを問わず「今食べたいもの」を作ってくれるごはん屋さんが徒歩圏内にあったらいいのにな、と思い続けていました。男性主人が1人で切り盛りしてるというのも、頻繁に通ってもプライベートを詮索されなさそうでいいですね。
私はフリーランスの在宅ワーカーで、きちんとした料理を作る時間がないことも多いのですが、そういうときに限って、煮物とか作るのに時間が掛かるものが食べたくなるので、こういうごはん屋さんは憧れです。値段も、1コインとかでも食べられそうですし、女性が部屋着のまま行ってもあまり浮かなさそう。
私は夜型生活者なので、営業時間が深夜~朝というのも嬉しいですね。その時間はお腹が空いても、デリバリーは終わっちゃうし、コンビニはお弁当コーナーが品薄になってしまうので。なので、「もし、こういうごはん屋さんが徒歩5分以内のところにあったら…」と妄想しながら読んでます。新宿~阿佐ヶ谷あたりなら、実際にこういう感じのごはん屋さんがありそうですね。客層的に、作品の舞台設定もその辺りのエリアの街と思われますが…。
登場する料理がどれも美味しそう!
覚えている範囲だと、大きなお皿にたっぷりのタコさんウインナー、アジの開き、ラーメン、アサリの酒蒸し、煮こごり、白菜漬け、ラーメン、肉じゃが、里芋とイカの煮物のシーンが特に美味しそうでした。
「家で自分でも作れるでしょ?」って感じの料理をササッと作ってくれるというのがいいですよね。注文すれば、猫マンマまで出てくる(笑)。こんなのまで出してくれるお店はなかなかないので、ある意味とても気が利いたごはん屋さんだと思います。
私は結構頻繁に、唐突に「ラッキョウの甘酢漬け」とか「山盛りのぬか漬け」とかニッチなものが食べたくなるのですが、「めしや」ならきっと、そういうのも食べさせてくれるんだろうな~、常連になったら「あの人用に漬物漬けとこう」って用意していてくれそうだな~、と憧れます。読んでるとお腹が空くので、冷蔵庫が淋しいときに読むのは危険ですね(笑)。
きっと、おでんなんかも美味しいお店だと思いますが、意外にサンドイッチやシチューなどのお洒落め(?)なメニューも出てきますね。ラーメンなんかは結構、チャーシューとか本格的に作ってそうなイメージです。
でも、仕入れがしにくい時間帯の営業なので、後から来た最後の1人分だけ材料が足りないとかのときはどうするんだろう?と勝手に心配しています(笑)。先に来たお客さんたちが「○○旨かったね!」って言ってるのに自分の分だけなかったら切ないですよね^^;常連さんなら、美味しいお店なのが判ってるだけに余計切ないでしょう。
わけありでもダメでも、楽しく一所懸命生きるって大事
深夜食堂こと「めしや」のお客さんを見ていると、ストリッパーだったり、ヤクザだったり、自分の体重すら管理できないお姉さんだったりですが、わけありでもダメ人間でも、前向きに楽しく一所懸命生きてるのがいいな、と思います。
エリートな人や恵まれた人が前向きに生きるのって、そんなに難しくないんですよ。できて当たり前だし、できないなら、それはどこか甘えた気持ちがあるからできないんです。でも、この漫画に出てくるような人たちが前向きに生きるのって、本当の意味での知性や教養がないとできないです。「どうせ私は~」「自分には無理」って思う方が簡単だから。
どん底まで行ったことがある人なら解ると思うのですが、社会の最底辺にいながら明るい気持ちを持ち続けるのって、すごく難しいです。でも、「めしや」のお客さんって、何だかんだでそれができているので、素敵だな、と思いますし、おそらくこの人たちは、いっとき不幸になることがあっても、それなりに幸せな人生を送れる気がします。
自分で自分を幸せにしようとするって、とても大事なことですが、「そうするべきだよ」と言われてできるものでもないので、そういう意味ではこの作品に出てくる人たちは立派だと思います。ごはんを美味しそうに食べられるというのも、才能の一つですよね。
「めしや」の主人の、一癖あるお客さんたちを見守るまなざしも、寛容で温かみがあっていいなと思います。プライドが高い料理評論家を最終的にリピーターにしちゃうのも、何かすごいな~と思いました。確か、特に説教とかしてなくて、料理出してただけなんですよね(笑)。
お客さん同士も、お互いダメ人間だけど、ダメ人間のまま認め合ってるのが居心地がよさそうです。もっとも、あまり誰も批判しない分、自分がよっぽどしっかりしていないと、どんどんダメになる危険性はありますが^^;
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)