ポールへの追悼作品　SKY MISSIONについて考える - ワイルド・スピード　ＳＫＹ　ＭＩＳＳＩＯＮの感想

前作を超えてくる面白さ

一般的な映画は続編は失敗するパターンが多いが、この映画は違う。前作のEURO MISSIONで迫力さと豪快さはマックスまでいき、限界かと思われた。だが、なんとこの作品は前作をもこえてしまった。

CGなどもリアルで迫力があって、みごたえ抜群間違いなし！一番印象的だったのがブライアンが崖から落ちそうになったときに、バスにしがみついてギリギリで登ってくるシーンと、アルファロメオと飛行機のカーチェイスだ。特に迫力満点のシーンだった。また、ドミニク、ホブスの筋肉ハゲ組の肉体戦アクションが増えているのは良いと思った。ワイスピシリーズは車だけじゃなく肉体戦ありきと言うことが証明された。逆によくなかった点については、脚本が他のシリーズに比べて複雑になっている点だ。もう少しシンプルかつわかりやすいストーリーのほうが受け入れられやすいと思う。登場人物が増えすぎたかな？だが昨日の敵は今日の友という流れは好きだ。ホブズなどMega Maxでは敵だったはずが、気づいたら一緒に戦っている。ブライアンだってそうだ。もともとはFBI捜査官だったし、ドムの敵だった。前作のEURO MISSIONでレティが仲間だったのに敵になった逆のパターンもあるが。レティについても、再び仲間になりファミリーに溶け込ませるのはよかったし、ファミリーの固い絆が感じさせられた。

個性のある登場人物たち

アクションだけでなくコメディー要素も満載だ。今回もおしゃべりクソ野郎ローマンがその役割をはたしていたと思う。それにシンプルかつ面白いつっこみを入れるテズも面白く、この二人の掛け合いはまるで夫婦漫才を見ているかのようだ。

また、今作ではあのロック様演じるホブズの親バカっぷりもみれる。冒頭のシーンでホブズが入院している病院にお見舞い来る娘に溺愛しているシーンがなんだかほっこりする。Mega Maxでホブズ初登場のときロック様が出てきたて、ハゲマッチョ枠が増えて、ヴィンディーゼルがかすんでしまうんじゃないかと心配になった。誰もが敵わない無敵の愛されハゲマッチョとして君臨するヴィンディーゼル。ロック様がでてきてしまうとヴィンディーゼルが小柄に見えてしまうんじゃないかと思いきや、2人は熱い絆で結ばれていて安心した。

そして今回の悪役、ジェイソンステイサムだ。ジェイソン・ステイサムの魅力、今作からはものすごく滲みでている。とてももと競泳選手のアスリートとは思えない演技力。悪役にはぴったりだ。今までの出演作品から想像される「この人が悪役やったら、すっごい人がたくさん死ぬだろうねぇ」っていうのを見事に見せてくる。何度か出てくる、人が倒れるのに合わせてカメラもゆっくり倒れる、っていうのが、いいアクセントになってます。それで、けっこう心配していた、ドウェイン・ジョンソンの扱い。最初にイサムさんとボカスカやりあって見せ場を設けたあと、ラストまで退場させるという。そうすればヴィン・ディーゼルとゆかいな仲間たちが食われずに済みますから、これは英断と思う。

そして今回とても嬉しくて興奮したシーンが、Tokyo Driftでの主人公、ルーカス・ブラックが今回でちょこっと再登場しているところだ。これにはファンが喜ぶのを計算してでの登場だと思う。さすがだ。うまい！当然のように映画での時系列的にも少々老けていたが笑

まだまだみどころなシーンはたくさんある。今回はカーアクションや男同士の肉弾戦だけじゃない！なんと女同士のキャットファイトもある！最高すぎた！派手すぎる。ミシェル・ロドリゲスVSロンダ・ラウジーだ。やっぱりミシェル姐さんと対等に戦えるような説得力のあるひとって、ああいう人しかいない。　迫力満点！　手下を引き連れてるところのボス感！　かっこいい！この対決は本当に、眼福だ。しかもドレス、赤VS白。高層ビル。たまらない。かっこよくってキレイだ。

そして、ヴィンディーゼルだ。しょっぱなからかましてくれた！崖っぷちでのドリフトシーンが印象的だった。ギリギリでどでかいトラックをかわしていくのは迫力さがマックスに出ていた。そのぶん撮影も危険だったのだろう。特に、ドムの「葬式はもう嫌だ」というセリフには奥が深く、考えさせられるのも多くて、ものすごく心に刺さった。当然、順撮りではないので、いつ撮られたかわからないが、もしかしたらポール・ウォーカーが亡くなってから入れられたシーンかもしれない。本当に、ヴィンはポールが好きなんだなって。映画でも、普段のヴィンでも。そしてそしてロック様の強引で無理矢理な復活！やはりこの男はじっとしてられない。いつまでもおとなしく病院でなんかねていられない笑最後の最後のクライマックスで大活躍してくました！ド派手に暴れに暴れまくってくれました！どでかい派手な武器でファイヤーしまくり、敵機のヘリをうちおとす笑もうロック様なしじゃワイスピは成り立たない！

イカしてる車とノリノリな音楽たち

ワイスピの醍醐味といったらなんといっても迫力満点のテンションアップ間違い無しの音楽！サントラなんかも数多く発売されており、特にクライマックスで流れるWiz Khalifaのsee you againは、ポールウォーカーに捧げた曲だと言われている。この曲が流れるシーンでドミニクとブライアンが車を走らせて別れていくシーンは、いろいろと考えさせられて涙無しには観られない！個人的には冒頭で流れるGet Lowもオススメだ。

車好き必見のこの映画。街乗りカーから超高級車までせいぞろい！登場人物と車の個性がマッチしたキャスティングが本当に素晴らしいと思う。個人的にはアルファオメオの使い方は良かったと思うが今作では日本車が少し物足りなかった感がある。そして、高級車にはなんと世界に７台しかないという世界一高価な４億円という破格な値段の、ライカンというアラブ首長国連邦のWモーターズが開発製造した車を贅沢に使用している。撮影には１台本物を、アクションシーンのみ２億円のレプリカを５台使用したという。映画ではこの高級車がなんとビルとビルの合間を飛び回るので興奮間違いなしだ！主演のヴィンディーゼルもこの車については大絶賛していて、「あれほど特別な車はない。いくらすごい車でもありえない場面だ。」とコメントしている。

車好きなら一度はみておきたい映画である。