箏曲部で繰り広げられる青春ストーリー - この音とまれ!の感想

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漫画レビュー数 3,136件

この音とまれ!

4.674.67
画力
4.33
ストーリー
4.33
キャラクター
4.17
設定
4.50
演出
4.83
感想数
3
読んだ人
5

箏曲部で繰り広げられる青春ストーリー

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

目次

"不良少年チカ"と"お琴"のギャップが面白い

主人公の不良少年チカが、見た目とは裏腹な繊細で美しい琴の音色を奏でるというギャップが面白い。チカが琴を弾き、その音色の美しさに聴く人が驚いている様子を見ると、読んでいる読者としてとても誇らしい気持ちになる。あともう一つ、強面の不良少年チカの大好物が"苺"というところにも可愛らしいギャップを感じる。ストーリーの所々に感じる"ギャップ"から、作者をギャップ使いの天才と讃えたい。また、不良だったチカが琴を通じて努力することを覚え、仲間や顧問たちと心を通わせていく姿には目頭が熱くなる。この作品には、自分は1人ではなく多くの人たちの支えがあって今を生きているというメッセージが隠されているのではないかと感じた。

音が無くても躍動感あふれる感動の琴演奏

とにかく琴の演奏シーンの躍動感がすごい。私は、だいたいの演奏シーンで泣いてしまう。それぐらい音が無くても感動し、楽しむことができる。琴を演奏したことがない人、聴いたことがない人にも曲調や演奏時の緊張感などが伝わるコマ割りやページ構成がされているため読みながらハラハラドキドキが止まらない。実際に琴の種類や弾き方、楽譜の味方などが細かく描かれているため、読み進めていくうちに自然と簡単な琴の知識が付き、箏曲部の部員の1人になって演奏している気分にもなれる。琴の練習シーンでは、曲の躍動感は感じさせずに、部員の琴や部に対する葛藤を描いている部分が多く見受けられる。そういう葛藤に苛まれながらも部員全員で助け合いながら一曲一曲を完成させていく姿を見てきたからこそ、最後の演奏シーンで感情移入して(私の場合は自分の子供の成長を見ているかのように)見ることが出来るのではないかと感じた。

少年漫画には珍しい高校生の純粋な恋愛模様

「この音とまれ」では純粋な高校生の恋愛も楽しむことができるところが良い。私は、少年漫画には珍しい女の子目線で恋愛模様が描かれているなと感じた。男子のたわいもない言葉に一喜一憂し顔を赤らめる女子達の姿や、そんな女子達の気持ちには一切気が付かない男子達の姿が面白く微笑ましい。話が進むにつれてなんとなくではあるが、男子達も女子達の気持ちに気付き始める様子が少しずつに描かれていて今後の展開がどうなるのか待ち遠しい。描写的には少女漫画にのようなピュアで焦れったい様子で所々ストーリーに盛り込まれていて男女問わず楽しめる要素が沢山あると感じた。

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珍しい筝曲をモチーフにした隠れた名作

箏経験者の作者による卓越した表現力がキモ『この音とまれ!』は、高校生の部活動を描いた漫画ですが、文化部のなかでも特に珍しい、筝曲部をモチーフにした漫画です。筝曲という特殊な世界の楽しさと難しさ、奥深さが丁寧に描かれています。というのも、作者のアミューさんが筝曲を子供の頃から習い、かつ学生たちに自ら指導までしているということが、大きな背景となっているのでしょう。この漫画のもっとも卓越したところは、そのアミュー氏によって紡がれる表現力にあります。例えば作中で、練習で安定した音を出すために、音のツブを揃えるという描写があります。熟練者による音のツブは、トテトテトテという書き文字によって、端的、かつ揃っていることを見事に表現されています。反対に、まだ未熟な筝曲部生徒たちは、描き文字(音自体)が弱々しく表現されています。このようなわかりやすい描写のおかげで、読者から見ても、まだ彼ら時瀬高校筝曲部...この感想を読む

4.04.0
  • すらりすらり
  • 387view
  • 2017文字
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お箏の演奏が聴こえてきそうな漫画です。

定番の部活物の漫画なのですが、バスケ、サッカー、野球と言ったスポーツ系漫画ではなく、、、。なんと文化系、、、しかも箏曲部を舞台にした漫画です。箏曲部ってあまり部活では目立たないイメージですが、私も中学3年間は箏曲部に所属していましたがとても地味でした、、、、。私自身はお箏大好きですけどね!この漫画を書店で見つけた時、お箏を抱えている少年の表紙に惹かれ、しかもめっちゃ絵が綺麗!迷わず手に取りレジへ持って行きました。我慢できずに帰りの電車の中で読んだのですが、内容にとてもびっくりしました。不良の男の子が箏曲部に入る、そんな設定にとても引き込まれました。不良少年がおじいちゃんの作った箏曲部に入部し箏曲部を守っていく話。なかなか文化系ではないお話です。最初は男の子2人だった箏曲部に話が進むにつれて個性豊かな仲間が入部していきます。一番印象が強かった登場人物は、お箏の家元お嬢様、お箏のプロ鳳月(ほう...この感想を読む

5.05.0
  • eimi.eimi.
  • 83view
  • 588文字

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