ヒーリングアニメの集大成ここにあり!疲れたときは「さぁ、お手をどうぞ」 - ARIA The ORIGINATION[アリアジオリジネーション]の感想

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ARIA The ORIGINATION[アリアジオリジネーション]

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映像
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ストーリー
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キャラクター
4.67
声優
4.67
音楽
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感想数
3
観た人
7

ヒーリングアニメの集大成ここにあり!疲れたときは「さぁ、お手をどうぞ」

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映像
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ストーリー
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キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

心に響く名言が多い

ARIAってシリーズを通して、心の隙間にすとんと入ってくる名言が本当に多いんです。もう疲れて、嫌になってしまいそうな事があっても、ARIAの名言は何度も私を助けてくれました。「ARIA The ORIGINATION」だけでもこれだけ心に響く名言があるんです!

今のあたしが未熟で足りないのなら足せばいい。だからあたしはやわっこくやわっこくなりたい。

やわらかければどんな形にだってなることができる。どんなものだって吸収することができる。

そしたらあたしは何にだってなれる。

(第4話「その 明日を目指すものたちは…」より)

社会人であれば仕事、学生であれば部活やアルバイトなど、未熟だなって思う瞬間が訪れる事もあります。自分でも未熟だと感じている部分を、周りにも「未熟だ」と言われると辛くなるし「未熟だ」と言われている事をやるのってとても勇気が要るし、体が凝ってますます上手くいかなくなります。

でも、未熟だという事はまだまだ伸びしろがあるってこと。未熟であるからこそ、スポンジのようにやわらかく、多くの事を吸収することができるんです!吸収するものによって、形は変わっていくので自分が「こうなりたい」と思っているものにだってなれてしまうと肩を押してくれます。

何時でも何処でも何度でも、チャレンジしたいと思った時が、まっ白なスタートです

(第4話「その 明日を目指すものたちは…」より)

この言葉は、本当に私を救ってくれました。何をするにも年齢という壁や、性別の壁など様々な問題が山積みで、チャレンジしようと思っていた事を諦めようとしていた時、この言葉に出会いました。

結果より、まずチャレンジしたいと思った時に、真っ白なスタートに立つ事が重要なのだと気付いたんです。大人になればなるほど、そのスタート地点に行くまでに何度も慎重に助走をしますが、恐れずにスタート地点に立つ事で見えなかった景色も見えるかも知れません。

この他にもたくさんの名言がたくさん詰まっているARIA。現代社会では、多様性が求められる事が増えましたが、自分の普通と他者の普通が異なって衝突したり、苦しい思いをすることもあり、何となく息苦しい世の中です。

そんな時、ARIAのキャラクター達が紡ぐ言葉の数々に心を救われて「また明日から頑張ろう」と気合を入れられます!

とにかく背景が綺麗

最近のアニメは、作画崩壊とネタにされるようなシーンがあったり、中には作画崩壊が当たり前と言われるようなアニメが増えてきました。敢えて作画崩壊をさせているのか、それとも力量が足らないのかは分かりませんが、ARIAでは作画崩壊を見た事がありません。

とにかく、背景が綺麗!!背景ってそのアニメの世界に惹き込まれる大事な要素の一つだと思っていて、キャラクターが可愛くても背景が雑で見る気がなくなる経験ありませんか?

キャラクターが生きる世界が綺麗に描かれている事で、作品の世界に入り込むことができます。ARIAは、イタリアのヴェネチアの風景をそのままアクアに再現しているので、建物の配置などもイタリアのヴェネチアそっくりです。

実際にテレビなどで見た事がある風景が、アニメの世界でも再現されていると実際に、ネオ・ヴェネチアに行った気分になったり、こんな場所に行ってみたいと思うきっかけにもなります。ネオ・ヴェネチアは水の都で水や空の描写が本当に綺麗で、写真を切り取ったかのような錯覚に陥る事もしばしば・・・。

様々なアニメが今ではありますが、個人的に3本指に入る背景の綺麗さの一つが「ARIA」です。

プリマの通り名がかっこいい

ウンディーネは「見習い・両手袋(ペア)」「半人前・片手袋(シングル)」「一人前・手袋なし(プリマ)」の3つの階級があり、シングルはプリマ同席でお客様を練習ゴンドラに乗せることができ、プリマになって初めて社のカラーがあしらわれた観光ゴンドラを扱って、一人でお客様を乗せる事ができます。

プリマになると、一人一人に通り名が与えられます。基本的に、プリマ昇格試験の試験官をした先輩プリマが新しいプリマに似合う通り名をつけるのが慣わしです。

遥かなる蒼(アクアマリン)

灯里がプリマに昇格した時に、アリシアさんがくれた通り名です。ARIAカンパニーなど水先案内会社を創設する時は、アクアマリンの瞳をもつ猫を仕事の安全を願って社長にするのが慣わしになっています。ちなみに、アクアマリンは海の女神からの贈り物と言われています。

灯里が、この水の都でありふれた日常を輝く日常に変えてしまう天性の才能と、誰とでも仲良くなってしまう性格、灯里と話した人は皆笑顔になってしまう事から「誰よりもこのネオ・ヴェネチアを愛し、母なる海のように皆を包み込んで幸せにしてしまう」という意味で「遥かなる蒼(アクアマリン)」という通り名をつけられたんだと思います。

きっと、アリシアさんはずっとこの通り名を灯里ちゃんと出会った時から「プリマになった時につけてあげよう」と決めていたような気がします。

その他にも

薔薇の女王(ローゼン・クイーン)

黄昏の姫君(オレンジ・プリンセス)

など、かっこいい通り名があります。本作では、どんな時に通り名が使われるのか描かれませんでしたが、通り名とセットで覚えられている事から、会社のHPなどプリマウンディーネの名前が記載されるのと一緒に通り名も記載され、定着しているのではと考えられます。

ゆっくりと流れていく時間

アクアの暦は24ヶ月で、マンホームの暦の2倍です。1日の長さは24時間と変わりませんが、1年の長さが24ヶ月というのはとても長く感じます。

誕生日は、観光客などが混乱しないようにマンホームの暦に合わせている為、1年に2回誕生日がやってきます。(正式な誕生日と2度目の裏誕生日)一般市民の移動手段は、徒歩かヴァポレット、水上タクシー、トラゲットのどれかなので、ゆっくり移動する船にゆられながらゆったりした時間を過ごしていくのがARIAの特徴でもあります。

ウッディーなどシルフが、配達のために急ぐ事などはありますが、基本的にネオ・ヴェネチアの人は急ぐ事はなく、時間に余裕を持って行動し、ゆっくりと流れていく時間を楽しみながら生活しているのだと思います。

そうなる事で、争いなども起きませんし、あれほど暖かい心を持った素晴らしい人たちしかいないのではないでしょうか。

それぞれの成長と旅立ち

本シリーズは、アニメの完結ということで原作最終話まで放送されています。これまでシングルとして修行を積んできた灯里と藍華、ペアとして修行を積んできたアリスの成長と努力が開花しました。

営業スマイルが苦手で「ゴンドラ通りまーす!」と曲がり角での衝突を防ぐために発する声が小さかったアリスも、灯里と練習をして様々な経験をしていく中で、心身ともに成長して飛び級プリマという異例を成し遂げました。

藍華は「アリシアさんのようになる」という目標から「自分にしか出来ないプリマに」と目標を変えたことで、今まで以上にハツラツとしていて、メキメキと実力が伸びていった印象があります。作品全体を通して、自分自身を大切にして、自分自身を好きになる事ができた藍華の成長は涙無しでは見られませんでした。

灯里は、ずいぶん前からプリマになれる実力はあったのに、アリシアさんが離れたくなくて昇格を先延ばしにしていた事が、灯里のプリマ昇格後に明かされます。灯里は「アリシアさんからの旅立ちと楽しかった過去との別れ」という一番精神的な成長をしました。

いつもと変わらないARIAカンパニーに、アリシアさんの姿がないだけで寂しさで取り乱してしまったり、アリシアさんが引退した翌朝、皆で過ごした過去がフラッシュバックするなど、一人で前に踏み出す事をためらっていたような描写がありました。

しかし、灯里はそこで過去やアリシアさんに囚われず、自分が新しいARIAカンパニーを作って、未来の皆に会いに行く決断をしたところで、私の涙腺崩壊です。

慣れるまではアリシアさんがサポートしてくれるとはいえ、いきなり経営を任されて、水の三大妖精の後釜というプレッシャーをものともせず、しっかり前を見据えて頑張るのは、シリーズ全体を通して様々な経験をしてきたからこそ、成し得たもので、本当に見ていて良かったと親のような気持ちになりました。

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他のレビュアーの感想・評価

まだまだ。

本当にこの作品は、ためになる話が多い作品ですね。3期の1話から早速、勉強になるな~って思うお話。アリシアさんが言うんです。皆まだまだ、私達もまだまだ。だから藍華が聞くんです、んじゃあどこまで行ったら満足出来るのか?って。そしたら晃さんは、ずっとまだまだだって。これでいいやって満足したら、もう前に進めなくなるんだって。だから、まだまだって思える事は素晴らしい事だし、今日より明日、明日より明後日、もっと頑張って自分をより良い自分にしていこうという考え方。そんな事をアリシアさんや晃さんが言ってるんです。毎回思い知らされますが、この作品は本当に色んな事を教えてくれたり、思い出させてくれたりして、ただのアニメ、なんて一蹴出来ない魅力があります。そして、毎度の事ですが、そういう時は絶対、藍華は恥ずかしい台詞禁止っ!を封印するんですよね。そんな些細な所からもこの作品の魅力が溢れてくるな~なんて思いました。この感想を読む

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