「萌え」よりも「燃え」る、美少女青春活劇。 - カレイドスターの感想

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カレイドスター

4.754.75
映像
4.50
ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
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感想数
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観た人
3

「萌え」よりも「燃え」る、美少女青春活劇。

5.05.0
映像
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
4.5

目次

自身の最も好きな作品の一つで、最も老若男女問わずに勧めたい名作。

この作品は、自分の人生において、最も素晴らしい出会いと思える作品の一つだ。

決して誇張して言うわけではない。

この作品を見ると、軽い言葉になるが「勇気が出る」のだ。

内容はシンプルだ。

主人公「ソラ」は、幼いころに見た「カレイドスター」と呼ばれるサーカスに憧れ、日本からアメリカに渡り、オーディションを受けに旅立つ。

その後、憧れだったスター「レイラ」と出会い、二人は紆余曲折を交えながら、次第に互いを「パートナー」として認め合う。というものだ。

決して個性的な概要ではないし、今見てみると、夕方枠で放送されていたためか、子供向けの演出も多々見受けられる。

しかし、それを抜きにしても、ぜひ努力する人に見てほしい。

そこには今の時代だからこそ、「夢」を明確なテーマにしておいて、決して安易に「夢」を語らない、強いメッセージが胸に刺さる作品だからだ。

熱を感じ、強く憧れ、そしてすぐ近くにもある、ただただ夢を追うという姿。

まず、この作品の特徴を挙げていく。

子供向けという前提があるため、絵はとても可愛らしい雰囲気で、軽く描かれている。

演出も、サーカスというよりは、もはや超人的なエンターテイメントの描写がほとんどだ。

展開はとても良く、一話から二話で一区切りがつく。そしてその中で、必要であれば長い尺をもって物語の核心を描いていく。

また、キャラクターデザインは秀逸で、子供にとっては可愛いと格好良さ、大人にとっては愛らしさと美しさ。または萌えと表現できるものになっているが、決して一つの枠では語れない魅力を、それぞれが持っている。

サーカスという名目があるため、練習時は簡素なレオタードを美少女が纏い、大舞台になると、更に美しいデザインの、あるいはきわどいとも表現できる服に変わる。

そこには確かに、現代で見れば、そういう風に見られても仕方がない演出ではある。

しかし、それに目を向けてはいられないほど、この作品の最も強い描写が、次第に視聴者を、そういった細かいことを考えさせられなくする。

目を見張るその魅力とは、「熱」である。

主人公・ソラには、今のアニメ業界にありふれている、特殊な能力も、設定ありき。努力が必要のない楽なアニメにはない、明確な「試練」が待っている。

それも、見ているこっちが辛くてドッと疲れるほどの試練だ。

最初の回ですでにそれは始まっている。

家出少女と間違われ、オーディションに間に合わなければ、冷たく冷遇され、オーディションを受けられない。

数話後には自分の立場が不正で手にしたものであると言われたり、いきなり難解な技をやれと言われたりする。

今描いてしまえば、おそらく「いじめ描写」として少なからずクレームがつくのでは?とすら思う。

しかし、それを決して覆さない精神でソラは跳ね返す。

必死に努力する。自分がここで舞台に立ちたいがために、必死で努力を重ねるのだ。

その姿に周りは揺れ動かされていく。自分の努力。そして自分の求めているサーカスでの役目を、それぞれのキャラクターが探し始める。

その魅力が、ひたすら美しく、愛らしく思えて仕方がないのだ。

今描かれていたら。と思わざるを得ない、ギリギリの同性尊敬描写。

今でこそ珍しくもないが、この作品にはあまり男性が登場しない。

また、恋愛的なものも存在せず、あくまで尊敬、憧れ、親しさとして、キャラクターは繋がっている。

しかし、その当時であっても、今であれば、ほぼ間違いなく、そういった昨今多く見られる、

いわゆる『百合』として表現されているようなシーンが、多々、かなりある。

その最たる例が、主人公ソラと、パートナーであるレイラの関係。そして途中からゲストキャラとして登場し、人気を博したため再登場した、ロゼッタとソラの関係がそれに当たる。

元々、美少女と美人が描かれていれば、その手の話にはなりやすい。まして、関係性を重視した内容を描けば、そういった妄想を止めることは難しい。

しかし、この三人の表現は、明らかにそれに重度の拍車をかけている。

パートナーとしての関係を強化するために、同じ部屋で寝る。ほぼ毎日のすべてを共に行う。

次第に日常行動ですらシンクロするほど。となれば、当然そう考えるのは当たり前だ。

また、ロゼッタとの関係になると、幼心でソラを慕うロゼッタの行動は、そういった方向にアンテナを立てる者にとって、もはや一点集中の猛アタックになっている。

それが決して「恋愛」的でなく表現されていることで、視聴者もその深みにはならずに見ることができるし、楽しみたい人だけが楽しめばいい。そんな具合の良い塩梅で、しかし確実にこの作品には「百合」が咲いている。

この先も、おそらく見続けているだろう。そう感じる数少ない名作。

自分にとって、この作品を好きと表現する事に、一切の迷いはない。

それこそ、あまりアニメ文化、オタクでない異性に対してでも、それを言いきる気持ちがある。

なぜなら、この作品は、とても面白いからだ。

ただただ、夢を努力と仲間との力で手にしようとする。ありきたりで単純な、そして尊いテーマだ。

それを嫌う人はあまりいないだろうし、この作品には、そこに余分な脂肪が存在しない、とても良質な描かれ方で作られている。

自分はこれからも何度も見直すと思う。その度に、ひたすら努力をして、夢を掴む、そしてその後の強い覚悟をして、夢を掴んだ者の「責任」を果たしていくであろうソラに、自分を重ねたり、あるいは遠く見つめてみたりして、自分の向上心を煽っていくだろう。

だからなのか、そうではないのかもしれないのか。

自分には、その判断は付かない。それほどに魅力がありすぎる。

だからこそ、自分はこれからも、何度も何度もこの作品を好きでいて、見続ける。

それだけは、決して変わらないのだろう。

 

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