FFファンなら一度は観る作品。少し前の作品だが、FF7の熱い想いがよみがえる。
FF7のキャラクターがCGで大暴れするのが魅力
FF7ファンならあのゲームが今の映像技術で蘇ったら絶対またプレイする!等々思う方が多いと思うが、それを感じさせてくれる作品。作品自体はCGでFF7のキャラクターを画面せましと暴れさせてくれるものになっている。勿論現在のCGと比べると若干拙いCGであることは否めないが、それを差し置いても非常にスムーズに動き、キャラクターの魅力を引き出していると感じることが出来る作品。
ゲームのイメージを損なわないキャラの動き
FF7をやっていることが前提で作られているこの作品だが、ただのファンディスクにならないように、しっかり作りこまれているのも魅力。特にファンならば、自分でクリアしたキャラクターが滑らかなCGキャラクターになって、動き回る姿は見ていて飽きが来ない。特にイメージ通りに動いてくれるポイントと言えば、必殺技や、攻撃方法は特に素晴らしいと断言できる。元のゲームの戦闘シーンばりの早さや、そして魔法や特技、それをこの時代にこのレベルのCGに落とし込み、観ている私たちファンの満足させるレベルに仕上げているのが素晴らしいとお伝えする。観る人すべてに、様々な思いを巡らせてくれるのは、当時FF7をプレイしているファンの方なら絶対喜びの声を上げるだろうシーン。そうあのクラウドがバイクに乗って駆け抜けるシーンである。森羅ビルから逃げるバイクで、当時はなんて綺麗な映像だ、と大喜びした記憶が蘇っていくのと、それに喜びのあまり、ドキドキが止まらなくなるもの、このファイナルファンタジーVII アドベントチルドレンの良いところではないだろうか、このシーンから考えられるのは過去への期待と邂逅、それを感じる。また、ティファが暴れるシーンも、男性ファンなら必見と言えるのではないだろうか。当時から魅力的なプロポーションを見せて、男性陣を魅了していたティファだったが、CGになってより男性陣を魅了していると感じる。実際、ティファがこんなに、可愛くなるなんて私自身は思わなかったが、思わず目で追っていたのは言うまでもない、ただその思いをも上手に見せようとしているのが映像作成者から伝わってくるのが少し残念でもある。ただそんな感じで多くの魅力的なキャラクターが、魅力的な動きをしながら、当時の思い出を思い出させてくれるのがこの作品である。
クラウド、と叫びたくなる構成
当時の少年は皆クラウドに憧れていたはず。今から思うと中二病と言う病気をこじらせていただろうクラウドだが、その格好良さとクールさに当時の少年たちは熱い視線と、そうなりたいと思ったはずだ。そんなクラウドが画面の中では、中二病を克服したと思わしつつ、全く当時のままの中二病を発症しながら所狭しと歩き回っている。それはクラウドが自分の仲間と話すシーンからもわかる。クラウドはやっぱりクラウドのまま。彼は相変わらず、自分大好きなんだな、と言う事を感じさせてくれるのが懐かしさと恥ずかしさを伝えてくれる。そういった甘酸っぱい思い出と、恥ずかしさを感じれるのもクラウドの魅力。その魅力を前面に出してくれている、この映像制作者は素晴らしいの一言。クラウドらしい自分本位で、そして自分は周りを気にしていると見せかけているのが、周りにばれている、と言うことがしっかり伝わってくる。これは声優の方の演技力なのか、と声優の名前を調べてしまうほど。そういった点も当時のクラウドを思い出す。そうザックスに嫉妬していた彼を思い出せる。魔晄炉に飛び込んだクラウドの雄姿を思い出しながら、当時の自分自身を思い出しては、叫びたくなる。そんな素敵な連鎖反応が起こる、ただこの映像を見ているだけで。大人になればなるほど、当時を思い出しては喜べるが、それはこのFF7を見ても思い出せるのではなかろうか。
クラウド達のその後
そのような魅力的な映像で伝えてくれるこのファイナルファンタジーVII アドベントチルドレンだが、クラウドを通じて、各キャラクターがその後どのように過ごしていくか、この世界でどう自分がありたいのかと言うことを伝えてくれると感じる。クラウドもティファもバレットも、他にもレッドサーティーン達も、互いに何も語らないが、もう旅が終わり、そして二度と交わることがないだろうこの仲間たちとの、一瞬の交錯を感じながら、大切にしている姿に感動を覚える。クラウド達の物語はすでに終わったのだが、この映像ではその後の一瞬の交錯にスポットを当て、そして彼らが二度ともう会うことはない事を再認識し、新しい道へ歩んでいく姿を互いに互いを背中で称えあう。そんな男の物語がクラウド達にはあると言うことを伝えてくれる。最後は一緒に歩みだすこともなく、それぞれの道を見据えて歩みだす彼らには、心の中にある地球への感謝と、そしてあの大戦を乗り越えた仲間への感謝を、言葉に出さずに去っていく。しかしそれは伝わっているし、伝えれている。それが本当の仲間だと言わんばかりの最後のシーンに感動と言う思いしか、心には浮かばない。たかがCGのキャラクターのゲーム本編のその後と侮るなかれ、彼らはファイナルファンタジーVII アドベントチルドレンの後もそのまま物語を続けているんだと、私たちに伝えてくれる。
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