良くも悪くも橋田壽賀子ワールド - なるようになるさ。の感想

橋田壽賀子節全開

「渡る世間は鬼ばかり」で有名な橋田壽賀子先生の脚本。「わたおに」が好きなので観てみました。独特のセリフまわしや、ありえないだろって設定など、良くも悪くも橋田ワールド全開！ツッコミ入れながら見るドラマだと思っています。橋田作品には欠かせない泉ピン子も出演されていますが、浅野温子と姉妹ってちょっと無理矢理すぎないか！？浅野温子が「おねぇちゃん！」と泉ピン子を呼ぶ度に違和感が・・・。作中にも無理矢理登場してる感があって、もう逆におもしろいです。最初は不自然に感じた浅野温子の演技も、回を重ねるごとに見慣れて来てしまいました。彼女にしか着こなせないようなファッションや、毎回ちらっとうつる美容法を観るのも楽しみです。そしてなんといっても夫役の舘ひろしがかっこいい！！高給取りで優しくて妻想い。うらやましい。あんな旦那さんがいたら、そりゃあ「なるようになるさ♪」って言えるさ。

色々ありすぎる人たち

「主婦が自宅を改装してレストランを始める」というところから始まり、従業員がＤＶ夫から子連れで逃げている→「あらまぁそれは大変！だったらうちに住めば良いじゃない♪」という流れ。え！？いいの！？旦那さんもオッケーなんだ！？「なるようになるさ♪」って、そりゃあまぁそうだろうけどさ。そしてあれよあれよと増えていく居候たち。DV、いじめ、ひきこもりなど、現代ではそう珍しくない、身近とも言える悩みを抱える登場人物たちには感情移入しやすく、主人公の優しさに触れながら少しずつ問題を解決していく過程は、単純に「がんばれ！」「うまくいくといいね！」という気持ちになりました。そういう意味では安心して観られるドラマです。色んな悩みを抱える孤独な人たちにとって、主人公のような存在がみつかるといいですよね。実際そううまくはいかないでしょうけれど、「なるようになるさ♪」と前向きに捉えていれば、おのずと道は開けていくのかな？なんて思ってしまいました。あれ！？まんまと橋田ワールドの手の中に！？

ラストは消化不良。でも続編に期待！

最終回のストーリーは正直期待はずれでした。え！？しょうくんとはるなちゃん！？いつのまに！？陽子ちゃんはどうしたのよ！？京都でデートしてたじゃん！と、頭の中ハテナだらけでした。もう少し恋愛描写をうまく描いてくれていたらよかったのかもしれませんが、若者のリアルな恋愛は橋田作品では難しいのですかね・・・。ハッピーエンドなはずなのに、しっくりこない！！逆に、長男との問題を華麗に金で解決したのはスルーできましたが。だってこの夫婦、結局お金持ちなんだもん。「（お金さえあれば）なるようになるさ♪」ってことなんでしょうね。

とまぁ不満も言いつつ、結局最終回までなんだかんだ楽しんでだらだら見続けてしまいました。「わたおに」のようにシリーズ化していくのでしょうか？続編が出たら、また、あーだこーだ言いつつ観てしまうと思います。