命とは何かを改めて考えさせられる - 僕の生きる道の感想

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僕の生きる道

4.504.50
映像
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脚本
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キャスト
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音楽
4.50
演出
4.25
感想数
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観た人
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命とは何かを改めて考えさせられる

4.54.5
映像
4.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
4.5

目次

何気ない日常についてのドラマだと思っていました。

初めてこのドラマを見たときは、何気ない日常についての物語だと思っていました。どこにでもいる教師の仕事をしている中村秀雄(草なぎ剛)の日常を淡々とドラマの中で繰り広げられており、最初は何も起きることがなく何が楽しいのかがよくわからないと思ったのが本音です。それからそんな何気ない毎日を過ごしていくのもどこかつまんなそうに見えていて、しっかりとした仕事をして、毎日の生活に不満もなく充実していることから、何気ない毎日の繰り返しだと思って生きているんだろうと、うらやましい気持ちになるようなストーリー展開でした。

ところがある日突然、職場の健康診断に引っかかりスキルス性胃がんと診断されたのです。あれほど満足のいく生活を送っていたのにも関わらず、いきなり余命1年と宣告されてしまい、私自身こうなる展開を予想することができず、何気ない人の日常生活を見ているいるだけのドラマだと思っていたのに、急に不安に襲われました。

何も不満のない生活を過ごしているところから、急に不安に襲われる生活になってしまい、そこまでの落ち方がドラマの中でしっかりと表現されており、もしも自分が中村秀雄と同じような事になった時にどうしたらいいだろうと不安を覚えた事から、毎日の生活に満足している人や、これまで問題なく生きてきた人でさえも、いつこんなことになるかわからないという現実を突きつけられました。

このようにいきなり受け入れられない現実を突きつけられるというのは自分だけではなく、周りの人にでも起こりうることなので、そんな時どんな顔したらいいだろうと悩みました。

何気ない展開で始まったドラマが一気に続きが気になり、主人公や周りの人の気持ちを考えながらのドラマが進んできました。

役者の演技がとにかく上手い

この物語に関しては、役者の演技力が出る作品ということがよくわかりました。これまで当たり前の毎日を淡々と繰り返していた中村秀雄役を演じている草なぎ剛さんは、宣告されるまでのシーンでは平凡な毎日をつまんなそうに生きているような印象でした。またこんなはずの毎日じゃなかったというどこか後悔しているような演技もどこにでもいそうな普通の人という印象を見ている視聴者に与えていたと思います。

それから余命を宣告されてから自暴自棄に陥って、どうして自分がといったような取り乱してしまうような気持ちなどもうまく表情や言動に現れていて、多くの人に衝撃を与える演技でした。

物語が進んでいく中で、自分の病気を周りの人に伝えるまでの演技では、なかなか言い出すことが難しいという葛藤や、周りに迷惑をかけないようにしなくてはならないと自分の立場を考えての行動は見ていてとても切ない気持ちになります。同僚にも徐々に気づかれていき、もしかしたら中村秀雄が悪い病気なのではないかと周りが疑っていく様子、周りが受け入れていく様子なども、全員がしっかりとした演技ができない限りは見ている側として感情移入が難しかったのですが、役者全員の演技がどれも素晴らしく、自分だったらどうしよう、どんな風に周りに接していけばいいだろうと感情移入をしながら物語を見ることができて、命の大切さであったり後悔しない人生を送るために、どのように生きていけば良いかを改めて考えさせられました。

明日がくるとは限らないから精一杯生きること

病気を告知されてから、やがて病気を受け入れて最後の最後まで後悔のないように生きていこうとする姿は本当に感動できました。このドラマの最初のシーンと中盤、終わりのシーンでは展開が異なり、なんで自分がこんな病気になってしまったんだというところでは、なんで?という気持ちになったり、自分だったら残された人生をどのようにして生きるだろう?また周りの人にどう接してもらいたいだろう?と主人公の気持ちになって物事を考えられるようになった作品です。

自分だったら残された人生をどのようにして生きるだろう?また周りの人にどう接してもらいたいだろう?と主人公の気持ちになって物事を考えられるようになった作品です。

また自分が周りの立場だと時は、どのように接してあげることが良いのだろうと改めて勉強になりました。毎日同じような生活の繰り返しをしていると、自分がいきなり死ぬわけないとどこかで思っていたのですが、急に当たり前の生活が奪われてしまったときに、どんな風に最期まで生き抜くかを真剣に考えられるようになりました。

誰でも起こりうる状況このドラマで表現していることから、現実的でありながらも主観と客観的な目でドラマを見ることができる作品で、病気になってしまった主人公の家族や恋人、同僚等の接し方等も大変勉強になる物語の進み方でした。本当の意味での命との向き合い方を真剣に見せているドラマで、今ある時間を当たり前と思わずに大切にしようと思えるようになりました。

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4.54.5
  • おみおみおみおみ
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