ちょいエロを楽しみたい方に
薄めな内容
元気いっぱいの女の子世莉(せり)。そしてモテ男碧樹(たまき)。この二人のお付き合いのお話なんですが、とにかく男やら女やら出てきます。そしてすぐに盛ります。碧樹は世莉が大好きです。世莉も碧樹が大好きなんですけど、なぜか回りのギャラリーで動きがあり、楽しいだけの恋愛にはなりません。そりゃーお付き合いしていく中で、いろんな困難があると思うんですけど、現実離れした困難が多数…最初の世莉の取り合いは別に良かったんですよ?宙(そら)も世莉が好きってことで、取られたくない碧樹は一生懸命空手のトレーニングを開始して、勝負には負けてやったけど、碧樹が素直になって、世莉が素直になって、お互い好き同士で付き合っていくって決まった。ラブラブでいいねーって。
でもそのあと、生物の先生の策略にはまり碧樹が心中目的で殺されそうになったり、碧樹にライバル心を燃やす奴の餌食になったり、鷹来グループへの復讐に巻き込まれてさんざんなことになったり。そんなビッグな出来事あってたまるかい。しかも、あんだけ校内に証拠の写真をばらまかれて謹慎3日っておかしくない?親はいったい何をやってるの?また学校に普通に通っているって世莉たちの心境どうなってるの…?学校の先生何やってんの?碧樹もよく平気でいるなー…世莉が落ち込むのは碧樹とうまくいかない時だけで、アクシデントは全然で…気持ちがほとんどわかりません。しかし、そういうビッグなものにのまれてみたいという人もいるってことなんですかね?けっこう2000年代の作品で人気のあるほうだったと思いますから。
ちょいエロ楽しみたい人へ
なんで人気だったかなーと考えると、ちょっとエロいからなんじゃないですかね。まだまだ恋愛に疎い方々の中で憧れて読む人がいたと思うんです。空気を知りたい人向けですね。いろんなシチュエーションで楽しんでますからね。道場、学校の教室、カラオケボックス、外やら家やら…TPOを考えようよ。でも考えずにやってみたいじゃん。そんなふうに女子がひそかに憧れるシチュエーションってやつをふんだんに詰め込んでいます。これを目的にするなら、この物語は結構楽しめると思います。終始そういった男女の絡まりが描かれていますからね。もしかしたら、この漫画を読んでちょっと襲われてみたいと思ってしまった女子もいるかもしれません。だめですよ!犯罪ですよ!警察に連絡!
個人的には、少しは恥じらいってやつがないのかい?って思ってますね。防犯カメラは今どきどこにでもついているんだよ…誰にも見せるな触らせるなと碧樹は言ってますが、見せつけてるのはあんたでしょうよと言わずにはいられない…そして、世莉も本気の抵抗ってやつが見えませんよ?楽しんでいるのですか?って思ってしまってね…だって襲われた後でもその日だけの悲しみで、後は笑ってられるってちょっとリアルではありえないじゃないですか。気にしないで碧樹とラブラブしてれば私は大丈夫ってそんなことないでしょうよ。それ、何にも解決になってませんから!
ひたすらにあまーい雰囲気に浸るなら、存分に浸れることでしょう。
世莉がなぜモテる
もうね、空手がどうとか、二人の共通項エピソードが影に隠れてるんです。重要だったの序盤だけで、なぜ碧樹が世莉から離れていったのかっていうところに必要なだけでした。お互いに好きだったのに、柔道の時に世莉の胸が見えて、恥ずかしくなっちゃって、疎遠になって…という理由も何とも返答に困る理由だし、というか女の子なんだから気を遣えって言えば済む話だったのに何なんだろうね、碧樹。恥ずかしかったのか、女の子らしい恥じらいを自分に見せないってことは自分には興味がないってことなのか、大方そんなことを考えたのでしょう。理由ははっきりとは明らかにはされません。幼馴染の特権と初恋が組み合わさって碧樹の隣にいるのが世莉なんです。すごいですね、幼馴染の威力というやつは。
後は世莉がとにかくいろんな奴らに襲われます。ほぼ完遂です…原因は世莉にはあまりなくて、だいたいが碧樹に対するあてつけ、横恋慕、逆恨み、碧樹の周りにいる友だちへの逆恨みとかです。その材料に世莉が使われて遊ばれます。だから決してモテているわけではなく、利用されている立場です。あまり見た目や性格のうえで突出したところがあるわけでもないから、なんでこんなことになるんだろうかと思ってしまう…そして世莉も世莉で、軽い!状況の受け止め方も軽い!襲ってくださいって言ってるようなもんだよ、もうちょっと危機感を持って行動したほうがいいと思うよ!男も男。すぐ襲わないでくださいよ…
立ちはだかる敵の謎
生物の九条先生、謎でした。いとこの宙に無理矢理襲われた。確かにそれは悲しい過去。消し去りたい過去ですよね。そんな傷心の心を癒してくれた碧樹を独占したいと思うのも理解できる。なのに、自分を無理やり襲った宙を逆に脅迫して、碧樹を自分のものにするために世莉を襲わせる。うーん。世莉ってかわいそうな奴。というか、自分がやられたことと同じ方法で、よくやれるよね。狂うほどに碧樹がほしいって?こんなやついるのかなと思ったらぞわぞわとした気分になってきます。宙もさ、抵抗のしようがあるよ。確かに弱み握られたようなもんなのかもしれないけどさ、ちゃんと好きだったって言いようがあるでしょ?いいように使われて…こちらもかわいそうな奴。碧樹が傷心になって、そこを九条先生が癒せば、うまいこと手に入れられるはずとか、ダメなら心中よとか、もう狂った人間としか思えない。そんな危険人物を出されると、これからのストーリー展開はまさかのサイコサスペンスにでもなるのかと心配に…少女漫画の域を飛び越えるのかとひやひやしました。
また鷹来グループへの伊緒の復讐も、碧樹と世莉をただ巻き込んだだけという…なんじゃそりゃ。関係ないのにあそこまで…そして納得しちゃだめだよ、完全に鷹来のとばっちりなのに何すんなり受け入れちゃってんの?!
ここまで謎が深まると、もはや世莉と碧樹にとっての大事なことは、体の関係ではないのかなと思ってきました。100歩譲っていい方向にとらえると、です。要は心がちゃんとお互いを好きだと言っているなら、襲われようがなんだろうが、全部消し去ってあげることができるよ…的な?すべてを超越しちゃっている的な?
至上主義とは?
至上主義っていうのは、それが最上のもので勝るものが他にない、という意味になると思うんですが、レンアイ至上主義は恋愛に勝るものはないってことですよね?そうすると、やっぱり体の関係どうのこうのより、恋する気持ち・愛する気持ちでつながっていることが大事なんだよってことが言いたいのかしら…という答えにたどり着きました。そうでなければ、この度重なる謎な出来事を消化させれないです。絶対あり得ないだろっていうようなことが起きたとしても、最悪のケースに陥ったとしても、気持ちがちゃんとお互いを見ているなら大丈夫。それがあれば何にも揺るがないよ。そういうことが言いたいのだろう。そう思うことにしよう。
お互いは最初から好きでしたし、奴隷って設定も早々に解消されましたし、結局はちょっとエロさを楽しんだ漫画だったというオチです。実は周囲の視線は冷ややかだったのかもしれないしね。恋愛が至上のもので、全然周りが見えていない、二人の愛の話でした。
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