高校生男子の恋模様をゆるりと描く - 虹色デイズの感想

4人のイケメン男子、みんな主役

なっちゃん、まっつん、けいちゃん、つよぽん。この4人の男の子たちの日常と恋愛の物語が虹色デイズです。男の子がどういうことを考えるのか、癒し系のなっちゃん、俺様イケメンのまっつん、SMプレイ好きの爽やかくんであるけいちゃん、オタクイケメンのつよぽん。それぞれがどんな恋をして、4人が友達としてどう過ごしていくのか。それがゆっくりと描かれています。気持ちの変化に突然って感じがなく、1つ1つ丁寧に、気持ちを説明して進んでいってくれる感じですね。メインはなっちゃんと杏奈なので、恋を知らない杏奈がどう自分の気持ちの向き合って、なっちゃんとの関係を発展させていくのか。これが一番丁寧に描かれていると思います。

なっちゃんは癒し系なので、草食系・かわいい系代表って感じですね。まっつんは俺様イケメンでモテて当然と思っているような、でも好きな相手ができたらまっすぐな人です。王道の主人公系だと思います。けいちゃんはちょっと変わった嗜好をお持ちで、でもそっち系が好きな女子なら読んでて絶対はまりますね。しかも、けいちゃんが一番いろいろ悩む子なんですよね。まじめと不真面目の間にいて、自分探しをずっとしているような男子です。支えたいと思う女子は多いはず。実際にはスポーツ万能なイケメンですから。そしてつよぽんは、オタクって感じがしません。普通にイケメンです。マンガを描いてるってだけです。暗―いオタクではなく、好きなものが一本決まっていて、自分の道をまっすぐ見ている、4人の中で唯一の大人な思考の持ち主ですね。

男の子主人公で女の子視点

男の子の恋ってどんなもの…？女の子の目線に立った少女マンガが多い中で、虹色デイズは男の子を主人公にしています。確かに、男の子がどう考えるのか？わかったらいろいろ対策のしようもあるし、気になりますよね。でもこの虹色デイズは、どっちかというと女の子のような考え方をする4人の男子の物語です。女の子に振り向いてほしくて頑張っている姿は、そうであってほしいなと女子が願っている視点って感じがします。男の子のリアルはちょっとわからないんですが。感覚的に萌！と思うことが多いので、女性目線だと思うんですよ。なっちゃんなんて、杏奈とどっちが女でもいいくらいの、ほわほわした思考ですからね。唯一男の子だなーと思うのはけいちゃんかなーと思います。付き合う相手だったり、自分ってどこにいるんだろう？って悩みだったり、これから先の事を考えている姿は、等身大な男の子なんじゃないかなーと思っています。

4人の男の子が仲がいい姿は本当に微笑ましいです。男友達って、こんな感じなんでしょうか。くだらなくて、おもしろくて、でも確かにみんながみんなを大事に想っている関係性。女子にはない言葉や、つかず離れずのような関係。いやーいいですね。友達ならこれくらい楽な関係になりたい…女の友達怖い…常に自分以外を値踏みしている気がしてなりません。男の子って大事です…！

一番進んでいるのは安定のゆきりんとつよぽん

一番恋愛の関係で進んでいるのはゆきりんとつよぽんです。はじめから漫画家志望のつよぽんとコスプレイヤーのゆきりんということで付き合っていました。そしてこれからのことも、大人なつよぽんは見据えています。この二人、雰囲気がいいですよね…ちゃんと好き同士だってわかるし、想いあっているし、好きなことに一生懸命でそれをお互いに尊重しているし。まさに理想的な関係であると言えるのではないでしょうか。

なっちゃんはいよいよ付き合えるかも…？？というところに来ているけど、だいぶ長らくお預けをくらっている感じ。でも確実に両思いなので、後は想いの伝え方だけなんですけど…両想いで想いを伝えられないのって、ちょっとわかります。言いたいのに、言えない気持ち。見させてもらっているこちらからするともどかしいけど、当事者からすれば1つ1つが全部かけがえがなくて、表情一つ、言葉一つ、全部大事だよね…って思います。どうにかうまくいってもらいたい…もっちーのこともあるから…しかし壊れそうな気もして怖いです、この二人に限っては。けいちゃんも悩める男子なので心配ですね。

まっつんも、まりという杏奈ラブだった女の子に落ちるという…そして案の定、うまくいったらツンデレがデレだらけになるという…予想通りの男です。ここからどれだけ進めるのか、でも確かに、まりがまっつんを頼りにしていることはわかるので、こちらも心配はしませんね。

ゆるーい日常が癒し

4人の男の子、そしてそれのお相手予定の4人の女の子。みんなの日常が、恋を通してゆるーく流れていきます。スピード感はゆっくりで、なかなか事は進まないけれど、癒されますね。かわいい＆かっこいい男女が、どんなふうに毎日を過ごしていくのか。にやにやしながら読めてしまうと思います。それぞれが自分探し・相手の気持ち探しをしているので、恋って難しいなって思います。大切に想っているのに伝わらない・でも正直に伝えるにはどうしたらいいんだろう？傷つけたくないし傷つきたくない。でも知りたいんだ…みたいな青春だなーって気持ちが優しく描かれているので、みんな応援しています。どうか良い選択をして、良い大人になっていきますように。ほんわかした物語なので、展開が遅いのが苦手だと読みにくいのかもしれないです。

虹色デイズを世飲んでいると、高校生ってどんな毎日だったっけ？そんなことも考えてしまいます。部活と勉強のことばっかり考えてるってわけではなかったですね。恋ばっかりというわけでもないけど、確かに恋のことは一生懸命考えてて、学年が上がるにつれそういうわけにもいかなくなって、大人って何だろうって考えて…多感な時期だし、もう悩んで悩みまくって決めてもらいたいです。大人になってから思うのは、この時期にいっぱい考えて壁にぶち当たりまくっておかないと、社会に出て壁にぶち当たったときに耐性がなくて折れやすいってことです。辛いこと、苦しいこと、めんどくさいこと、いっぱい感じていっぱい向き合ってほしいなと思います。この4人がどんな未来を選ぶのか、楽しみで仕方ありません。

ラストの展開はいかに？

高校生がどんどん大人になっていく。もう物語はその佳境に来ています。なっちゃんもついに…！って感じだし、つよぽんもついに…！って感じだし。たぶん、この物語はハッピーエンドでしょう。4人が泣くような展開は見たくないし、泣くような展開ってたぶんないと思うんです。みんなが一生懸命向き合って、選択した未来がどんなでも、きっとハッピーに笑っているような気がします。この4人が道を外すようなことは考えられないですから。どんな結末を迎えるのかはまだまだ楽しみなところではありますが、できればこのまま、うまくまとまってほしいというのが希望です。平和主義者なので…大どんでん返しで自分が傷つきたくないです…（笑）。

1つ心配な要素といえば、ずっと一緒にいたゆきりんとつよぽんの遠恋が本当に心配でたまりません。遠恋は続かない。リアルな世界において、遠恋を成就させるってお互いが精神力が強くないと無理だと思うので、なんだかちょっぴり心配なんですよね。会いたいときに会えないっていう辛さ。会えた時の喜びは最強だけど…どうかうまくいきますように。

なんとなく、仲良し男子4人組の高校生編が終わっても、大学生編、社会人編、どこまでも続いていきそうな気もしますね。