ダーティペアシリーズ 最初のOVAを改めて拝見して - ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎の感想

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ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎

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映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
4.00
感想数
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ダーティペアシリーズ 最初のOVAを改めて拝見して

3.83.8
映像
3.5
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
声優
4.5
音楽
4.0

目次

TVシリーズから、大幅なキャラクターデザインの変更

ダーティペアTVシリーズ全24話(TV放送では24話まで、後にOVA扱いで25、26話を収めた『ラブリーエンゼルより愛をこめて』が発売)以降に製作されたOVA作品の第1弾。

大きな変更点として、キャラクターデザインを原作に寄せた大人びた設定に変更しており、性格面でもあまりふざけた言動(特に、ユリの言動や対応は、TVシリーズ版とかなり違うと感じます)もなく、19歳と言う年齢設定に、より近い感じを受けました。

また、他のデザイン面でも、ラブリーエンゼル号のデザインが原作寄りに変更となり、ペットのムギの色合いが黒系になってますね。

コスチュームや、銃のデザインはそのままを継承していますが、やはり等身が伸びて、大人びた二人を初めて見た当時は、TV版とのデザインの違いに、かなり面を喰らった覚えがあります(笑)。

しかし、物語がシリアスな方向性で作られた部分と、OVA作品という事で、別のアプローチを模索しながら製作したのかな?、と思いますね。

これ以降のOVAでは、TV版に近いデザインに戻って、キャラクターの性格面もそれに準じたので、やはり評判がイマイチだったのかな・・・?

でも、改めて見直してみると、非常に凛々しい感じに描かれた彼女たちのデザインも、そんなに悪くないと思うようになったのは、自身の年齢も上がったからなんですかね?(笑)

タイトルに込められし意味合い

「ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎」、これが本作のメインタイトルですが、「大勝負」と付けたのは、やはり原作の小説が大○○という表題で発刊された物が殆どなので、ここからもTVシリーズとはまた違ったアプローチにしたいという、スタッフの思いみたいな物が感じ取れる気がします。

原作に準拠したと言えば、原作にはある二人の特殊能力(クレアボワイヤンス)の発現が、作品の冒頭部分で描かれていますし、また後半の追跡シーンでの乱戦時、ユリがブラッディカードを使用していますが、これもアニメではこのOVAが最初ですね。

(アニメで使われていた表現は大人しい感じでしたが、飛翔するカードで相手を切り裂いて血まみれになるといった描写は、伺える作りになってましたね)

全体を通して感じた事

初見で見た時は、まだ10代の頃だったので、設定的な細かな部分など気が付かずに流してしまった、なんて所も少なくなかったんですが、年齢を重ねて見てみると、こういう事だったのか、とか気が付いた部分も幾つかありました。

その中で、やはり一番気になったのが、ノーランディアの森で、異常な生物たちを見た後に、ユリがそれについて解説する部分。

有機物と無機物の分子結合についての違いから、ノーランディアの生命体が、本来存在しないはずの物と言い当てるシーンがありますが、そちら方面についての知識は詳しくないので、改めてパソコンなどで調べていくと、有機物の分子構造は、その性質上右か左のどちらかに固定されているので、無機物の様に左右両方の分子構造が存在する有機物、つまり生命体はあり得ない(生命体の左右非対称性と言う様ですが)と言った記述を見たので、改めて物語の根幹となる、人工生命体の創造という部分が裏付けられる、と言った部分に驚かされました。

勿論、こう言った専門的な知識を交えたシナリオ作りと言う部分については、昨今ではあまり珍しくないとも言えますが、このOVAが製作された1985年という年代を考えてみると、ちょっと驚かされましたね。

しかし、シナリオ執筆が、伊藤和典氏と聞けば、納得してしまう所もありますが・・・(笑)。

そして、登場人物が殆ど大人の男女が中心という事もあって、ドラマ性が高くなっているという部分と、作中でのヒロイン、ミスニーが子供であり、その感情の動きが、大人たちの心情と対比され、余計に際立って描かれているのかな、とも感じたりしました。

物語は、ダーティペアの定番の流れと言う感じで、惑星上で唯一人々が住める台地が崩壊し、多数の人々が死亡する大破壊に繋がる、と言った結末で幕を閉じますが、その後半の過程とユリがエンディング前に呟いたセリフ、そこは見直した事で改めて印象に残りました。

人工生命体を作る事に夢中になり、人が変わってしまった恋人に対し、流されるままその行動を容認してしまっていた保安部長のサマラは、良心の呵責に苛まれていましたが、ユリとケイが事件の真相に気付き、追及にやってきた時には、二人を自然に助けてしまいます。

また、囚われたミスティが覚醒し、持ち得る能力を発動させ、仲間たちと共に台地を崩壊に導く様に力を暴走させるシーンでは、逃げる事無く、ミスニーを見つめ、これで良かったんだ・・・、という表情を見せるサマラは、当事者でもある自分は、ここで一緒に消えゆけばよい、と語らずとも訴えかけていると見えました。

そしてユリが、もうミスティを怖がらせる事はないだろうって、笑顔で締めくくるシーンは、自分たちの行動が、大災害を起こし、ミスニーを救う事は出来なかったが、自分たちが消えて行く事を望んだなら、その結末は、決して悪い事ではない、と比喩的に表現した良いシーンだったと思います。

色々と賛否両論が出たと思われる作品ですが、個人的には見直してみて、改めて面白さを感じ得られた、そんな風に思います。

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