パーフェクトワールドについての個人的見どころと見解
心の機微の表現
初見ではラスト10分のことだけが印象に残ってしまうが、何度か見て、ぜひキャストの心の機微の表現の上手さをしっかり見てほしい!! ケヴィンコスナーとクリントイーストウッドは言わずもがなであるが、子役のローサーの演技の上手さ、特にはじめはブッチと世界に閉鎖的だった心が徐々に開かれていく表現の上手さがとんでもない! 本当に、徐々に徐々に心を許していっているというのが伝わってくる。一気にではなく、徐々にという演技は難しいと思うが心に訴えかけてくる。その点をしっかり見ておくことでラストがさらに感動できるものになるに違いない。。。
ユーモアを見逃すな
もちろんこの映画はシリアスな映画であるが、ところどころ冗談的な掛け合いなどユーモアシーンもある。ここを見逃さないでほしい!! ユーモアシーンで自分の中で笑いが起こりそうになったら、ぜひ登場人物の気持ちのなりつつ笑ってほしい。基本、喜怒哀楽で言うと哀と怒のストーリーではあるが、喜と楽にも触れることでラストの感動がより大きなものになる。上手く表現できているかは自信がないが、なんというかパーフェクトワールドという映画で描かれている物語が自分の中でアルバムのようになり、ラストで走馬灯のように一気に押し寄せてくるのである。しかし難しいのは私の中で、映画というのは理論的な見解をしたり、あらかじめ「こうみるべきだ」というものを作ってみるものではないからあまり感情移入しようとするとなえてしまうということである。そのため、何度か見たうえで新たな楽しみ方の一つとして、ここに書かせていただいた内容に、良ければ気を配ってもらいたい。
ブッチは笑った
冒頭で結末の予想はできるが、予想を裏切らないラストに涙が止まらない展開。ここでブッチの最後の表情について考察をしたい。
一見しただけではブッチは最後、もう死んでも後悔はないと思う最後であった、もしくは死にたかったからこそ最後死に顔がほほ笑んでいたと思うかもしれない。しかし私は何度か見ているうち、義理の父親からのポストカードなどを所持しており、実はこの先生きていたかったのではないかと考えるようになった。だが先述の通り、スナイパーに狙撃されて死んでしまう。ここから思うに、ブッチは死んでも後悔がないと思ったのではなく、最高に幸せな瞬間に死ねたのではないかと考えるようになった。ニュアンスは難しいが、この映画を何度か見た方ならばこの違いを分かっていただけるように思う・・・
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