馬村がほんとにかっこよくて感動する - ひるなかの流星の感想

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ひるなかの流星

4.134.13
画力
4.25
ストーリー
4.13
キャラクター
4.38
設定
3.75
演出
4.25
感想数
4
読んだ人
6

馬村がほんとにかっこよくて感動する

4.04.0
画力
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
3.5
演出
5.0

目次

よくある先生と生徒の禁断の恋愛かと思いきや…

田舎から東京へ出てきた娘・すずめが、獅子尾という教師に恋してしまう。ここまではよくありますよ。先生との恋愛というのは、その背徳感とか、もどかしい感じがドキドキしてつい読んでしまいますよね。イケメン教師を独り占め、って女子の夢だったりしますよね。リアルには想像できない、というかしたくないと思っていますが。(笑)若くてイケメンの教師に出会ったことがなかったなんて私の人生残念だった。

この物語での出会いが少し強引な気もするけど、とにかく獅子尾先生がほんとにかっこいいのでよかったな~…すずめも、見た目がダサいだけでめっちゃかわいい人でしたしね。完全にお互い一目ぼれですよね?獅子尾先生はカーテン開けた瞬間のすずめに心完全持っていかれたって言ってましたけど、その前から両想いでしたよ。お互いに、今まで生きてきた空間には存在しなかったタイプの人間。新しいモノはドキドキしますからね~お世話してるうちに情が好意になっちゃってたんだなーって。

でもですよ?こんなに簡単に別れちゃう話あるの?って思いました。なんで??!!という衝撃で、これからどうまとまるんだよ…って焦りました。ただフラグは序盤から立ってたんですよね。馬村のカッコよさは始めのほうでいまいちわからないんだけど、どんどんどんどん好きになって、すずめを独占したくなっていく様子や、想うからこそ身を引こうとする葛藤とか。素敵すぎる。すずめよ、なんて罪な女。無自覚ほど罪なものってないでしょう。

好きになって付き合うのと、好かれて付き合うのは全然違う

獅子尾と付き合う(実際にははっきり言葉として表現されてないです…)ことができて、すずめがどんどんかわいくなっていくのはよかったですね。大人に早く追いつきたい気持ちも感じ取れました。だけど諭吉の言葉で完全にダメになった二人。諭吉のせいだとは知らないすずめ。教師として、という大人の責任・犯罪の一歩手前かもしれない葛藤に苦しむ獅子尾…20歳越えればなんてことない歳の差なのに…!!!悲しすぎました。今まで感じたことのない喪失感から、田舎に帰ってしまうすずめ。田舎にいたころの、何かとさぼる癖が戻ってきちゃったかのよう。

途中で元カノのつぼみという危険人物もいたんですけどね。つぼみは完全に違うタイプの女性でした。獅子尾は全然元カノのことを引きずってない。そしてつぼみももうそれがわかってる。ただ少しだけ…自分勝手に決断したことの後悔や幸せをちょっぴり邪魔したい気持ちがあった。これはきっちり乗り切れてたのにな…相手の幸せを願うことは同じなのにな…って辛すぎました。

そしてそれを癒すのが馬村なんですよね~~~~~

お前、俺を好きになればいいのに

うーーーーん悶絶です。本当にすずめをよく見ていて、守りたくて、どうにかしたくて必死なのが伝わってきます。若い!!それだけを必死に追い求めて考えてるのが若い!!これぞ高校生。そして馬村を受けて入れて前向きに付き合うことを決めたすずめ。なんて幸せ者なんだ!自分が好きな人じゃなくて、自分を好きな人と付き合うのって、ドキドキの種類が違うんですよ。追いかけられてどんどん心が動いていく。そして好きになるんですよね。自分のことに一生懸命になってくれる馬村を失いたくないと思えるようになる。

とにかく馬村素敵です…

ザ・塩顔イケメン男子。寡黙で女が苦手。なのに今までに出会ったことのないタイプの女・すずめに夢中になってしまう。でもパッと見わからない。わかりにくいけど、すずめのあらゆることにドキドキしてるんですよね…ようやく付き合うことができるようになったときの反応なんて…やばかった。すずめからのお礼で抱きつかれて赤面し

殺す気か…

っておい!悶絶です!!かわいい!かっこいい!後半は完全に獅子尾先生のカッコよさを忘れさせてくれました。世の中、死にたくなるような悲しい別れがあっても、自分を幸せにしてくれる・そして自分が相手を幸せにできる相手はきっといるんです。前を向いていたら、きっと出会える。そんなメッセージかなって思います。

ラストでは、獅子尾とすずめが想いあっていたんだってことを伝え合いました。だけどもう遅かった。人生タイミングですね…転がっていたチャンスをつかみにいくのが遅かったんだ!獅子尾先生!でも君の未来も明るい!何しろイケメンなのだから!!

すずめとゆゆかの友情万歳

田舎から出てきたすずめの最初の関門が友達がいないということ。馬村に恋していたゆゆかは、すずめを敵とみなして孤立させる手段をとりました。でもそれに気づいていないというか、あまりダメージのないすずめ。のほほんとした田舎ではありえないことでしょうから、それにまっすぐに向かっていったすずめはよかったな~そしてゆゆかも、馬村に恋してただけだし、こじらせ女子だっただけで、本当は成績優秀でいい子で、人と付き合うことに臆病なだけだったんですよね。

結局最高の親友になれた二人。心から応援しあえる友達を持てることが、一生の財産です。ゆゆかも馬村くんが好きで好きで、失恋して、そして土牛先輩という相手から好かれることで、気持ちが動いていく。完全にすずめと同じじゃん。なんで土牛先輩がゆゆかを…??っていう部分とか、好きだと伝え合うことができたあたりの話は、正直もっっっとほしかった。すずめの大事な親友ですからね!もっと語ってほしいという気はしました。

それにしてもゆゆかの毒舌は素敵。毒を吐きながらやってることは愛にあふれてます。完全にツンデレの代表格です。

番外編なら亀ちゃんもなんかほしかったな…というのが心残り

番外編で鶴谷と犬飼くんのエピソードがあったじゃないですか。こちらも犬飼くんの完全な一目ぼれでした。ハーフって強いのか…(笑)。というか一目ぼれ多くない?(笑)

なんでも一通り、やればできる子だった犬飼くん。そんな犬飼くんにもうまくいかないことがあった…それが恋だったんですね。恋は盲目。必死にならなきゃ手に入らない。でも必死だと心打つんです。いいなー

ここで残念だったのが、亀ちゃんのことがあまり深くない!ということ。あんまり人気なかったのかな?若干すずめとかぶるような行動とかもあったし、存在感薄かったかもしれません。でも鶴谷そこまで描いてるんだしさ…少しくらい…とというのが残念でした。猿丸は論外でよかったですけどね。仲の良い友達同士だけでまとめられてもなんかつまんなくなりますし。渋い男が好きで諭吉とうまくまとまっちゃってもつまんないし…そう考えると、ラストに向けて本編では語る余裕なかったと思うので致し方ありません。

個人的には、「渋い男に目がない亀吉が、たまたま喫茶店で出会った渋めのアルバイトの人にときめいて、年齢きいたら自分より1つ下!!??でもそれが余計に身近に感じて今までにないドキドキがやってきた…!まさかのおじさん以外と恋をするなんて…!」なんていう展開をちらりと期待しました(笑)。そしたら最高だったな。

とにかく!馬村とすずめは完全に大成功!どんでん返し最高!ラストには、ずっと手を出すのを我慢していた馬村が、すずめが心から好きになってくれたということが分かった瞬間に爆発してキスしてしまう…っていうストーリー展開も最高でした…!馬村おめでとう。何度見てもいいシーンだよ!ごちそうさまでした。

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結末の満足感は賛否両論だと思う

やまもり三香は最近の少女マンガ家の中では群を抜いて画力がある。私自身、このひるなかの流星はジャケ買い。少女向けの学園ラブストーリーとは思えないくらいタイトルのロゴも絵柄もオシャレで画集か?思うくらい凝ったデザインのものが多い。タイトルロゴなんて、少女マンガらしからぬシンプルさ。タイトルってどうやって決めてるの?作者と編集者で書体とか決めてるんだろうけど、マンガのタイトルというよりデザインという感じで凝っていると思う。キャラクターの着ている服(特にカラー回の表紙)などもファッション雑誌の挿絵かのように本当にオシャレで可愛い。レトロな衣装を着ていることが多いし、無駄なトーン使いもなくてシンプルにオシャカワ。絵柄でやまもり三香に惚れてる人も少なくないのではないかな?と思う。内容としては気持ちのいいくらい食欲旺盛な天然田舎娘がヒロインで、まぁ…よく食べてる。笑こっちまでオニギリとか貪りたくなるく...この感想を読む

4.04.0
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