軸を持って生きる
内舘史上最もたくましいヒロイン
主人公・飯島直子は昼は会社員・夜はキャバ嬢として働き、その貯金で都内に花屋を経営。とてもたくましいヒロインです。内舘牧子の脚本は自らの会社員経験から、普通のOLの生きにくさを描いた作品が多いですが、この作品の主人公は貧乏育ちから這い上がってきた強い女性。そんな彼女に魅かれる老舗社長の加藤浩次との恋は不倫という障害があるために、徐々に距離を詰めていく様子が見どころです。
松原智恵子の狂いっぷり
上品で楚々としたイメージの強い松原智恵子の狂いっぷりは何度見ても衝撃をうけます。自分の夫が藤竜也の作品を盗作した件でマスコミに糾弾され、自殺してしまうのですが、その件で松原は藤を逆恨みします。包丁で藤を襲ったり、藤と禁断の恋に落ちてしまった飯島を執拗に責め立てたり、普段のイメージとは全く違う松原を見る事ができます。
加藤浩次の棒演技
キャスターとして、すっかり朝の顔としてお馴染みになった加藤浩次ですが、一時期はテレビドラマ「人にやさしく」などに出演。この作品も役者業にも進出してた時期に出演していた様です。しかし、さすがに内舘ワールドには馴染めなかった印象を受けました。ちなみに加藤の奥さんは加藤の出演シーンをたまに大爆笑しながら鑑賞しているそうです。
藤竜也と飯島直子のラブシーン
ベテラン俳優の藤と、30代で脂の乗っていた時期の飯島のラブシーンは、若い役者同士には出せない色気に満ちています。飯島はインタビューで「ラブシーンはこれまで何度も演じているが、藤さんが相手役だったので、とても緊張した」との事。そんなぎこちなさも妖しい魅力を放っているので、そこにしてみてください。
牧瀬里穂と森口瑤子のバトル
加藤の妻役・お嬢様育ちで苦労知らずの牧瀬里穂。貧乏育ちから抜け出すためにお金持ちの加藤の父と愛の無い結婚した森口瑤子。お互いを見下しつつも、同じ屋根で暮らし、いつも見えない火花が散っています。そのドロドロした人間関係も内舘ワールドの特徴。しかし、最後はなぜか和解をし、加藤との離婚の後に森口の部下として働く事になり「あれ、二人は仲悪かったんじゃないの?」という疑問を視聴者に抱かせます。
軸を持て
「生きるために軸を持て」。この作品で内舘が伝えたかったのはこのメッセージだった様です。彼女は、結婚して相手に寄りかかる事しか考えていなかったと語っていますが、30代後半に脚本家として独立。そして30代後半には人気ドラマを量産して、この結論に至ったと予想します。今の彼女の軸は「脚本を書くこと」なのかもしれませんね。
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