看護師のリアルな日常を描く - おたんこナースの感想

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おたんこナース

4.504.50
画力
5.00
ストーリー
4.50
キャラクター
4.75
設定
4.50
演出
4.00
感想数
2
読んだ人
8

看護師のリアルな日常を描く

4.54.5
画力
5.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.0

目次

実際はこんなものなのかという医療現場の実態

ややドジな看護師、似鳥ユキエの成長を描いた作品である。患者の命にかかわるような大きなミスはしないものの、ところどころそそっかしい面が散見され、(時にその思い切った行動が結果OKになることもあるものの)実際はこのレベルのドジやいい加減さも医療現場では許容範囲なのかと、実際の現場を知らない人は驚くこともある作品である。

ユキエが採血の際に血管を間違えてしまい、たまたま採血していた患者が看護学校の鬼教官だったために対応を仰ぐシーンなどは、一般の患者だったらどうなっていたのだろうかとひやひやする。結果的には命に係わる重大ミスではないとのことだが、おそらくそういうミスも看護師にとっては「医療あるある」なのだろう。医療従事者以外でも楽しめる漫画だが、医療従事者の方がより共感が持てる作品のようにも思える。

動物のお医者さんはやや作風が異なる

佐々木倫子氏の作品のファンで、動物のお医者さんから読み始めた人は、同じ医療つながりから「おたんこナース」も動物のお医者さんと同じようなノリで楽しめると思ってしまうかもしれないが、おたんこナースは原案者が小林光恵氏のため、動物のお医者さんにあるところの「恋愛感情ないのに面白い、部活のような楽しさ」という楽しさはない。同じ医療ものでも主人公ユキエが接する患者の死なども扱っていて、必ずしもハッピーエンドばかりの話ではないし、動物のお医者さんに比べると色々な意味で登場人物が感情的なので、「気軽に楽しめる」作品とは少し異なる。しかし、医療の現場への緻密な取材に基づく描写などは、佐々木倫子氏ならではと言える。

登場人物の名前が覚えにくい

主人公「似鳥ユキエ」もそうであるが、「にたとり」という苗字があまりなじみのない珍名のせいか、ニトリ、ニタドリなど苗字を誤読してしまい、作中にルビがないのでなかなか名前が頭に入ってこない。音的にも音読しにくい名前のため、読んでいて若干しんどさを感じる。その分、下の名前がユキエ、同僚マサコなど安易な表記になっているが、友達同士は下の名前で気軽に読んでも、患者や病院内では苗字で登場人物を呼ぶため、なかなか顔と名前が一致しない。

そうかと思うと、主任や婦長については、主要人物であるにもかかわらず物語を通して実名がわからないなどあいまいなところもあり、もう少し顔と名前をすっと読み手に一致させることができると、もう少し読みやすくなると感じる作品である。

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他のレビュアーの感想・評価

笑えるだけじゃなく勉強になります

主人公のナースは最初はドジでこんなナースに世話されたらいや!と思いつつ読んでましたが、だんだんと成長するさまをみて親近感がわきました。感情のない淡々と作業をこなすナースより喜怒哀楽の激しい主人公のほうが入院してたら楽しいかもしれないですね。失敗されたら命にかかわるから怖いところもありますが、退屈でどうかしそうってのはないかも。この作者は動物のお医者さんを描いた漫画家さんで、この漫画のときも思いましたがとにかくきちんと取材をしていてリアルに再現されてる部分が多く、面白いだけじゃなく勉強になりました。一般的なイメージだと白衣の天使で患者さんに笑顔でなんでもしてくれるって感じですけど、実際はそんなことはなくわがまま患者をどうするかというのもベテランナースの腕だったり、ガン告知をどのようにするのかなんてのもありましたしね。ナース側の大変さも出てますが、入院する側の悩みやトラブルなどもありそうな...この感想を読む

4.54.5
  • みかんまろんみかんまろん
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