美人な黒男に感激 - ヤング ブラック・ジャックの感想

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ヤング ブラック・ジャック

4.504.50
画力
4.50
ストーリー
4.00
キャラクター
4.50
設定
4.00
演出
3.50
感想数
1
読んだ人
2

美人な黒男に感激

4.54.5
画力
4.5
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
3.5

目次

若かりし頃のブラック・ジャック!!

まさかこんな物語があっただなんて…!!

昔から気にはなっていたのですが、手塚治虫氏のブラック・ジャックを読んだりOVAの方を見たりしているものですから、なかなか手が伸びなかったです。

ですが最近、ようやく読んでみようかなと思うようになり早速。

表紙を見て誰もが思ったことでしょうが、めちゃめちゃ絵が美しい!!

黒男が美人さんなんですけど!!しかも可愛い!!

こんなことあって良いのでしょうか。睫毛がバッサバサなんです。羨ましいくらいにバッサバサ。

何故今まで読むことを躊躇っていたのかと後悔するほどに美しい絵でした。最新刊まで一気読みしましたとも。

ピノコのいないブラック・ジャックなんて…

そう、やはりあの子がいなくては何処か寂しさを感じてしまうのも正直なところですね。ピノコあってのブラック・ジャックと言っても過言ではありませんもの。

逆にこの作者さんの描くピノコが想像できず苦笑してしまいますが。

超可憐な少女とか描いてくれそうですね。でもそれじゃぁピノコじゃないですよね!!
なのでヤングブラックジャックにはピノコはいなくて良かったと思うことにしました。

おかしくなる前のキリコ

ベトナムで出会ったキリコは男前でした。

こんなに男前なキリコがいつの間にか死んだ目をした闇医者になっていること、そしてそうなった理由があまりにも悲しくて寂しい。

かつては命を救おうと必死に頑張り続けた人なだけに、その悲しみは計り知れないものです。だから彼は命を終わらせることを選んだのですが。

今の世の中、お医者様は決して人の命を奪うことはしません。命あるものは死ぬべきではないし、生き続けるべきだと考えているのです。

ですが病院のベッドで拘束され、辛い治療に耐え続けるのって本人からしてみればあまりにも残酷で、心の中ではいっそその生涯を今すぐにでも終わらせたいと思う人も中にはいるのではないでしょうか。

外国では安楽死を許可する国もできました。日本ではそれはまだありませんが。
手塚氏はそんな患者たちの心の声をどうにか漫画で表現したいと思ったのではないでしょうか。そしてキリコという人物が生まれたのでは。

安楽死は決して良いことではないとは思いますが、時にはいっそのこと一思いに、と考えることもあります。

どのような表現をすれば読み手に伝わり、しかし安楽死とは簡単に考えられるものではないと伝える方法。

それを全てキリコが伝えてくれているような気がします。

ボンカレーとの出会い

これって昔からあるそうですね。私はレトルトカレーはよく食べますが、このボンカレーは食べたことがありませんでした。まさか私が生まれる前からあっただなんて…

母曰くボンカレーがレトルトカレーの始まりだ、ということでした。

レトルトカレーについてそこまで知っているわけでも知りたいわけでもありませんが、ボンカレーについては一度は味見をしてみたいと思ったのもヤングブラックジャックを読んだせいかもしれません。

ということで早速購入、そして試食へ。

食べてみた感想は、まさに一般的なレトルトカレーという味でした。まさか漫画を読んでレトルトカレーを食べたくなるだなんて。

漫画の感想とは全く違う内容となるのが怖いですが、ボンカレーの味は結構好きです。普通に美味しかったし、リピートしようと思いました。

そういえば手塚氏の方のブラック・ジャックにもボンカレーが登場したような気が…

戦争の恐ろしさを訴える漫画の一つでもある

ブラック・ジャックである間黒男の母親は、戦争中に投下された不発弾の事故によって一度は助かりましたが、様々な体の機能を失いしばらくして命を落としました。

残された黒男も不発弾の影響で継ぎ接ぎだらけの体に。

まさに戦争の恐ろしさを教えてくれる漫画だと思いました。

今でも外国では不発弾が爆発して命を落としたり体の一部を失ってしまう人がいます。それも全ては戦争が起こったせいなのですよね。

私はその後の平和な時代に生まれたため、戦争の恐ろしさなど知らない人間です。ですが、この漫画を読んでいると何故か寂しさや切なさ悲しみで胸が痛くなります。

黒男の人生というものは辛く険しいもので、ブラック・ジャックと名乗る前の話ですが、それまでに経験する様々な出来事に漫画だと思っていても涙が出そうになります。

私は漫画を読むとすぐに話に入り込み影響を受けるタイプです。そのため黒男が漫画の登場人物だとしてもその人生や生き方に共感して読み終わった後は少ししんみりしてしまうのです。

こうして若かりしブラック・ジャックの漫画が生まれたくらいですから、やはり手塚治虫という人は素晴らしい方なのだなと思いました。

時々手術の最中のイラストなどが登場しますが、繊細なタッチで描かれており、そしてやはり美しいです。どうすればここまで細かい絵が描けるのか不思議でたまりません。作者の努力や才能がこのヤングブラックジャックという漫画に詰め込まれているのでしょうね。

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