救命の現実を知る
ピュアな気持ちがとんでもなく突き刺さる
ドラマ冒頭から速水という天才的な救命医が痺れるほどの冷静さで瞬時に指示を出して患者に最適の治療をしていく その人物像を全くわからないうちに引き込まれる それは助かる命は絶対に助けるというピュアすぎる患者への使命感を速水に見て釘付けになってしまう、素敵な快感をドスンと胸に入れてしまうバチスタシリーズ最高の作品だと言える
バチスタシリーズは殺人ありき
今回の殺人の経緯は複雑ながらも叙情的で同感できる所がある とても愛があって身近な人を思う切なさのある二つの殺人事件が心をわし掴みにする 政治家の汚職や利権というお馴染みの構造はありつつも人間味溢れるドラマのすえに起こる殺人のいきさつに腹立たしく思ったり激しく感情移入できる
チームジェネラルの底力
大きすぎる速水という医師に敬意を抱きつつも反発を覚えるチームの面々が個性的で各々の心情が細かく描かれている 尊敬や信頼が不信に変わる時の細かい感情の揺れや動揺や強い思いが随所に描かれ、それがまた信頼回復へと繋がり大きなチームの原動力になっていく様子は迫力がある
ダメになりそうになることが起こる度に、速水の洞察力が的確に解決していく そしてその完璧さに畏れる気持ちになるチームのメンバー、速水の天才的な救命が素晴らしい故に自己嫌悪になる医師にも共感出来たりする
とてつもなく普通の人が天才を前に協力していけるのかをハラハラしながら見ていると、速水の人間味がだんだんと浮き彫りになり、速水の病気でチームの全員の指揮が上がる時にはとても感動する 鳥肌か立つほどの信頼回復のシーンに胸を打たれる
最高のキャスト
速水の天才的な救命技術を自然に演じた西島秀俊、速水を尊敬するあまり自己嫌悪になりつつもついていく佐藤医師をTKO木下、速水の人間性を疑うピュアな医師に戸次重幸、ジェネラルルージュと呼ばれる速水の弱さも強さも支える看護師に白石美帆というはまり役で素晴らしく現実味のあるドラマになっている医大全体の構図もよく分かるし権威主義が今もなお残ることもよく分かる内容になっている
ただひとり医大の権威っぽくない人物がいる
それが高階病院長。林隆三が演じるその役柄は穏やかでしたたかでタヌキジジイなのだ
ただ医師への信頼を形にしていく姿は優しさに溢れている 高階院長の配慮により優しく処分されていく速水の気持ちを思うと病院長こそがドラマの魅力のキーポイントだとも思えてくる
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