ルパン三世 お宝返却大作戦!!についての考察 - ルパン三世 お宝返却大作戦!!の感想

理解が深まるアニメレビューサイト

アニメレビュー数 2,474件

ルパン三世 お宝返却大作戦!!

3.753.75
映像
3.50
ストーリー
3.75
キャラクター
3.75
声優
3.25
音楽
4.00
感想数
2
観た人
2

ルパン三世 お宝返却大作戦!!についての考察

3.53.5
映像
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
3.5
声優
3.0
音楽
4.0

目次

安定のルパン三世クオリティー?

 ルパン三世、お宝返却大作戦は2003年にテレビスペシャルとして放送して、高い視聴率を獲得した作品です。そんな本作品を考察します。

ルパン三世の魅力の一つはお約束の流れにあります。それは、ルパン一味が世界の何処かで、また、世界の誰かを相手に大暴れ(基本は泥棒行為)をし、敵と対峙する合間に、ルパン三世を逮捕しようとする銭形警部ともやり合うというものです。そのお約束の流れが今回の作品は少し強調されていたように思いました。と言うのは、いくつかの作品にはルパンと敵役の人間での頭脳戦が強調されるようなものがあり、視聴者も頭を使うような回もあります。それはそれで見応えがある作品も多いです。ただ、本作品はそれとは少し異なり、アクション多めの頭を使わないで、リラックスして目で観て楽しめるものになっています。

アクションシーンと銭形警部

今作品はルパン三世のいわゆるお約束の流れに忠実で、頭を使うより、リラックスして目で楽しめるアクションシーン多めの作品になっていますが、そうなると、必然的に、ルパン三世は元より、次元と五右衛門のアクションシーンや、かっこいいシーンが多くなっている印象です。次元の銃テクや、五右衛門のお約束シーンの、弾を斬鉄剣で切ったり弾いたりするシーンもけっこうあり、二人のファンとしてはうれしい限りの作品です。

それに加えて、本作品で特筆すべきなのは銭形警部です。単純にルパン三世の逮捕の回数が多いです。さらには、ルパン三世の行動を分析し、先回りすることもあり、銭形活躍?シーンも多いので銭形好きの私にとっても今作品はうれしい限りです。もちろん、ありとあらゆる手でその都度脱獄されるわけですが・・・。それでもそのお約束シーンもルパン三世シリーズの醍醐味の一つなのであります。

本作品の背景と興味深い場面や小ネタ

ルパン三世シリーズの特徴の一つにルパン三世が世界の舞台で大暴れするというのがありますが、このテレビシリーズでも例外ではありません。さらに言うと、作品の舞台の背景には、基本的に現実の人物や世情が反映されている設定になっています。一部、その国や人物を否定的に扱う場合には、架空のものや、曖昧な言及にしているものもあり、結果的に配慮する形になっています。それらの事柄を意識して視聴すると、新たな視点でルパンシリーズを楽しめます。もちろん、その観点で本作品を観てみると、非常に興味深いシーンや小ネタがあるので少し紹介していきます。

まずは、本作品の舞台ですが、今回は基本的に欧州になっています。最後はスペインのサグラダファミリアでの攻防ですが、お宝を返却する過程において、欧州の色々な所にルパンが赴く場面は観ていてワクワクします。

次に興味深い場面や小ネタを少し紹介します。まずは始めのシーンについてです。ラッツの経営するカジノに銭形警部が赴き、ラッツと言葉でやり合うところです。やりとりは銭形警部がラッツに敬礼するところから始まります。そして、「敬礼すると言うことは、うちのカジノの問題じゃあ無いな。」とラッツが尋ねます。すると銭形警部は「イワン・クロコビッチ、通称ラッツ~」とラッツの素性を少し侮辱も交えて喋り始めます。それに対して「俺はモスクワ郊外で墓地も経営している。アンタの場所も確保しといてやるよ。」とラッツが応戦します。そこから銭形警部が話を本題に進め、ルパンが公文書館でカジノの見取り図を見ている監視カメラの写真を出し、カジノが狙われていることを説明しました。すると、「グラスノスチの弊害だな。」とラッツが嘆きます。グラスノスチとは旧ソ連が行った政策の一つで、日本語では情報公開と訳されます。つまり、ラッツは旧ソ連が、いわゆる民主化に繋がる手続きで国民に向けて情報公開した事により、情報が悪用されているじゃないかと言っているわけです。こういうやりとりも、歴史や政策を知っている人ならクスっと笑みが零れるかもしれません。

続いては、ドイツのアウトバーンをルパンと次元がカスタムカーで走る場面にて、中東の王様がドイツの有名メーカーに依頼した超高性能カスタムカーだったのですが、暗殺されて自動車博物館行きになった代物という自分たちが走っている車の説明をするシーンがあります。私は中東情勢や歴史にそこまで芳しくないのですが、現実世界の中東で実際にありそうだと思い、観ながらニヤっと少し顔を綻ばせました。

また、小ネタとしては、マークが生前に撮った映像の中に、ニューヨークの大富豪のトランプ氏のトランプタワーという台詞が出てきます。ちなみに本作品は2003年に放送されたものです。改めて観ると、あのドナルド・トランプかよ!と思う人も少なくないのではないでしょうか。

如何だったでしょうか。本作品は、ルパン一味はもちろんの事、銭形警部の活躍?も見逃せない作品であり、頭を使うというよりは、アクションシーンが見所の良作だったのではないでしょうか。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

関連するタグ

ルパン三世 お宝返却大作戦!!を観た人はこんなアニメも観ています

ルパン三世 お宝返却大作戦!!が好きな人におすすめのアニメ

ページの先頭へ