神々と人間を取り巻く壮大な物語!
神々の多様性と、人間界との世界の隔たりという世界観
まず協調するのは、神・神獣の多様性です。仏から獣までまた高位な・下位の、様々な、しかも各々がきちんとした特性を持ちそれぞれの能力として視覚化されるとともに、神らしい荘厳な存在感をうまく表現できています。
また、神々といっても、西欧系の神ではなく、中国・日本・ベトナムなどのアジア系の神が登場しているので、日本人も馴染みやすく、読みやすくなっています。
そして最初の話で、主人公が日本に降りて神獣の手がかりを探っている様子が描かれていましたが、このように、神々と人が共存している国(以下外国(そとくに)と呼ぶ)と、日本など(以下人間界と呼ぶ)に世界が隔たれていて、しかし一定の部分でつながりがあるという世界観の設定(例えば地面が繋がっているから、地震の余波を受けやすく、それを止めるために人柱として高位の神獣が利用されている、など)がよくできているなと感じました。
高位の神々を連れ戻すという歌士官などという人物設定・ストーリー構成
本作品において登場する人間は、多くにおいて神々となんらかの関わりを持つ役職を持っています(人間界の人間は神々がそもそも見えていない設定なので無視)。
その様々な役職があることで、登場人物の立場などが明確になり、ストーリーの展開をつかむのに分かりやすい要素になっています。
そして神々も人間化する設定が存在することにより、人間との関わりが分かりやすく、違和感を持たずに読み進めていくことができます。
また神々と人間との間に複雑な上下関係がある場面も多く、捕縛や戦闘・会話などあらゆる場面において人間がどう神々と付き合っているのか想像する面白さもあります。
壮大で荘厳な世界観の裏に隠れた闇の側面
本作品において、初期のストーリーでは主人公は親なる神獣「しろ」を救うため、元来人柱だったが逃亡した神獣を連れ戻すために人間界に降りて歌士官として行動している展開でした。しかし当初まず抱えた疑問が、主人公は人間なのになぜ親は神獣なのか?というものでした。
しかしこの疑問も、現在話が進んでいるところですが、引きずってしまわずに徐々に明かされようとしており緊張感のある展開となっているので、続きの読みたさに月刊であることが恨めしいほど待ち遠しくなっています。
そして明かされていくにつれ、その外国の世界観の「闇」の側面も垣間見るようになり、外国の頂点に立つ龍王の思惑に触れたり、人間界にいた神々による反逆らしき騒動と、それに対し外国の登場人物たちが戦い始めたりという、わくわく感が沸いてくる展開になっています。
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