伏線続出!ワクワクする展開盛りだくさんのバトル系超王道漫画!
バトル漫画としての王道さ
この漫画は、超能力系バトルとして完璧に成り立っています。
各キャラにおいて能力が完全に被ることもなく、能力の名称・強化設定・活用法(技)もうまく成立させています。
あえて一つ分からないところを挙げるとすれば、6巻においてジェリコに初太刀を受けたバンの傷が塞がらなかった理由ですかね。そういう能力なのでしょうか?
また、画力に関しても、バトル系王道漫画というものは、例外はあれど、あまり絵が上手過ぎると読めば読むほど重くなって疲れてしまうとか、躍動感が少し低下しているように感じてしまう部分があり、逆に下手過ぎると読みたくなくなります。しかしこの漫画は上手過ぎることもなく、下手過ぎることもない、素晴らしい位置をとった画力を持っています。
キャラ・世界観の成り立ちや活用
人間族、巨人族、妖精族、女神族(、封印されていた設定になっているが魔人族)という様々な人種が存在し、それぞれの特性も細かく設定しつつ、それぞれの絡み合いによる世界観の成り立ちも完成していることで、ストーリーを流暢に読んでいけているのではないでしょうか。
また、「七つの大罪」メンバーも、全ての人種からピックアップされ、それぞれに見合った能力・強さ・神器・役割などの設定もされており、面白い騎士団である、と漫画の中で際立てることで、主人公らしさが良く見えています。
また、エリザベスに関しても、七つの大罪と常にいるだけに、その存在感がただの王女、で済まさず、しかも女神の力を秘めていたという隠れた設定を与えたことで、より深みを持ったキャラ・内容になっています。
そして先に述べた主要キャラ以外も、ギルサンダーやハウザー、グリアモール、ヘンドリクセン、アーサーなども決して使い捨てキャラとして簡単に捨てることなく、きちんとそのキャラを存分に生かし、ストーリーを盛り上げさせるように上手に使っています。
しかし、一つ疑問があるとすれば、ホークとその母なるホークママの特性でしょうか。ホークは「喋る豚」であるのに対し、ホークママは普通に、喋ることがない。これは、遺伝的な設定としては考えていないのでしょうか。(ホークが、かつてのメリオダスのペット・ワンドルの生まれ変わり的可能性から特殊なのだろうか?)
また、ホークママが、封印から解放された魔人族の一人モンスピートより放たれた獄炎鳥を丸呑みして何事もなかったかのようにしたその行為にも、疑問を抱いているところではある。
伏線がいつの間にか埋め込まれている、ストーリー展開の上手さ
そしてなんといってもこの漫画の最大の魅力はこれでしょう。
私は、一巻より新巻が出るたびに購入して読んでいきました。そのため、13巻において魔人と化したヘンドリクセンを倒したことで、全て解決され、完結したのだと思っていました。
しかし、まだストーリーが続くではないでしょうか。これを見て当初「泥沼化するのか」と感じました。しかし違ったのです。きちんと、13巻までのストーリーの中に、14巻以降の新章を展開するための伏線が隠されていたことに気付いたのです。13巻まで一回読んだだけでは気付かなかった、伏線が!その伏線の存在により、新章とのつながりにも納得がいき、更にワクワクしながら読み進めることができます。
そして七つの大罪と他聖騎士達と、十戒との戦いが、迫力・躍動感ともに激しく、続きを早く読みたいという思いを強く掻き出しています。
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