女性のウルトラマン!?
UFOマンの考察
外見からも、元祖特撮ヒーローである「ウルトラマン」と類似した存在です。
しかし、UFOマンというキャラクターを考えていくと、原作者の思いを紐解けると考えられます。
まずは、UFOマンの目の部分は、「ウルトラマン」そのままのフォルムといえます。黒目はなく、黄色い目においても、カラーリングは同じです。フォルムとカラーリングが同じなら、印象が重なるのも当然のことだと考えられます。
また、身体の部分においても、筋肉質のフォルムで、赤と白を基調としている部分も「ウルトラマン」と類似しています。顔も身体も、外見の全てが「ウルトラマン」といえます。そして、時間制限によって怪獣と戦う設定も同じで、UFOマンというキャラクターが、「ウルトラマン」のパロディーと考えることができるのではないでしょうか。
しかし、UFOマンは物語冒頭で、怪獣と戦う役を女子高生の3名に任せており、女子高生が変身することで怪獣と戦う物語です。
この背景と設定は、原作者は、女性のウルトラマンを描きたかったという気持ちの表れだったのだと考えることができます。変身した女性キャラクターたちにも、元祖「ウルトラマン」と同様に、戦える時間に制限が設けられています。また、変身が徐々に解け、肌が露わになっていくことは、女性キャラクターならではの欠点といえます。
男性ではない、女性キャラクターということを全面に押し出した「ウルトラマン」なのだと考えることができるのです。
そして、それこそが、原作者が当コンテンツで描きたかったことだったのではないでしょうか。
また、ヒーローが戦う特撮モノという内容ではなく、作り込みは笑いを誘う内容になっています。
世間一般の風潮として、パロディー作品はウケ狙いを図った笑える内容のものが多いです。すなわち、当作品も例に漏れることなく、「ウルトラマン」のパロディー作品だと考えることができます。
UFOマンという一部のキャラクターに焦点を当てて、考えを広げることで、当作品そのものの方向性、さらに、原作者の思いを垣間見ることができると考えられるのです。
アルティメットガールの個性
内面より外見におけるキャラクターデザインに注目していきます。
巨乳、貧乳、ロリと3タイプに分類されています。
本来は、ロリが貧乳と呼ばれるべきです。しかし、最も胸の小さなキャラクターが貧乳と呼ばれず、良い表現がされているのです。そして、メインの主人公が、嫌な呼び方「貧乳」と呼称されています。
巨乳、貧乳、ロリとある中で、貧乳という呼称にだけ悪意があるのです。
しかし、一番の強さなのも、メインの主人公である貧乳であり、目立つ存在です。内面として、女性らしさが強調されているのも、アルティメットガール貧乳といえます。
制作スタッフからみたとき、一番の押しキャラクターは貧乳たったと考えられます。
ただ、悪意のある呼称は、それだけメンバーの中で強調したかった表れだったのかもしれません。また、幼少期に好きだった女の子に意地悪をしたくなる心理に似ているようにも考えられます。
さらに、悪い呼称をしていることで、貧乳のMOEパワーを増幅させる狙いもあったのだと考えられます。
悪い呼称をされることで「見ちゃイヤン」と思う気持ちが強くなるのは、当然の心情だと考えられるのです。それが、MOEパワーに繋がり、メンバーの中で、一番の強さに繋がったのだと考えられます。
その根拠として、貧乳は、貧乳と呼称されるほど、胸の小さなキャラクターではありませんでした。むしろ、丁度良いボリューム感だったのではないでしょうか。
恋愛要素の考察①
元祖「ウルトラマン」において、恋愛要素は薄いといえるのではないでしょうか。
しかし、当作品は、女性キャラクターを主人公に据えることで、恋愛要素を押し出していると考えられます。
元祖「ウルトラマン」においては、女性を登場させてはいるもののも、恋愛要素を描いていません。しかし、女性キャラクターを主人公に据えることで、恋愛要素を描かざるを得なかったと考えられるのです。女性が戦うことにおいて、理由付けをしなければなりません。そして、戦う理由は明確であれば、あるほど、視聴者は本編に感情移入ができます。
女性キャラクターが戦う理由として、平和を守る為、というのは感情移入がしづらいです。
たとえば、愛する誰かを守るため、というように、人物を特定した方が、主人公の戦う理由は明確になると考えられます。それは、女性に限らず、男性においても、同様のことがいえます。しかし、体力の劣る女性が、「平和」というものを担って戦うには説得力が乏しいと感じさせるのです。
恋愛要素の考察②
当作品の主人公シルクが、上級生であるマコトに片想いしている構図となっています。
また、シルクの同級生であり、親友であり、同じくアルティメットガールであるヴィヴィにおいても、同性でありながら、シルクに片想いしています。恋愛要素におけるベクトルが、単純な構成になっていないのが、作品そのものを面白くしていると考えられます。
ただ、ヴィヴィはシルクの気持ちを理解しており、一歩引いた立場で、シルクの恋愛を応援しなければならない立場であり、可哀そうになってきます。もう一人のアルティメットガールであるツボミは、コスプレ大好きなオタク属性女子であり、戦いたいばかりなので、ツボミが戦う理由付けは明確にされています。(※本編を観ていると、ツボミは戦いたいというより、「変身したい」「撮影されたい」という気持ちが強いのだと考えられます)
しかし、ヴィヴィの戦う理由は明確にされておらず、シルクやツボミへの友情、平和を守る為、という理由では弱いのです。シルクへの想いから、変身して戦うことの方が、ヴィヴィの戦う理由として説得力があるだと考えられるのです。
ヴィヴィのシルクに向けられた感情は、後付けの設定のように感じられます。
それは物語冒頭では、ヴィヴィの感情が明らかにされていない為、そのように感じられるのです。ヴィヴィが初めてアルティメットガールに変身した場面では、シルクに向けられた恋心は描かれていませんでした。ヴィヴィが変身して戦った理由は、シルクやツボミに向けられた友情が大きなものだったと考えられます。
ヴィヴィのシルクに対する特別な感情は、物語中盤から唐突に描かれるようになり、後付け設定だったと考えられるのです。
古谷徹の「悪ふざけ」
UFOマンの声優だった、古谷徹さんの「悪ふざけ」が印象的でした。
古谷徹さんの代表作といえる「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ、「巨人の星」の星飛雄馬(ほし ひゅうま)、「聖闘士星矢」の星矢の名セリフを、当作品のUFOマンのセリフとして言い放つ場面があります。
しかし、古谷徹さんの意思だったのか、と考えると違うように思えます。元々の台本がそのように書かれており、古谷徹さんが受け入れたと考えられます。
そう考える根拠は、他アニメのセリフを流用する場面の回数が明らかに多いためです。
「機動戦士ガンダム」アムロ・レイの名セリフ、「親父にも打たれたことがないのに!」は、少なくとも当作品の本編の中で3回以上は言い放たれていました。本来の元ネタ、「機動戦士ガンダム」でも、1回限りだったセリフです。
明らかに、「しつこさ」を狙った笑いであり、古谷徹さんの意図とは考えられません。
初回は、少し驚きで笑わされました。しかし、二回目以降は、あまりに執拗に名セリフを言うので、笑わされるのです。
ウケ狙いである古谷徹さんの名台詞は、台本に記載されており、制作スタッフの意図した笑いだったのだと考えられるのです。
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