嫌悪感は感じるがリーダビリティーのある映画
やたらリアルで趣味が悪い映画
ヤクザが清廉な女子大生に惚れ、強引にわなを仕掛け、自分が取り仕切る売春街に売るというストーリーは、本当に怖い。で、そのヤクザが人の愛し方を知らないもんだから、客を取るこの女をマジックミラー越しに見る程度で、強引に抱こうともしないし、変な意味、純愛を貫くわけです。しだいに女もこの男になんとなく言いなりというか好き(?)になっていくという。
この男が、かつての敵との抗争で刑務所に入ってしまい、出所すると手下とのいざこざで刺されてしまうという踏んだり蹴ったりの展開ですが、その後、この男女二人はさまよいながら、売春トラックで営業しながら暮らしていくという暗示でのラストとなり、一言で言えばなんとも後味が悪い、趣味の悪い映画でした。
痛々しい落ちていく様
前半から中盤にかけて、女が落ちていくまでが、なかなかリアルで痛々しいですね。女を罠にしかけた方法は今一つ納得できないような単純な方法です。同じように随所に「え、そうだろうか?」と思うところ、いわば欠点、隙が多々見られます。例えば、女の元恋人はどうしているのだろうか?何で来ない?両親はなんで必死で探さないのか?とか、冷静に考えればかなり荒っぽい内容と構成の作品です。
少し制作者側が「ハマリ込みすぎ」ている感がありますね。とにかくとことん進めていこうというか、そういうエネルギーを注いでいる作品です。ただ、引き込まれはするんですよねー。リーダビリティーはあります。女性はこの後、どうなっていくのか、物語の終焉はなどなど、気になって仕方がなかったです。つまり最後まで引っ張っていくのは、この男と女の行方であり、そういう意味では変わった「愛」をテーマにした映画として充分成功しているのかなとは思いました。
男優は見事にこの役として合格です。影があって、悪そうで、不器用でという役回りをこなしていました。女優もなかなかかわいくてよかったです。
韓国では身近にあり得る?
韓国ではとてもレイプとかが多いみたいで、ひょっとして、こういうストーリーは身近にあり得るということなのかもしれません。私は、こういう映画に多少の嫌悪感を感じます。だからなんなんだと言いたい気分も起きます。誘拐して、自分で監禁し、自分で陵辱とか愛するというのと、この手の作品とで、どっちがいいのかなあ、とは思いますが。
それから、浜辺で再開するところと写真に写った二人のことがよくわからなかったが、これって、死後の世界って意味なのでしょうかね。
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