現代には中々いない破天荒な先生像 - GTOの感想

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GTO

4.674.67
画力
4.33
ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
4.67
感想数
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現代には中々いない破天荒な先生像

5.05.0
画力
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
5.0
設定
4.0
演出
5.0

目次

元暴走族が教師になり一クラスを変える

まず第一にこちらの「GTO」という作品は元暴走族の鬼塚英吉が教師になり、生徒を一人ずつ更生していき学園全体を自分一人の力で変えていく学園ドラマの漫画作品である。

さまざまなタイプの生徒が登場

クラスの生徒の中には、アイドルを目指している生徒・身体に刺青を父親に入れられた生徒・プロボクサーを目指している生徒・料理人を目指している生徒・IQ180以上の頭脳を持つ生徒・親から愛情を与えられなくなった生徒達を教師になった鬼塚英吉が身体を張って更生していく学園ドラマである。物語の中では、教師を敵とみなす生徒しか最初はいないが話が進むにつれて生徒側の心境に変化が現れ徐々に鬼塚英吉をこれまで会った事がない教師として見る目が変わり、鬼塚英吉を慕う生徒が増えていき、生徒ならず同じ教育者の先生の考えをも変えてしまうまでになった熱血教師の鏡になる理想の先生像ではないかと思う。

命を張っての生徒の更生

作品中で主人公の鬼塚英吉が身体を張った場面で言うと、学校の屋上から誤って生徒を落としてしまう際に生徒の身体を自分で覆い隠し、下にたまたまあった内山田副教頭の車のおかげでなんとか命が免れた場面、両親から愛情が感じられなくなった生徒の更生に関しては生徒の家に直接出向きその際に持って来ていたハンマーで父親と母親の部屋の一部に穴を開けてしまうが、それが結果的に両親の冷めていた心を動かし以前に比べて家庭に笑顔が戻った事に繋がる場面、中々自分の思い描く夢を行動に映して実現しようとしない生徒に対して、市で行われるオーディションに生徒を参加させて生徒の得意な人形遊びで観客で来ていた見学者を感動させる演劇をしているかの様な名演技をさせて夢に近づくキッカケを作ってあげたりする場面、日本全体の中学生に向けて行われる全国模試で一位を取ったら解雇免除という内山田教頭からの教師人生を続ける為の命綱にも思える話の際には、寝る間を惜しんで勉強に時間を注ぐ鬼塚英吉の死ぬ気で勉強する一面が見られたりもしますし、学校で生徒と

同じ試験を受験する前に、ヤクザに連れ去られた生徒を助けるべく突入した鬼塚英吉は腹に刃物を刺されながらも出血多量で死ぬ寸前だったにも関わらず病院で奇跡の回復をして復活し、学園模試は理事長が学園模試の最高責任者と訳を話し、満点を出すといった場面もあったりした。

この作品から自分が思う心情や思考

作品で出てくる鬼塚英吉の名言で実感出来た名言と心情を載せていきます。

オレが先公だったら、ぜってーしねーぜ。
てめーの教え子をクズ呼ばわりするよーな、マネはよ。

凄くこの発言には感動した自分がいました。なぜなら現在の自分でも時たま自分より下に見てしまう事がありますが、この言葉には人をくずよばわりする人は今後も人を馬鹿にしたような目で見るから、一人の人間として成長しないという言葉にも自分には聞こえました。

ガキはよー、親に信用されねーのが、一番傷つくんだぞ!?バカヤロウ!

この言葉にも自分は感動を受けましたね。現在や過去でも不良や道を外れてしまった生徒は少なからずいると思いますが、その大きな原因は家庭環境や実の親に信用されないのが一番辛かったりするのが、現実だったりします。特に高学歴で良い大学に進んだ人だとこの気持ちがわからない状態で大人になる人もいるんじゃないかと自分は思います。高学歴の人が全員そういう人ばかりだとは決して思っていませんがね。

「造っただぁ?子供はプラモデルじゃねーんだ!血ぃ通ってんだバカヤロォー!」

この発言は、今までにないパターンの発言ですが実にその通りだと思いました。娘から母親にたいして「知識」だけしか今まであてにされずに生きてきた中学生が母親に気づいて欲しい一心で鬼塚英吉が発言した、衝撃が走る言葉でありこの言葉以外の発言はないと思う様なスカッとする発言でした。

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4.04.0
  • miyayokomiyayoko
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