美人悪霊祓い師とその仲間達のドタバタコメディアニメ。 - GS美神[ゴーストスイーパー]の感想

悪霊を祓う美人ゴーストスイーパー美神とその助手横島達の活躍を描くマンガを原作としたアニメ

バブルの頃の日本を舞台に、悪霊を退治する職業、「ゴーストスイーパー」の美神令子。ボディコンを纏い、スタイリッシュに悪霊を退治していく。その色香に迷い、低い時給で馬車馬のように働かされる助手の横島と、なし崩しに仲間になり、更に低い時給で働く心優しい幽霊のおキヌの3人を中心に物語が進んでいく。「ゴーストスイーパー」は報酬のいい職業であり、美神もお金大好きな女性だが、たまに見せる人情的な一面に可愛らしさを感じる人も多いと思う。

それぞれのキャラクターが立ち、切れのいいギャグが入る

主人公の美神はドＳで助手の横島を奴隷のように働かせるが、横島は横島で、若い欲望のままに、何とか美神にセクハラ（健全な）しようと狙う。成功はしないが、そうしたギャグシーンではシーンとした後で泣き喚くみたいな、静と動の間があり、コントを見ているような面白さがある。また、敵キャラである悪霊や悪魔も、それぞれ個性があり、ただの「正義ＶＳ悪」の図式ではなく、よく考えられた話作りがされている。

必ずお気に入りのキャラクターが出来るはず

可愛らしい女神様やライバルの美女ゴーストスイーパー、中世から生きている老いぼれ錬金術師と彼が作った女性型ロボット等、脇を固めるキャラも魅力的。

毎回「うる星やつら」のようなスラップスティックギャグが繰り広げられる。特に、主人公の一人、横島は、煩悩に忠実な憎めない若者で、皆ファンになってしまうだろう。「ちち、しり、ふともも～！！」と美神を追いかけ、膝蹴りを喰らってプールに浮かぶ、その毎度の掛け合いは、「ワンパターン」のはずが、毎回笑いを誘う。また、彼の貧乏な生活ぶりは、美神のゴージャスな生活ぶりと対比されて描かれ、可哀相だがつい笑えてしまう。加えて、横島の後々の成長振りも見所。マンガ版では後々ゴーストスイーパーとして覚醒し、煩悩をエネルギー源にして、時には美神さえも越える能力を得るのだが、アニメ版ではただの一少年なので、荷物持ちと、煩悩を糧にした死と隣り合わせの突撃で美神を助けるだけなのが少々惜しい。出来ればもう少し続いて欲しかったが、アニメで最後まで描かれる作品は稀なので仕方ないのかもしれない。マンガ版の中で「アニメ化はもう無いんだ・・無いんだよ」と横島が血の涙を流しながら言うシーンがあり、作者の心情を語っていた。

子供から大人まで、今見ても色褪せない、名作だと思う。