月9史上最高のドラマ!
甘いだけじゃない!ラブストーリー
1980年代、当時の月9と言えばキラキラしたラブストーリーが王道でした。キラキラ、ハラハラ、ドキドキ、そしてハッピーエンド。毎週テレビから流れるその世界に憧れました。もちろんこの作品もそんな世界を見せてくるのが当然のことのように、チャンネルを合わせました。ドラマは最初に出会いがあり、次に試練、そして試練を乗り越えてのハッピーエンド、この方程式が一番見やすく感情移入できます。数多くのドラマ、特にラブストーリーには多く見られる流れですが、本作品もキラキラした出会いから始まります。そして、あの衝撃の一言によって2人の恋物語が始まっていきます。
赤名リカの存在
この物語の主人公は、圧倒的に赤名リカで、カンチこと永尾完治はリカという女性を語る語り部で、私達視聴者とともにリカに魅了され振り回されていきます。リカは、俗にいう「損するタイプ」の女です。キレイで人当たりが良く、だれに対しても壁を作らない。海外で育ったKとおもあり、自由奔放で愛し方もストレート、たとえ禁じられた関係であっても相手を一途に想ってしまうそんな女性です。自由奔放に愛する分、それだけの傷を負い涙を流します。それでもひとしきり泣いたら笑顔を作り、頑張れてしまう、リカはそんな女性です。そんなリカが純朴で優しく優柔不断なカンチに恋をします。田舎から東京に出てきて周囲の環境に馴染むことに苦労していたカンチにとってリカの笑顔はキラキラ眩しく輝いていました。
別れの描き方
それまで甘いハッピーエンドに慣れていた私にとては、まさかの最終回でした。イヤな予感はしてはいたが、それでもやっぱり月9で、色々あったけどカンチがリカの元を去る訳は無い、そう信じていました。ですが、私が見たのは二人の別れでした。しかも、カンチは他の女性を選びました。選んだ女性はリカとは正反対の「得するタイプ」で、カンチにはリカのまっすぐで一途な想いが少々重かったのでしょうか。東京で出会ったキラキラしたリカより、高校の時に好きだった同級生を選ぶ、男のノスタルジー恐るべし。その答えに至るまでのカンチの葛藤も分からなくもない、そのうえ、「得するタイプ」の女は涙という武器も堂々と使う。そして優しいカンチはもう動けない。一方、自由奔放なリカは一人で泣く。バイバイという文字をカンチのハンカチに書いて。カンチはそのハンカチを見つけて号泣する、その涙でカンチは大人の男になってしまったのでしょう。そして、その涙があったからリカとカンチの別れを私は受け入れられたと思います。それと同時に男は結局ああいうタイプの女をえらぶんだ、という悲しい教訓を得たのも事実。
再会の笑顔
別れのシーンの後、何年後かの再会の場面が描かれる。カンチは同級生と夫婦になっていて、偶然リカを見かける。カンチの方から声をかけ、久しぶりに会話を交わし、リカが満面の笑みでカンチに手を振る。キラキラしたリカの笑顔に私も救われた。この物語で一番切ないのはリカです。他の4人の主要人物はそれぞれ恋を成就させた。でも最後のリカの笑顔でこのドラマは最高のエンディングを迎えたのではないでしょうか。
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