黄色い部屋より姉が謎 - 黄色い部屋の謎の感想

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黄色い部屋の謎

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文章力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
3.50
感想数
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読んだ人
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黄色い部屋より姉が謎

3.53.5
文章力
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
3.5
設定
3.5
演出
3.5

目次

推理小説初、タブーなる犯人

古典的推理小説であるため、訳者によって題名までもが微妙に違います。
「黄色い部屋」、「黄色い部屋の秘密」、「黄色い部屋の謎」の三つまでは把握していますが、作者がガストン・ルルーならば同じ作品です。
ガストン・ルルーといえば「オペラ座の怪人」でも有名な作家であり、ルパンシリーズで有名なモーリス・ブラウンと同年代の著名な作家です。
スタンガーソン博士の邸宅にある「黄色い部屋」で令嬢が殺されるという、密室殺人が舞台です。
当時、賛否両論があったようですが、事件解決に乗り出した探偵が犯人だったという、初めての試みがなされました。
ここに一つの推理小説界のタブーが破られて、推理小説の世界が広がったことは事実だと思います。
このタブー破りは、後にアガサ・クリスティーもやっております。

ネタバレでも面白い構成

この本は姉の薦めで読みました。
というより、無理やり読まされたという感じです。
自分の感動を共有したくて私に押し付けてきたというところでしょう。
「すっごい面白くて、最後に探偵役の刑事が犯人と分かるんだけど・・・」とオチまでベラベラ話しながら、とにかく読めと言われて読みました。
結果が分かっていましたが、やはり作者の筆力というものでしょうか。
最後まで飽きずに読み切れました。
刑事コロンボもそうですが、骨格のしっかりとした物語は、たとえ最初から犯人が分かっていても真相に迫っていく部分が面白いのだと思います。
姉のネタバレがなければ、もっと迫力を感じたと思いますが内容を忘れてしまった今でもあの時の感覚は残っています。

小説よりも奇なりとは、言ったものです

昔の本ですから、姉はその本をどこから手に入れたのかは分かりません。
しかも、読書好きではない姉が読んだこと自体が驚きです。
読んだきっかけは分かりませんが、姉は「黄色い部屋」に夢中になりすぎて、主人公のルールタビーユにぞっこんでした。
もっと驚いた事には、児童書という事で登場人物の挿絵とともに役柄紹介が載っているページがありましたが、ルールタビーユの挿絵だけがありませんでした。
後でわかったのですが姉が切り取ってブロマイド代わりにしていました。
当時もアイドルはいたのですが、2次元、しかも主人公の想像図をブロマイド代わりとは、今のオタクのご先祖様でしょうか。
今、そのことを姉に話しても、きっと忘れている事でしょう。
ネタバレに始まりオタク度を目の当たりにした幼い私は、小説以上にショッキングな姉です。

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