団地の暮らし
幼少時代を懐かしむ
マンモス集合団地に住む小学生・木下友夫の生活を覗き見している気分になる作品です。ともおのやる事は大抵バカバカしいことばかりです。小学生男児特有のくだらない遊びです。私は女なのでともお達のような遊びはしなかったけれど、小学生時代の遠い記憶の中で同級生の男子たちがやっていたことがリアルに描かれています。私の主人もこの作品が好きなのですが、あるあるネタが多くてたまらなく面白いらしいです。
私はケリ子とより子の様子の方が親近感がわきます。小学生女子の生態を上手く描いています。
「団地ともお」はギャグ漫画の部類に入ると思うのですが、なぜかノスタルジックな気分になるんです。もちろん面白いし爆笑することも多いのだけれど、昔懐かしい哀愁を感じて遥か遠く通り過ぎっていった幼少時代を思い起ささせます。
この作品を読んでいるとあの頃のことを思い出して「あーあの子は今どうしているかな?」とその当時よく遊んでいた友達のことを急に思い出したりすることがよくあります。忘れ去られ記憶の奥底に眠っていた記憶が掘り起こされてる感じです。
バカでも思いやりの心があればいい
ともおは「バカ」です。典型的なおバカなお調子者の小学生です。もちろん勉強もできないし、おっちょこちょいで運動もイマイチです。お母さんにもしょっちゅう叱られています。
間違いなくウチの子自慢をできるようなタイプの子ではないですが、私は息子にするならともおのような子がいいです。なぜかというと、ともおは人の気持ちにたって行動できるからです。友達にいじめられることはあってもいじめる側に周ることは絶対ないし、お年寄りにも優しいし、そういう事を頭で考えるんじゃなくて自然に出来るのがともおの良いところです。勉強なんかよりも人間性を磨くことの方が大事です。
成績悪いので高学歴な息子になる可能性はまずないだろうけど、ともおは成長したら親孝行な息子になるでしょう。
団地だからこそ生まれる人間関係
ともおが住む枝島団地はマンモス団地で多くの老若男女問わず住民がいます。新興住宅とかだと同じ年代の世帯が集まることが多いので世代の偏りがあります。大人は社会で色んな世代と触れ合うことが多いから問題ないけれど、子供たちには結構影響があると思います。まして今は核家族が多いので余計問題です。お年寄りや自分よりも幼い子と触れ合うことで弱者を思い遣ることをことを学ぶことができるし、親より若い青年たちとの出会いによって将来の可能性を広げることもできるでしょう。
その点、ともお達は団地というコミュニティーだからこその経験ができています。彼らの成長過程において肥やしになることが必ずあると思います。ともお達がこれからどんな大人になるのか楽しみです。
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