軽い気持ちで観ちゃったら、どエライ目にあったぜ!
青春ラブストーリーかと侮っていた。
高校生の青春ラブストーリーかと思って何気に見ていたら、中学生だったなんて完全に騙された。
「中学生の恋愛映画かよ~!まあいいや、観てみるかな。」
そんなくらいの気持ちで観始めた。
こんなチャラチャラした中学生がいるのかと多少違和感はあるが、まあタイトルの『赤い糸』から察する通り、主人公のメイと、幼き頃の偶然に気づいたアツシが、屋上で一緒にチョコを食べたり寝転がって青空をみつめたりしながらほんのりスイートな恋心を確かめあうという、よくあるストーリー展開が繰り広げられていたので、こっちもすっかり気を抜いていた。
自殺未遂、ドラッグ依存、DⅤ・・・ちょっとオイオイ!
中学生にありそうな男女のいざこざから、メイの友達の一人がメイに嫉妬して自殺未遂するまでに至るなんて、まずは軽く私の想像をひと超えしてきた。
けれど、純粋で素直でただまっすぐに生きてきたメイにはなんの落ち度もないのに、突然主人公に不幸が襲い掛かるあたりはありがちだともまだ思える私がいた。
そうこうしているうちに、アツシの母親のドラッグ依存、訳あってアツシに振られた後にメイが付き合い始めた彼氏のDⅤ、おまけにメイの友達まで薬に手を出し、まだ15歳のウブな女子高生にここまで降りかかるか!と言わんばかりの災難続き。
彼氏に殴られても、謝られるとまた信じて彼氏のいうことをきくメイをみながら、この世はやっぱり真面目で優しい人が損をするものなのねと改めて痛感。メイのような子は、ろくでもないダメ男にとって大好物。幸せになれないオンナの予備軍ここにアリ!としみじみ思った。
そこまでやるか?!仕上げにもう二連発!
15歳にして彼氏からのDⅤ被害で戸惑うメイに、たたみかける様にまだまだ不幸が訪れる。
DⅤ彼氏の心の闇を受け止めようとメイが前向きに付き合おうとする姿に、彼氏が反省したかと思ったら、交通事故死。
ついでに母親から「あなたは私の本当の子どもじゃないの」と16歳の誕生日に衝撃告白を受けるメイ。なんじゃコリャ~!!!私ならもうとっくに精神崩壊してるよっ!
不幸なのはメイだけじゃない。アツシもとことん不幸なのだ。ドラッグを止められない母親に何度も裏切られ振り回され、それでも見捨てず信じていたのに、結局母親は「子供なんて産むんじゃなかった」とドラッグ漬けにした張本人の男のもとへ行ってしまう。
ここまで二人に不幸を浴びさせるなんて!こんな話書いたヤツ誰だ!と思わず作者と脚本家の名前をチェックした。
というわけで、私はまんまと騙された。
私はほんのり淡い恋を思い出したかっただけなのに、ほっこりした午後を過ごそうと思っていたのにどういうことだ。
この映画を手に取ったとき、ここまで胸クソを揺さぶられるとは思わなかった。こんなに感情移入して、こんなに人間の闇や世の中の矛盾や社会問題が頭をよぎるとは、これっぽっちも思ってなかった。本当にまんまと騙された。
キャストの選び方もズルイ!騙しにかかってる!
こんなに衝撃的に私を裏切ってくれた映画は久々だった。このギャップ、騙された感、結局のところこの映画は最高にオモシロイ!
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