フランス映画のようでした。
女子ならきっと共感するはず。
「なんでこんな男と居るんだろう・・・」そう思いながらもズルズルと付き合い続けてしまった経験がある女子は、世の中に結構いるんじゃないかと思う。
主人公のハルがあの頃の自分と重なってちょっとイタイ気持ちになるけれど、そんな自分と葛藤するハルにとても共感できた。
レズビアンじゃなくても、やわらかい女子に触ってみたい願望はある。
「女の子っていい匂いするしやわらかいし綺麗だし、触りたいって思わない?」
リコの言葉に妙に納得した。
私自身が貧乳なこともあり、フワフワとしたマシュマロ女子に対する憧れが昔からあるし、触ったら気持ちいいだろうなって確かに思う。
男は臭いし汚いし、ゴツゴツしてて毛むくじゃらで、どうしてあんなものと抱き合って満足しているのだろうと、ふと自分でも疑問が生まれた。
私はレズビアンじゃないけど、リコの言葉に異論はない。ハルもきっとシンプルにそれに共感したから、リコのキスを静かに受け止めたのかもしれないと思ったら、私にもリコのような女子がもし現れたら、結構いっちゃうかもしれないと思った。
女同士でも恋人になれば感情は同じなんだと思うと、残念だ。
リコがハルの元カレや男友達に嫉妬している姿を見て、男女の恋人同士の間に渦巻く嫉妬心は、同性の恋人同士にも結局生まれてしまうと思うとしんどくなった。
いやむしろ、同性の恋人同士であれば女にも男にも嫉妬するわけだから、普通の倍になってしまう。自分以外の誰かと楽しそうにしていることに苛立つから、レズビアンやホモセクシャルが二人だけの世界に浸りがちな意味が分かった気がした。
私には女の親友がいるが、私は彼女を愛しているし、彼女が幸せいてくれることだけを心からいつも願っている。あまりにも深くそう思うので、私ってもしかしてレズビアンなのかな?なんて思ったこともあったけど、彼女が他の誰かと楽しそうでも嫉妬は覚えないし、キスをしたいとも思わない。
この映画を見て、自分はやはりレズビアンじゃないんだなと改めて思うと同時に、リコの言った通り、恋愛対象になってしまえば男女の差なんて、“動物園に入ったか入れなかったかだけの違い”であって、『ああ、そうですか。あなたはYをお持ちじゃないんですね。』くらいの問題なのかもしれないなと思った。
フランス映画のようなエンディング。
正直、あの終わり方は意味が全く分からなかった。
リコが何を思ってハルのそばを離れ、何を思って電話に出ないのか。ハルが何を思ってスカートをはき、丹念に部屋の掃除をしたのか。
その先の二人がどうなっていくのかも全く予想できないエンディングに、多少の消化不良感は残ったが、フランス映画だと思えばアリかな、とも思う。
ハッピーエンドでもない、バッドエンドでもない、極めて現実的で継続的な余韻を残し、私にとってはむしろとても印象的な映画になった。
満島ひかりの演技はこの映画にとてもマッチしていて、やはり本当に個性的で素晴らしい女優だと再認識させられた。
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