フランス映画のようでした。 - カケラの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

カケラ

3.333.33
映像
3.50
脚本
3.00
キャスト
4.17
音楽
2.83
演出
3.50
感想数
3
観た人
3

フランス映画のようでした。

3.03.0
映像
4.0
脚本
2.5
キャスト
5.0
音楽
2.0
演出
4.0

目次

女子ならきっと共感するはず。

「なんでこんな男と居るんだろう・・・」そう思いながらもズルズルと付き合い続けてしまった経験がある女子は、世の中に結構いるんじゃないかと思う。

主人公のハルがあの頃の自分と重なってちょっとイタイ気持ちになるけれど、そんな自分と葛藤するハルにとても共感できた。

レズビアンじゃなくても、やわらかい女子に触ってみたい願望はある。

「女の子っていい匂いするしやわらかいし綺麗だし、触りたいって思わない?」

リコの言葉に妙に納得した。

私自身が貧乳なこともあり、フワフワとしたマシュマロ女子に対する憧れが昔からあるし、触ったら気持ちいいだろうなって確かに思う。

男は臭いし汚いし、ゴツゴツしてて毛むくじゃらで、どうしてあんなものと抱き合って満足しているのだろうと、ふと自分でも疑問が生まれた。

私はレズビアンじゃないけど、リコの言葉に異論はない。ハルもきっとシンプルにそれに共感したから、リコのキスを静かに受け止めたのかもしれないと思ったら、私にもリコのような女子がもし現れたら、結構いっちゃうかもしれないと思った。

女同士でも恋人になれば感情は同じなんだと思うと、残念だ。

リコがハルの元カレや男友達に嫉妬している姿を見て、男女の恋人同士の間に渦巻く嫉妬心は、同性の恋人同士にも結局生まれてしまうと思うとしんどくなった。

いやむしろ、同性の恋人同士であれば女にも男にも嫉妬するわけだから、普通の倍になってしまう。自分以外の誰かと楽しそうにしていることに苛立つから、レズビアンやホモセクシャルが二人だけの世界に浸りがちな意味が分かった気がした。

私には女の親友がいるが、私は彼女を愛しているし、彼女が幸せいてくれることだけを心からいつも願っている。あまりにも深くそう思うので、私ってもしかしてレズビアンなのかな?なんて思ったこともあったけど、彼女が他の誰かと楽しそうでも嫉妬は覚えないし、キスをしたいとも思わない。

この映画を見て、自分はやはりレズビアンじゃないんだなと改めて思うと同時に、リコの言った通り、恋愛対象になってしまえば男女の差なんて、“動物園に入ったか入れなかったかだけの違い”であって、『ああ、そうですか。あなたはYをお持ちじゃないんですね。』くらいの問題なのかもしれないなと思った。

フランス映画のようなエンディング。

正直、あの終わり方は意味が全く分からなかった。

リコが何を思ってハルのそばを離れ、何を思って電話に出ないのか。ハルが何を思ってスカートをはき、丹念に部屋の掃除をしたのか。

その先の二人がどうなっていくのかも全く予想できないエンディングに、多少の消化不良感は残ったが、フランス映画だと思えばアリかな、とも思う。

ハッピーエンドでもない、バッドエンドでもない、極めて現実的で継続的な余韻を残し、私にとってはむしろとても印象的な映画になった。

満島ひかりの演技はこの映画にとてもマッチしていて、やはり本当に個性的で素晴らしい女優だと再認識させられた。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

本作の見据えた日本のリアルって

漫画もアニメも全く嗜まないけども私は日本映画(特に女性監督)に対するリテラシーは非常に低いです。また、同様に漫画原作の映画というと更に低く、とはいえ、2018年現在、むしろこのジャンル(漫画原作ではないアニメ映画を含む)がトレンドセッターである事は、日本に住んでいれば誰だって安易に想像出来てしまいます。因みに本作、カケラが公開された2009年の日本国内映画興行収入ランキング1位は、同じく漫画を原作とした「ROOKIES-卒業 -」でした。せっかくなので2009年から2018年現在までのランキングを振り返ってみましょう(2009年から数えれば丁度10本ですし)。「ROOKIES-卒業 -」に続き、2010年「アバター」、2011年「ハリー・ポッターと死の秘宝PART2」、2012年「BRAVE HEARTS海猿」、2013年「風立ちぬ」、2014年「アナと雪の女王」、2015年「ジュラシック・ワールド」、2016年「君の名は。」、2018年「名探偵コナンゼロの執行人」(暫定)となって...この感想を読む

3.03.0
  • S/OS/O
  • 69view
  • 3326文字
PICKUP

アブノーマルな作品

癖になる安藤モモ子の作品初めてこの映画を鑑賞した時は正直ウーンという微妙な感想でした。ただすごく見返したくなる、なんだか中毒性のある作品になっています。安藤モモ子の監督作品は初めて鑑賞するという事もありどうしてこのようなシーンをとるのか、このシーンにどのような意味があるのかと作品を鑑賞しながらついつい考えてしまいます。きっとこのシーンを撮影するには意味があるんだろうと見終わった後ももう一度見返そうとしてしまうんです。女性ならではの感性で撮影されており独特の空気感がこの映画には漂っています。この映画は主人公満島ひかりがレズビアンの女性と恋に落ちていくストーリーになっています。最近は時代が変わりホムセクシャルやレズビアンに対して偏見の目がなくなりつつありますがそれでも少し重いテーマだと思うんです。ですがノーマルな恋愛をしてきた私でも観ていて重いなと感じることはなく同性愛を押し付けるわけでも...この感想を読む

4.04.0
  • 猫と犬猫と犬
  • 173view
  • 2069文字

関連するタグ

カケラを観た人はこんな映画も観ています

カケラが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ