観終わったあとに笑顔になれる映画
ありえない設定だけどなんだか笑える
生まれて間もない赤ちゃんを抱えて、若くして未亡人になる、なんて自分が同じ立場だったらどんなにふさぎ込んでしまうだろう…。
と思うのですが、亡くなった夫は幽霊として現れ、それをあっさり受け入れて喜ぶ主人公さや。
出てくるキャラクターも、演出の仕方もコミカルで、テーマが「生」「死」にも関わらず、明るくほっこりした気分になる映画でした。
登場人物はみんな各々事情があって、それがさや(と幽霊のユウタロウ)に出会って、なんとなくうまい方向に転がっていくという、色んな心温まるエピソードが盛り込まれています。
ちょっと色々詰め込みすぎかなー?と思いつつ、結局こちらまで笑顔になってしまう、という感じでした。
豪華俳優陣の、幽霊に憑依されるという高度な演技力
新垣結衣さんが若すぎて、ちょっとリアリティないのですが、頼りない母親という雰囲気はよく出ていました。
幽霊・ユウタロウ演じる大泉洋さんは、さすがの演技力です。
主人公はさやなんでしょうが、始まりと終わりをぐっと掴んでいるので大泉洋さんが主演という感じがしました。
そして、ユウタロウはさやの前に現れる時は必ず誰かにのりうつって出てくるので、それを各俳優さんがうまいこと演じていて面白かったです。
ジオラマ風の撮影法でささらの良さが伝わってくる
前後をぼかすことで景色がジオラマのように映されるの方法を随所に使っていたのが印象的でした。
木々の緑や鳥居の赤が鮮やかで、柔らかく風が吹く景色が、ささらっていいとこなんだろうな〜と思わせてくれます。
個性的な住民たちも、そう思わせてくれる要因ですね。
おせっかいだけど楽しい、昔ながらの日本ってこういうご近所付き合いが当たり前だったのかな…。
と、孤立を問題視される現代社会をふと憂いてみたりしました。
さやの愛情の深さに感動
新垣結衣さん演じるさやがリアリティない、と前述したものの、やっぱり最後はちょっぴり感動しました。
子を思う母は強し!です。
あと、ユウタロウが出てきてることを全く怪しく思わず信じる姿。
夫への愛情があればこそですよね。
未亡人にはなりたくないですが、夫が亡くなっても夫を見分けることができ、信じることができる、そんな夫婦っていいなぁと憧れました。
そんな真っ直ぐな女性だからこそ、ユウタロウも惚れたのでしょう。
ささらという町でさやと赤ちゃんが力強く生きていくことをついつい応援してしまいます。
そして、見終わった時、自然に笑顔になっている自分がいたのでした。
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