面白いけど悲しい
死んだ落語家が様々な人に乗り移り、残した妻と子供に会いに来る物語です。
死者の魂が蘇るなんて冷静に考えるととんでもないことなのに、案外あっさり受け入れてしまっているサヤのおおらかさが可愛くて面白い。
ユウタロウはそんなお人好しなサヤだからこそ残してきたことが心配でたまらなかったのでしょうが、そんなサヤじゃなかったらユウタロウが誰かに乗り移ったとしても信じてもらえなかったんじゃないかなと思います。
死んでまでもユウタロウがサヤに説教するシーンや夫婦喧嘩をするシーンを見ていると、生きている間の二人の物語ももっとたくさん見てしまいたくなります。
また、ユウタロウはサヤや自分のお父さんが心の奥底でどんな気持ちだったのか本当はどのように感じていたのかを読み取ることが下手だったようですが、自分が死んで人の体に乗り移ることができるようになって初めて、人は表面上だけでは分からない考えや思いを持っていることに気付くというのも皮肉だなと思いました。
コメディタッチでユウタロウのしゃべり口調やサヤとのやり取りなど笑うところもたくさんありましたが、愛する人と限られた時間しか過ごすことができないと決まっている設定は悲しくもありました。
その後のサヤとユウタロウのお父さんとの関係やユウスケが成長していく姿なども見てみたいものですね。
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