勢いとノリだけで勝負している!? - 絶体絶命でんぢゃらすじーさんの感想

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絶体絶命でんぢゃらすじーさん

3.803.80
映像
3.00
ストーリー
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キャラクター
3.00
声優
5.00
音楽
3.00
感想数
1
観た人
1

勢いとノリだけで勝負している!?

3.83.8
映像
3.0
ストーリー
3.0
キャラクター
3.0
声優
5.0
音楽
3.0

目次

ショートアニメという位置付け

1話が約30秒で構成されたショートアニメ作品です。テレビ放送されているバラエティー番組の中の1コーナーという位置付けなので、内容に、大きく期待するのも間違いなのだと思います。

その中で、予算を抑えて作り込まれているアニメーションだと感じられます。原作は、月刊コロコロコミックで連載されていたマンガだそうです。小学生向けの月刊誌なので、子ども向けバラエティー番組「おはスタ」の中で、視聴者とする年齢層が合致する部分が大きかったのかもしれません。

バラエティー番組「おはスタ」の中で、「絶体絶命でんぢゃらすじいさん」というコーナーを構える企画そのものは素晴らしい考えだと思います。この考え方は、Win-Winの関係性なのではないでしょうか。月刊コロコロコミック連載の「絶体絶命でんぢゃらすじいさん」を知っている子供は、「おはスタ」を観るのが楽しみという図式になるのでしょう。また、原作を知らない子供にとっても、「絶体絶命でんぢゃらすじいさん」というコンテンツを知り、一般的な認知度も上がる図式になると思われます。

テレビ番組と原作者、両者にとって、得になる取り組みだと思います。

そして、こういった取り組み自体が、アニメ業界・マンガ業界においても良い方向に作用することではないでしょうか。特に、子ども向けアニメの制作本数は、最近の傾向として減少していることは否めないことだと思います。

世界に誇れる「日本文化」のひとつとして、アニメ自体の位置付けも大きな存在になってきています。その中で、こういった取り組みが、アニメ業界が良い方向に進むキッカケになれば良いです。

 

ボケとツッコミ

お笑いの基本ともいえる、ボケとツッコミで構成された非常に分かりやすいアニメ作品だと思います。そして、役割分担も明確にされており、ボケ担当の「じいさん」、ツッコミ担当の「孫」の図式は徹底されており、崩れることがありません。

逆の構図の話があっても面白い気がしますが、そういった話は見受けられませんでした。続編アニメ作品の存在があるようなので、そちらに期待させられます。

そして、特徴的なことと思われますが、主人公や登場人物に明確な名前がありません。

当初は、ショートアニメ作品である特性からなのか、と思いました。短い時間で、描かれるアニメ本編なので余計なものは省いていく必要があるのでしょう。その中で、登場人物の名前すら省かれたことを意味するのか、と考えました。

しかし、あることに気付きます。原作マンガが存在するアニメ作品であることを考えると、原作マンガの時点で、登場人物に名前がないのでしょう。原作マンガの時点で名前があり、アニメ化されたことによって、名前が省かれるということは考えられません。必ずしも原作マンガ通りの内容で、そのままアニメ化されることはないのかもしれません。しかし、コンテンツの根幹といえる部分、登場人物の名前が省かれることなんて在り得ないと思われます。

やはり原作マンガの時点で、登場人物の名前がない、と考えるのが自然です。

当り前のように進行していくアニメ作品「絶体絶命でんぢゃらすじいさん」ですが、特徴的なことだといえるのではないでしょうか。

そして、名前がないことで、お互いのボケとツッコミという役割が強調されているのかもしれません。

 

赤塚不二夫の作品に似ている

「絶体絶命でんぢゃらすじいさん」というアニメ作品は、赤塚不二夫先生の作品「天才バカボン」と印象が重なります。

まずは、登場人物の名前に無頓着さを感じさせる部分です。「絶体絶命でんぢゃらすじいさん」の登場人物においては、前述の通りです。しかし、「天才バカボン」においても、同じものを感じさせます。「天才バカボン」の主人公は「バカボン」ではなく、「バカボンのパパ」です。明確な名前が存在しません。数少ない名前が設定されているキャラクターは「バカボン」と弟の「はじめちゃん」の存在くらいではないでしょうか。「レレレのおじさん」「お巡りさん」「うなぎいぬ」「デカパン」など、外見をそのまま名前にされています。

両作品の似た匂いを感じさせる部分だと思います。

また、両作品の主人公である「じいさん」「バカボンのパパ」においても、外見が似ているように感じないでしょうか。分かりやすい共通点として、両者とも腹巻をしているキャラクターです。また、ヒゲという点でも共通しています。

ここまで似ていると、原作者が意図的に似せて作られたコンテンツなのだと考えられます。確かに、「じいさん」と「バカボンのパパ」の性格や、画風も異なるものです。「笑い」という分野は同じでも、両者は違った「笑い」を描いた作品だと思います。

また、「じいさん」が「孫」に危険からの回避法を教えることが、話の前提となっています。話そのものや展開を絞り込まれています。そういった点は、「天才バカボン」とは違う作品なのだと考えられます。

これは私の直観ですが、原作者の方は「天才バカボン」が好きなのではないでしょうか。そして、赤塚不二夫先生のことを尊敬しているのではないでしょうか。そういった想いから、類似したマンガ・アニメ作品になっているように思います。

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