都市伝説って怖い印象が強いですが…
表記について
「ちいさいおじさん」アニメ本編に登場するキャラクターを指します。
「ちいさなおじさん」アニメ作品そのものを指します。
文章に2つの似た表記をしていますが、区別していますので予めご了承ください。
ほのぼのさせる都市伝説
一般的な都市伝説になってきた「ちいさいおじさん」を題材にアニメ化されたものです。しかし、ほのぼのさせる都市伝説というのも、改めて考えてみると、不思議な存在のように思えます。インターネットで「都市伝説」を検索すると、怖いものに偏っているのは間違いないことは明らかです。
捉えようによっては、「ちいさいおじさん」も怖いものに分類できるのかもしれません。
ただ、アニメ作品の仕上がりとしては、可愛い印象を打ち出しており、笑える要素を中心に扱われています。この「ちいさなおじさん」というアニメ作品を観て、怖いというイメージをもつ方は極僅かではないでしょうか。
また、アニメ作品の仕上がりは、芸術性を打ち出されているように思えます。色を使用せず、線だけで構成されたアニメーションは、製作費を抑える意図だったようには感じられません。それでどれだけの製作費が抑えられるのか、考えてみても僅かな差だと考えられます。私自身は、きっと「アートとしてのアニメ作品」を打ち出されたものなのだと受け取ります。
しかし、本当のところはどうなのでしょうか(笑
また、七三分けで疲労感が漂い、哀愁を感じさせる「ちいさいおじさん」のキャラクター性にも安心感を与える要素は大きいのではないでしょうか。
「おじさん=七三分け」ではありませんので、色んな髪型が考えられたと思うのです。スキンヘッドでチョイ悪イメージというのも、面白かったと思います。妙に毛量の多い「おじさん」だって存在します。坊主や髪の短い設定というのも考えられたと思うのです。
しかし、敢えて、七三分けの髪型にしているのは、哀愁を漂わせたいという制作者の意図を強く感じられます。
しかし、この考えは作品全体のイメージを良い方向に導いているのではないでしょうか。
ショートアニメなので、物語性はないに等しいです。では、この「ちいさなおじさん」というアニメ作品がどこで勝負しているのか、そう考えてみるとキャラクター性は大きい要素だという結論に達します。髪の毛が薄いというだけで、笑える要素になります。薄いということは、全く無いわけではありません。僅かでも、少なくなっていく髪の量に、抵抗している姿を暗に感じさせるのです。
明確に伝えることをしていなくても、観る側は勝手に想像してしまい、笑わせる要素として成り立ってしまいます。その部分が、キャラクターデザインとして上手だと感じさせる部分でした。
拾ったお姉さん
「ちいさいおじさん」を拾ったお姉さんは、画風だけの問題ではなく、美人ではないキャラクターであることが伺えます。
「ちいさいおじさん」の想像で、美人な女性が描かれている場面がありました。そこでは、少女マンガ・アニメを彷彿とさせるような、目が大きく、キラキラと輝いたロングヘアの女性が描かれていました。あくまで、「ちいさいおじさん」の想像上の場面でしたが、アニメ本編における美人の定義はそこにあると考えられます。
すなわち、つぶらな瞳で描かれた「ちいさいおじさん」を拾ったお姉さんは美人ではないことが伺えるのです。
これにおいても、正解だった背景描写のように振り返ります。もし、拾ったお姉さんが美人であったなら、男性目線で「ちいさいおじさん」は羨ましい存在に映ります。男性目線から捉えれば、美人のお姉さんと暮らすことができる環境は羨ましいことでしょう。逆に、女性目線から捉えても、イケメンお兄さんと暮らすことができる環境は羨ましいものに映るのではないでしょうか。
拾ったお姉さんが美人であるなら、「ちいさいおじさん」に違う感情が湧いてきてしまうのです。それだけで、アニメ作品そのものの印象を大きく左右させるものになったのかもしれません。
ただし、「ちいさいおじさん」を拾って、面倒をみている時点で優しい性格の持ち主であることは間違いないでしょう。お姉さんの内面は、とても美しいものであり、結婚したら良い奥さんになることを容易に想像させます。
日常生活だけで笑えてしまう
「ちいさいおじさん」とお姉さんの日常生活を描いたアニメ作品です。そして、「ちいさいおじさん」の身体の大きさから面白く映ってしまいます。食事をとる場面であったり、お風呂に入る場面があったり、それだけで面白いアニメ作品だといえます。
そこから、考えてみると、このアニメ作品において新しいネタを作ることに事欠かないのではないでしょうか。だいたいの日常生活に当てはめるだけで笑えてしまいます。キャラクターデザインは考え抜かれているのは、前述の通りです。しかし、話の展開や取り扱うネタに困ることがないように思うのです。
きっと、「ちいさいおじさん」は何をやっても面白いと思うのです。
きっと、誰でも新しいネタを考えることができるのではないでしょうか。それだけ「ちいさいおじさん」という存在の大きさを表しているとも受け取れます。
しかし、何でもあり、という気になって卑怯にすら思えてきます。洗濯機に巻き込まれて、大騒ぎしてみても面白いでしょう。流し台で溺れそうになっていても、面白く映ってしまうことでしょう。トイレだけで切り取ってみても、幾つか思い付くことができます。
振り返って考えてみると、「卑怯なアニメ作品」だと思えてなりません(笑
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