クロユリ団地。何故団地や子供はホラーにおいて怖いのか。
何故団地は怖いのか。
昔は団地というのは庶民には憧れの住まいでした。鉄筋コンクリートの建物というだけで、木造の家に住んでいる人にとっては憧れだったのかもしれません。けれどいつしか何故かその団地も年数を重ねて古い趣を見せると怖い場所の代表になっていました。以前住んでいたところから少し自転車で奥に行ったところに古い団地がありました。実際その場所に行くとその古さとなんとも言えない雰囲気が怖いと感じてしまいました。そこで考えたのは団地はもう新しいものは建たない。そして築50年は超えるものが多い。その辺りから古さは否めず怖さを引き出しているのではと思いました。
ホラーには欠かせない。小さな子供の存在。
団地と同じく、何故小さな子供が出てくると怖いと感じてしまうのでしょう。それはたぶん大人にとって子供という存在が未知なものであるからなのだと思います。自分も子供時代があったはずなのに、大人になって当たり前の常識がまだ物事を理解できていない子供には通用しない。その辺りが大人が子供を怖いとどこかで思ってしまう要因なのかもしれません。
純粋ゆえに引き込まれると怖い。
子供は一途です。一途な思いは裏を返すと執着になってしまいます。執着された人間は何故どこかでそれを怖いと思ってしまうのでしょうか。また死後の世界は生きてる以上全くわかりません。人間はわからないものを怖いと思うところがあるので、死後の世界からきた子供は最上級に怖いのです。その怖い対象が自分に対して物凄く執着してしまったら、やはりそれは恐怖でしかありません。そして古いもの。昔から古いものには何かの念が移ってしまうとも言われています。だから人は古いものに対して少しだけ怖いと感じてしまうのでしょうか。団地、死後の世界からきた人に恨みを持っている子供、その子からの執着。怖い要素がこうして一辺に集まってきたのがクロユリ団地です。それにしても少しでもいいから救いがあればよかったのにとも思いました。一番救いがあればと思ったのは子供です。ただ不幸に引き込まれてしまう主人公たち。少しでもいいからどこかに救いがあればとも思ったのですが。しかしそこはホラー、最後まで安心はさせてくれませんでした。映画と平行してやっていたドラマもなかなか怖く、取り憑かれた人間が奇妙な格好で死んでいくのも相当に怖かったです。そこにも子供の存在がありました。この子の無念はいつ晴れるのでしょうね。
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