五代君のキャラクターの変化について。
五代君のキャラクターの変化。初期。
初期の五代君は全く頼りない存在です。恐らく響子さんも全く意識する範疇にないほどの存在感だなぁと感じていました。それもそのはずです。五代さんとも読んでもらえず、浪人さんでしたからね。そして一刻館の住人のおもちゃにされながらよく大学に合格したなぁと思いました。しかし高橋留美子先生の描くおばあちゃんキャラがいつもちっちゃくて可愛いのです。若い頃から小さかったのかなぁと思ったりもしましたが、たぶん縮んだのでしょう。
五代君のキャラクターの変化。中期。
大学生になりほっとしたのもつかの間、五代君にライバルが出現します。しかも環境が大違い。うる星やつらでいうところの諸星あたると面堂ですね。そう、環境が違っても性格は似ていました。そしてこずえちゃんというガールフレンドの存在まで出てきます。五代君は友達のつもりなのですが、積極的なこずえちゃんにどんどん押されていきます。けれどこずえちゃんは天然なのでさほど二人の関係が進まなかったのはちょっと残念でした。たぶん押し押しにするには少し弱いキャラなのかもしれません。けれどなんだかんだで五代君は大学での勉強やあれこれ日常に追われ、それなりに充実した日々を送っていけたのは良かったなぁと思います。
五代君のキャラクターの変化。後期。
大人になるってのは大変だなと読んでいた当時思いました。大学を卒業したら就職です。男の人はこうやって一生働いて行くのかな。と思いながらも次第に目を背けられないことにもなっていくのですよね。まぁ、今は女性も働く時代ですから、響子さんも一刻館を続けていくのは頷けます。五代君の就職が上手くいかないのは展開的にもお約束だなーとは思ったのですが、彼が保育士になっていく展開は実にらしくて上手い持って行き方だと思います。またキャバレーでバイトという辺りが非常になんだか五代君の人生を物語っていて、凄くらしさを感じてしまいました。更にそこに働いている人の子供がいてという展開にはちょっと唸りました。そこでの子供のお世話が五代君の後の天職に繋がって行くんですものね。その前にもちゃんと伏線が張られていて、大学の人形劇部の人と仲が良かったり、仲間の人も保育士になったりという展開があってのことですから説得力があります。連載をしながらも先の展開をもう高橋先生は決めていたのでしょうね。五代君が後半はしっかりとした大人の男になっていました。響子さんは待っていたのでしょうね。しかし今の時代引く手数多ではありますが、保育士さんのお給料もう少しなんとかならないものでしょうか。響子さんは先見の目があったのでしょうか。今でも一刻館を続けて共働きしているのかもしれませんね。
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