REBIRTHってリバイラルって読むんですね(笑
思っていたより良作品でした!
前作も含めて、ですが、女の子を主人公に据えた漫画であり、アニメ作品だったので、あまり期待していなかったです。しかし、とても楽しんで観ることができました!思いの外、バトル×バトルの展開で、他の格闘マンガやアニメ作品を彷彿とさせました。
冒頭の他流試合を禁ずる場面では、戦いの喜びを覚えた、という表現が非常に印象に残りました。このことは、この作品を通して掲げられたテーマになっていたのではないでしょうか。「グラップラー刃牙」や「修羅の門」に通ずる表現で、それに相反する「無」の境地というのをどのように表現するのか、とても興味を持ちました。
このREBIRTHという続編では、前作で弱いイメージしか持たなかったリンシェンを、敢えてゴール地点に据えた意味が後半の展開になって理解できるようになりました。
これも意図的なギャップの演出だったのですね。
弱かったリンシェンが、めきめき強くなっていく様子に、スピード早すぎないか?と疑問に思えるほど早かったです。しかし、敢えてギャップを演出する為の手法だったのですね。また大阪弁をつかう元気いっぱいの性格は、「浦安鉄筋家族」の西川のり子とイメージが重なります。そんな彼女に「無」を求め、試行錯誤していく様子も、また面白く描かれていましたね。
そんな彼女が「無」になって戦う様子は、なにか薬でも投与されたか、なにか術でもかけられているのか、と思えるほどに違和感を感じました。きっと、めぐみとの戦いがリンシェンを「無」に向き合わせる伏線になっていたようなのですが、ここは少し流れが強引だったように感じます。
リンシェンの祖父であり、主人公のランの祖父でもあるフンが、今作品では非常にイメージを悪く描かれていることが印象的です。このことから、薬?術?と観ていて思いましたが、そういったことはなかったようですね。
前作との相違点
ランの祖父であるフンが悪いイメージで描かれていたことは前述の通りですが、フンそのものの立ち位置が敵対関係で描かれていたことは大きな相違点でしょう。
また前作では、主人公ランの最終戦だったチュンヤンの性格が大きく変わったことも印象的でした。たしかに主人公ランと試合したことで、考え方や価値観が大きく変わったことは分かるのですが、変わり過ぎだろう!と観ていてツッコミしていました。それほど悪役だったイメージを覆して善人化しましたね。
また今シリーズにおいての最終戦を戦う相手、リンシェンが強く描かれ、「無」の境地になることも前述の通りです。前作イメージからは想像もつかない変化でしたが、彼女の変わった部分でいうとバストが巨大化して描かれていたのも印象的です。「あれ?そんな大きい娘じゃなかったよね?」と観ていてツッコミしていました。
飛鳥山関の印象も大きく変わりましたって、別人としか思えないレベルでしたね。前作では現役の相撲取りだったので、そういう頭髪でした。しかし、今シリーズでは、ロングヘア・パーマのお兄さんと風貌を変えたのも、変え過ぎでしょう、と思っていました。また主人公ランに弟子入りしたのも面白い展開でしたが、前作と違い、祖父フンが敵対してしまった為、専門家の目線で、観る側に解説する役割が欲しかったのかな、と勘繰りましたね。
新キャラクターであるナツキ、リカ、サチといった女子高生が3名登場したのも相違点ですよね。彼女たちの登場で、作品そのものの華やかさと賑わい感が増したように思います。
どんな展開・終わり方を予想していましたか?
正直、前作のイメージから覆される部分が多くて、展開が予想できなかったです。特に主人公のランは、リンシェンと同様に「無」の境地にたつことで勝つのだろうと思っていました。どのような心境の変化が起こるのだろう、どのように闘争本能やワクワク感を抑えていくのだろう。祖父の真意に気付いて、物語は終わっていくのだろう。そのように考えていましたが、祖父フンの考え方そのものが間違っていたという終え方でしたね。
「奇跡の拳」という存在が前作より具体的になってきたことで、祖父フンの考え方が間違っていることを示唆していました。
その辺りの展開が、格闘マンガの金字塔といえる「修羅の門」「グラップラー刃牙」とは違ったように思います。いずれの作品も、格闘本能を否定しないですものね。
「るろうに剣心」の登場人物である四乃森蒼紫は、修羅の道に入っていきました。己の感情・気持ちに左右され、戦いを望むのは良い方向に進まないことをメッセージとして打ち出すと考えていました。しかし別モノで、それらを含めて自分自身の全てを認め、受け入れ、自然体であることが、この作品の終わり方だったように思っています。
最後の最後、祖父フンと主人公ランが立ち会う場面で、ランの力量はフンを上回ります。その場面が、自分自身の全てを認め、受け入れ、自然体であることを強調して、メッセージとして発信しているように思えるのです。
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