命の尊さ、家族の愛について考える”毎日かあさん”
アニメ版とは違う本物の”毎日かあさん”を知ることが出来ました。
”毎日かあさん”は、漫画がアニメとなり放送され、劇場版として人気を集めました。アニメ版では子供が見やすいような内容に少し変更されていたのが特徴です。アルコール依存症の父親は、単に酒好きという風に変更されています。漫画ではかあさんは離婚しているという設定ですが、これも変更されて、ごく普通の仲の良い家庭が描かれています。子供たちと触れ合うシーンを見ていると漫画よりも幸せな気持ちになります。劇場版には、このような変更は特になく大人目線で見て感動出来る作品になっていました。主人公のかあさんを演じた小泉今日子が私的にはかなり意外でした。なぜ小泉今日子だったのか。もう少し他にいたんじゃないかなと思ってしまいました。彼女では綺麗すぎてかあさんのイメージとは懸け離れているように思えます。それとも敢えて彼女にしたのか、色々考えてしまいました。イメージから考えたら、絶対に合わないと思った人はたくさんいたはずです。しかし、彼女が演じることになった理由は、一体何なのだろうか。例えば、内容の変更があったアニメ版とはまた違うストーリーであると主張したかったのかもしれません。”アルコール依存症”、”離婚問題”など難しいテーマもそのまま取り入れて原作に近い内容で話を進めることで、アニメ版とは違う魅力を見ている人に伝えたかったのだと思います。そこで、主人公であるかあさん役をアニメ版とは違う印象にするために、”小泉今日子”だったのではないかと思います。アニメ版のかあさんは、どこにでもいそうな見た目で足が短くて顔も綺麗とはいえない特にこれといって目立つ訳でもない、そんなかあさんです。それとは、真逆のかあさんである小泉今日子は、小柄ですらっとしていて小さな顔に可愛らしい笑顔という、アニメ版では想像もつかないくらい相違しています。ここまで異なった見た目の主人公をたてた作品は今までになかったようにも思えます。それだけ、原作を大事にしているのだろうと感じました。
”かあさん”と子供たちの家族としての深い愛情に感動しました。
アニメ版では子供が楽しめるストーリーになっているのは、私も見ていたので良く分かります。子供たちはゲラゲラ笑いながら見ていました。まさに、笑いを重視しているのかなとも受け取れました。劇場版には、笑いよりも感動出来る作品という印象を受けました。家族の深い愛情、絆をうまく描き、見ている人に、自分の家族を見直し、もっと愛情を注ごうという気持ちにさせます。アルコール依存症で何度も入退院を繰り返している父親をみて、家族は少しずつ離れていきます。しかしどこかで気にかけているという想いは、まさしく家族にしかない愛情であり、本物の愛であると感じます。かあさんが父を思う気持ちは離婚してからも沢山の愛で溢れていたのでしょう。例えそれが、昔とは違う愛であったとしても、家族としての愛は消えることはないのです。そんな風に感じました。
子供たちも戸惑いながらも父親の存在は大きいものだと確信しているようでした。どんな父親も子供たちにとっては大事な父なのです。だからアルコール依存症という病気を早く治して欲しかったのでしょう。そして他の家族みたいに、仲良く笑いあいたかったのだと思います。もしかしたら、父親がアルコール依存症という病気で1番苦しんでいたのは子供たちだったのかもしれません。その後父には癌が見つかり亡くなってしまいますが、彼にとっては家族の愛情を沢山受けて余命を過ごせたのではないかと思います。亡くなってしまったことは残念ですし、もちろん病気が治って家族ともう一度やり直すという展開を望みましたが、それでは、またこの作品の良さが少しなくなっていただろうと思います。最後に父親が亡くなってしまうという展開によって命の尊さや、家族の深い愛について考えさせられたと思います。そう考えると素敵な作品であったと思います。
命の尊さ、家族の愛情について改めて考えさせられた作品でした。
家族の愛と命の尊さについて考えさせられた作品だと思います。私たちにとって永遠のテーマであるこの2点を笑いも加えながら見事に演じていた出演者を見て、心から感動しました。子供が見たとしてもきっと感動し、少しでも命の大切さや尊さ、家族の愛について考えられたのではないかと思います。アニメ版しか知らなかった人からしたら、少し予想違いの内容だったかもしれませんが、この作品を見て良かったと感じるシーンがたくさんあったと思います。
原作に近い劇場版が公開されて本当に良かったです。もし劇場版がなかったら、ここまで命の尊さや家族の愛について考えていなかっただろうと思います。家族を持つ側として心から感動し、悲しいシーンもありましたが、最後には何故か心が温まる、そんな気持ちにさせてくれました。この作品を見て後悔した人は居ないんじゃないかと思うくらい完成度の高い作品だと思います。
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