君に届け~人の心を動かすのは人だということ~ - 君に届けの感想

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君に届け

4.834.83
画力
4.58
ストーリー
4.75
キャラクター
4.83
設定
4.75
演出
4.25
感想数
6
読んだ人
16

君に届け~人の心を動かすのは人だということ~

5.05.0
画力
3.5
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
2.5

目次

初めての高校生活と初めての恋愛、青春漫画

根暗で陰気な雰囲気から本名は黒沼爽子なのに、貞子と言うあだ名をつけられ、中学生時、遠巻きにされていた爽子。

そんな爽子が入学した新しい高校でも彼女のことを遠巻きにする生徒たち。

だがただ1人、爽子を疎外しなかった人物が高校でモテ男の風早翔太、彼女とは真逆の性格で明るく爽やかで皆からの人気者。

優しい性格でみんなから敬遠された彼女をほっておけず周りの言葉なんて無視して彼女に近づく、近づくにつれて実はまっすぐでまじめでとてもいい子だということに気付き、最初はクラスに溶け込めるように近づいた風早だったが、気付いたら、爽子に恋心を抱く。その途中途中で風早の近くによくいる矢野や吉田、真田も爽子の良さに気付き近づき始める。風早のおかげで自分の人生が変わったという風早への感謝の気持ちが爽子の最初に抱いた気持ち。だがそれも、時を重ねるごとに徐々に恋心に代わり、2人は両想いに・・・。同じ学校で不器用な二人、そしてその周りの人間も??が繰り広げる青春学園恋愛物語。

6巻目の吉田千鶴の恋愛話。千鶴は幼少期から幼馴染の真田龍の兄である徹に恋をしていた。でも想いをずっと伝えることが出来ず、はや数年。とある日、徹が実家に帰省、徹に会えるんだとワクワクしていた千鶴の目の前には徹の隣に立つ1人の女性の姿。彼女だと紹介される。昔から彼女という彼女の存在はいた徹だったが、どの女性とも長続きしなかった。そこで、千鶴の夢はずっと、徹のお嫁さんになることだったのに、その日、徹から彼女の紹介と同時に言われた言葉は結婚という言葉だった。いつもは前向きすぎるくらいでポジティブで男勝りな千鶴だがさすがにこの時のショックは隠し通せない。爽子やあやねもその場しのぎの気晴らし程度には付き合ってあげれるも、千鶴の気持ちがわかる分逆にどう話を聞いてあげたらいいかわからず、特にいつも千鶴に助けてもらってばかりだから助けたいと願う爽子は困っていた。だが、千鶴から話してくるのを待とうというあやね。そんな時、普段学校を休むことなんてない千鶴が欠席、みんなが心配する中、おなかを空かせてるであろう千鶴の元に龍がいく。徹の結婚にショックが隠し切れない千鶴、「本気で思ってたわけじゃなかったのかもしれない、ほんとに徹はただの憧れの兄ちゃんだったのかも」と強がって言葉を発することで自分に言い聞かせる、それを聞いた龍の言葉、「わかってるよ、ちゃんと好きだってわかってるから」ここまでの作品で初めて龍の前で見せた千鶴の泣き顔・・・。幼いころから千鶴に片思いし徹のことだけをずっと見てる千鶴を見ていた龍からのセリフ重く深すぎ。そして、それをわかってる千鶴もまたその言葉を龍から言われて安心して泣けたんだと思います。

9巻目の爽子と風早の恋愛話。高校2年生になり爽子たちと同じクラスメイトになった健人。風早のおかげで大分他の生徒たちとも溶け込めてきた。あやねや千鶴という素敵な友達もできた。それに気付いた健人が、「もう風早がどーにかしなくても貞子ちゃん 立派にやっていけるって!」確かに健人の言う通りだ。でも、爽子はもう風早の存在はそういうものではないということに気付かされる。そして、風早が自分に優しくしてくれていたのは改めて自分が浮いていたからだと気付かされる。だが、そのあとすぐに、周りの誤解を解くために風早本人が、爽子たちの前で黒沼が好きだと断言。でも、健人からの言葉で気付かされた爽子はそんなこと言ったら誤解されてしまうと、風早を自分から遠ざけようとする。自分の想いが率直に爽子に伝わらなかった風早もまた爽子に対して誤解を招き2人はすれ違ってしまう。自分のせいで風早にあんな誤解を招くようなことを言わせてしまったと落ち込む爽子に今度は千鶴、「気に入らないな、あんたまさかあたしらのこともあんたに気ー遣って友達やってるとか思ってるわけ!?」「あたしらだっているのにあんたいつまで自分のこと下げて生きていくつもり」「鈍さに慣れるな!!」そして、あやねは「言ってもあたしたちも最初はあんたの事暗いし浮いてる奴だと思ってたのよ」「でも あんたが頑張ってくれたから」「今ではあんたのいい所も可愛い所もいっぱい知ってるし大好きだって思ってる」「あんたがあたしたちのために勇気を出して頑張ってくれたおかげだって思ってる」「爽子もあたしたちも風早も違いなんて何もないんだよ爽子自身が違いを感じなければね」そして最後に同じ風早のことが好きでライバルになっていたくるみからの言葉、誤解なのにも関わらず、風早君に振られたよという爽子に対して、もうライバルでもないよと、断言、はっきり気持ちを伝えて振られた自分と伝えてもいないのに振られたと言い切る爽子にいら立ったからだ。私ははっきり伝えた!と捨て台詞を吐き爽子の前からいなくなる。そんなみんなから押された背中で爽子はようやく風早に想いを伝える決心をする。人の心を動かすのはやっぱり思いやりだったりも含めたまた人の心ってことなんですね。本当にこの人を大切にしたいと思ったとき、大切だからこそすれ違ったりも確かにしてしまうけれど、その人を誰よりも愛し幸せにしてあげられるのも、またその大切な人だけなんですね。

17巻目のあやねと健人の恋愛話。そぼ美貌から彼氏は途絶えることなくいたものの、心を相手に預けることも預かることもない恋愛ばかりしてきたあやね。でも、実は根はまじめで先々のことをしっかり見据えて無難な進路まで選ぼうとしていたあやね、友達想いで冷めたように見えてるけど実は熱い部分を持っている。それに気付きあやねに恋心を抱いた健人、最初は友達としてで見向きもされなかったが、次第に健人の優しさが胸にしみこんでくる。その最大のきっかけになったのが、修学旅行前にあやねに告白し付き合うことになった茂木の存在だった。茂木はあやねのことを好きなふりをして告白をしたが実は、友達との間であいつと付き合えたらいろいろ凄そう!?という好奇心によるものだった。修学旅行中のあるタイミングで茂木のその思いを知ったあやねはその場で茂木に別れを告げる。ほらね、やっぱり恋愛なんてこんなもん、と思いつつも涙を流していたあやねをもう健人は見ていられなかった。修学旅行の日から時がたち、クラスメイトでカラオケに行くことになる。そのカラオケ屋で健人と茂木が遭遇、茂木からあやねから何も聞いていないという健人に事の発端を話す。激怒した健人は茂木を殴り「なんでそんなこと聞かせて平気でいられるんだよ」「何期待外れみたいなこと言って・・・」「あやねちゃんがどんな気持ちでいたか考えたことあんのかよ」担任に止めに入られ非常階段に行く健人、その背中を追うあやね、もうこの後のセリフがたまりません。自分のこぶしを痛めてまで、傷ついた心を守ろうとしてくれた、そして、抱きしめて大事にするから、と。これ以上の言葉はありませんよね。弱い所を見せない人間の弱い所を見るのって本当に本気でその人を愛せる人にしかできないことだと思います。

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