ヤル気ない主人公が斬新過ぎる! - 無責任艦長タイラーの感想

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無責任艦長タイラー

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声優
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音楽
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ヤル気ない主人公が斬新過ぎる!

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

今だから観るべき論

このアニメ作品、主人公のタイラーはヤル気がトコトンなくて、斬新に映ります。クレヨンしんちゃんのような、脱力系でありながら、ヤル気の無さったら、「野原しんのすけ」の遥かに上をいきます。

そして高田順次の上をいく適当さも重なり、「無責任艦長」そのままのキャラクターだといえます。

女好き、だらしないという部分は、「野原しんのすけ」「高田順次」、そして、このアニメ主人公の「タイラー」の三名における共通項といえるかもしれませんね。もっとも高田順次さんは、テレビ上のキャラクターであって、カメラが回ってないところでは、全然キャラは違いそうですけどね(笑

今の時代でいう、引きこもり、ニートを示唆するようなアニメなのです。

このアニメ作品が放送している時代、まだ「ニート」の「ニ」の字や、「引きこもり」の「ひ」の字もなかったのです。

改めて、今になって考えてみると、とても先見性のあったアニメ作品だと思いますね。これそのものが、原作者のメッセージであり、確信をもって作ったのであれば、恐怖を覚えます。

しかし、主人公にまったくヤル気がないようであれば、物語も展開しない、物語が成立しないんですよね。そのチグハグしたところも、この作品の面白みのような気がします。

なんだかんだ理由をつけて、ヤル気ないながらも、主人公は自ら軍隊に入隊しています(笑

そして、物語の展開は、ジャンル的には全く違いますが、強運で成り上がっていく不良漫画「カメレオン」を彷彿とさせるものがあります。

基本的には強運と、成り行きにそのまま身を任せる主人公タイラーは、艦長という軍艦の中でトップの役職についいています。

その不思議であり、不自然であることが、チグハグといえる部分の真骨頂よいえるでしょうね。

主人公タイラーの魅力

しかしタイトル表記の通り、タイラーが無責任なのでしょうか。実はそうでもないですよね?

ヤル気のなさ、脱力系キャラ、適当な性格であることを「無責任」と表しています。

しかし主人公タイラーは、悪人ではないんですよね。とても子供っぽい部分があるがゆえに、純粋でピュアだと思います。

また、心が揺るがないですよね。自分自身が崩れることがないキャラクターとも捉えることができます。

周囲で何が起きても、どんな状況になっても、本心から焦ったりすることがないんです。それがタイラー自身が揺るがない理由なのかもしれません。

悪い意味でもそうなのですが、逆にそれがタイラー自身の良い点だと考えることができます。

リーダーが焦ったり、浮き足立つと、現実の社会人として仕事していても、良い結果につながりませんよね。

彼自身の姿は、現代社会のひとつのリーダー論といえるのかもしれません。

リーダー論といえば、例えばAKB48の総監督だった高橋みなみさんが本を出版されています。

またリーダー論として出版されているビジネス書は数多くありますよね。マネジメントという分野では、「もし野球部のマネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」はベストセラーとなりました。またこの作品の根幹といえるドラッガーの「マネジメント」も然りだと思います。

小難しいことがいっぱい書かれています。

そして「まんがで分かる7つの習慣」なんてものまで出版され、本来は難しいビジネス書を漫画で要点を描いています。

しかし、リーダー論としての根本の部分がこのアニメ作品に描かれている、と思いませんか?

たかがアニメ作品、と笑う人もいるかもしれません。しかし、この作品を最後まで観た上で、前述した問いかけを笑うのであれば、きっと良いリーダーにはなれない人だと思います。

作品に込められたメッセージ

大きな部分では、リーダー論を語っているのだと思います。しかし、その裏側にメッセージが隠れているような気がしてなりません。

リーダーという立場になると、責任が最も重いです。当然に、意気込みや、気概、責任感という言葉が重くのしかかってきます。

とくに大人の社会では、業績管理や、責任をとるということは、それ自体が責務になってきます。

リーダーとしての自覚って、良い方向に作用すれば、それは良いことです。

しかし、良い方向だけに作用するものでしょうか。「空回り」という言葉がありますよね。責任感や気概、意気込みが足かせになってしまうケースは多いように思います。

このアニメ作品の、本当のメッセージをどのように受け止めますか?

私は、単純に「肩の力を抜こうぜ」と語られている気がしてなりません。そして、それはリーダーに限ったことではないように思います。

思い込みや焦り、責任感という重責は判断を鈍らせます。結果的に、不幸な事故や、状況の悪化を招いてしまうこともあるのではないでしょうか。

責任感という言葉から逃れられずに、ブラック企業の社員が、自らを追い込み、不幸な結果を招いた事例をよく見聞きしませんか?

社会人ではなくても、学校でのイジメ問題で迎えた不幸な結末を見聞きしませんか?

本当にフラットな状況で、物事が判断できないのは危険なことだと思います。それはリーダー論とは、また別の問題だと思います。

このアニメの主人公、タイラーが良いというつもりはありません。しかし、肩の力を抜いた方が、良い結末に向かっていくことだってあるでしょう。

私はそんなメッセージを感じましたが、皆さんは如何でしょうか。

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