ヤル気ない主人公が斬新過ぎる!
今だから観るべき論
このアニメ作品、主人公のタイラーはヤル気がトコトンなくて、斬新に映ります。クレヨンしんちゃんのような、脱力系でありながら、ヤル気の無さったら、「野原しんのすけ」の遥かに上をいきます。
そして高田順次の上をいく適当さも重なり、「無責任艦長」そのままのキャラクターだといえます。
女好き、だらしないという部分は、「野原しんのすけ」「高田順次」、そして、このアニメ主人公の「タイラー」の三名における共通項といえるかもしれませんね。もっとも高田順次さんは、テレビ上のキャラクターであって、カメラが回ってないところでは、全然キャラは違いそうですけどね(笑
今の時代でいう、引きこもり、ニートを示唆するようなアニメなのです。
このアニメ作品が放送している時代、まだ「ニート」の「ニ」の字や、「引きこもり」の「ひ」の字もなかったのです。
改めて、今になって考えてみると、とても先見性のあったアニメ作品だと思いますね。これそのものが、原作者のメッセージであり、確信をもって作ったのであれば、恐怖を覚えます。
しかし、主人公にまったくヤル気がないようであれば、物語も展開しない、物語が成立しないんですよね。そのチグハグしたところも、この作品の面白みのような気がします。
なんだかんだ理由をつけて、ヤル気ないながらも、主人公は自ら軍隊に入隊しています(笑
そして、物語の展開は、ジャンル的には全く違いますが、強運で成り上がっていく不良漫画「カメレオン」を彷彿とさせるものがあります。
基本的には強運と、成り行きにそのまま身を任せる主人公タイラーは、艦長という軍艦の中でトップの役職についいています。
その不思議であり、不自然であることが、チグハグといえる部分の真骨頂よいえるでしょうね。
主人公タイラーの魅力
しかしタイトル表記の通り、タイラーが無責任なのでしょうか。実はそうでもないですよね?
ヤル気のなさ、脱力系キャラ、適当な性格であることを「無責任」と表しています。
しかし主人公タイラーは、悪人ではないんですよね。とても子供っぽい部分があるがゆえに、純粋でピュアだと思います。
また、心が揺るがないですよね。自分自身が崩れることがないキャラクターとも捉えることができます。
周囲で何が起きても、どんな状況になっても、本心から焦ったりすることがないんです。それがタイラー自身が揺るがない理由なのかもしれません。
悪い意味でもそうなのですが、逆にそれがタイラー自身の良い点だと考えることができます。
リーダーが焦ったり、浮き足立つと、現実の社会人として仕事していても、良い結果につながりませんよね。
彼自身の姿は、現代社会のひとつのリーダー論といえるのかもしれません。
リーダー論といえば、例えばAKB48の総監督だった高橋みなみさんが本を出版されています。
またリーダー論として出版されているビジネス書は数多くありますよね。マネジメントという分野では、「もし野球部のマネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」はベストセラーとなりました。またこの作品の根幹といえるドラッガーの「マネジメント」も然りだと思います。
小難しいことがいっぱい書かれています。
そして「まんがで分かる7つの習慣」なんてものまで出版され、本来は難しいビジネス書を漫画で要点を描いています。
しかし、リーダー論としての根本の部分がこのアニメ作品に描かれている、と思いませんか?
たかがアニメ作品、と笑う人もいるかもしれません。しかし、この作品を最後まで観た上で、前述した問いかけを笑うのであれば、きっと良いリーダーにはなれない人だと思います。
作品に込められたメッセージ
大きな部分では、リーダー論を語っているのだと思います。しかし、その裏側にメッセージが隠れているような気がしてなりません。
リーダーという立場になると、責任が最も重いです。当然に、意気込みや、気概、責任感という言葉が重くのしかかってきます。
とくに大人の社会では、業績管理や、責任をとるということは、それ自体が責務になってきます。
リーダーとしての自覚って、良い方向に作用すれば、それは良いことです。
しかし、良い方向だけに作用するものでしょうか。「空回り」という言葉がありますよね。責任感や気概、意気込みが足かせになってしまうケースは多いように思います。
このアニメ作品の、本当のメッセージをどのように受け止めますか?
私は、単純に「肩の力を抜こうぜ」と語られている気がしてなりません。そして、それはリーダーに限ったことではないように思います。
思い込みや焦り、責任感という重責は判断を鈍らせます。結果的に、不幸な事故や、状況の悪化を招いてしまうこともあるのではないでしょうか。
責任感という言葉から逃れられずに、ブラック企業の社員が、自らを追い込み、不幸な結果を招いた事例をよく見聞きしませんか?
社会人ではなくても、学校でのイジメ問題で迎えた不幸な結末を見聞きしませんか?
本当にフラットな状況で、物事が判断できないのは危険なことだと思います。それはリーダー論とは、また別の問題だと思います。
このアニメの主人公、タイラーが良いというつもりはありません。しかし、肩の力を抜いた方が、良い結末に向かっていくことだってあるでしょう。
私はそんなメッセージを感じましたが、皆さんは如何でしょうか。
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