せつないファンタジー - 蟲師の感想

蟲師という架空の職業の男が人々を救う物語です。

蟲というのは見た目はどこにでもいる虫のような生き物。小さかったり大きかったり、様々な種類がいる。人間に寄生したり家や生物に宿り生きている。その蟲が悪さをしたりした時に退治をするのが蟲師。

主人公のギンコも蟲師をしている。ギンコは白髪で左目を隠している。以前は左目は義眼を入れていたが、途中蟲により視力を奪われてしまった少女に義眼をあげてしまったため、今はどうなっているかは不明。舞台になっているのはかなり大昔で、他の人間たちは着物を着ているが、ギンコだけは洋服を着ている。見た目からして時代や土地に合わずちょっと変わっている。

ギンコは蟲師でありながら、蟲を退治するのではなく共存できないかと思っている。実際物語の中ではどれだけ人間に対して悪さをしていても、山に逃がしたり、コレクターに渡したりしている。

このアニメは基本的に１話完結です。ギンコが旅をしながら各地の蟲に困った人たちに出会っていく物語です。ギンコは蟲を呼びやすい体質らしく(霊を呼びやすいみたいなの？)ギンコはいくら登場人物に気に入られても、同じ土地には長くは居ないようにしている。サブキャラはいますが、それも滅多に出てこずギンコさえわかっていれば、途中からアニメを見初めても楽しめます。

ただ、ひとつひとつの話が暗いです。人が亡くなったり、亡くなったことが前提で話が始まったりします。ハッピーエンドも滅多にありません。見終わった後、必ずと言ってもいいほどせつなく悲しい気持ちになることが多いです。

人の心の中の弱い部分や優しい部分など、そこに蟲がつけ込んで悲劇を招いたり。それでも人は強く生きていく。そんなアニメです。