バカと恋と男の友情
学園アニメの王道作品
学園アニメと言えばほとんどがコメディかラブストーリーかバトル物といったジャンルの作品が多く、本作はその全てを集約した作品であります。そんな様々な要素を詰め込んだ本作ですが偏りもなく、各要素がバランスよく語られている作品であると思います。
そういった作品の中でも本作は学力、つまり学校の勉強についても語られており、学校の勉強とはやった分だけ結果が出るといる性質を如実に表現している作品であると思います。実際の社会ではやった分だけが全て結果として反映されることはほとんどなく、現実の厳しさを思い知らされます。そんな社会人にとっては学校生活での学業についての思い出に懐かしみ、受験勉強にて辛酸を舐めさせられたことを思い出し、現役の学生達へは学業の大切さと面白さを面白可笑しく表現した作品であると思います。
特に社会人となってからはほとんどの人が学業から離れることとなり、あの頃もっとやっておけばよかったと後悔する方は多いと思います。
そんな輝かしい日々をアニメ作品といった形で映像化された本作はそういった大人にはより魅力的に映ったのでは無いでしょうか。
原作小説とアニメ
本作もほとんどのアニメ化作品と同様に原作小説からのアニメ化作品になります。ですが本作はアニメと原作とでは大きくシナリオが異なり、またそれぞれ違った魅力があり、どちらも違った魅力があります。
原作小説は本編として二年生間での試召戦争を経てクライマックスの三年生との試召戦争の物語にて完結となりましたが途中にサイドエピソードとして.5の巻があったのはとても面白く、キャラクターについての細かな描写もあり、本編をより詳しく理解するために描かれているので良心的で好感が持てました。
アニメについては2期とありますが物語としては第14話〜といったほうがしっくりときます。いきなり海の描写から始まるので2期からの視聴者がついていけない様な仕様となっているのが不安でしたがファンの方々としては待望の第二期からだったと思います。1期からストーリーは原作とは違いアニメ用にオリジナルのストーリーとして新しく構成されていたのがより良い結果となったと思います。最近の原作小説からのアニメ化作品には原作を忠実に再現することを重要視し過ぎたために、物語自体の魅力を損ないがちな作品が多いのですがそういった作品達とは異なり、本作は良い出来であると思います。原作小説は2007年発刊であるにもかかわらず、2014年の時点でもライトノベルの作品部門でのランキングでの上位をキープしており作品の完結まで安定した人気をキープしていたほどの人気作品であり、私自身も本作は数多のライトノベル作品の中でもダントツに面白い作品であると思います。
特に話の途中に挿入されているテストの面白珍回答なんかは実際にありそうで当時流行ったクイズのTV番組でもあった様な回答が多く、思わず笑ってしまう様な話の運び方がまた魅力的で物語の雰囲気を壊さない様な問題選びもまた良い構成で本当によくできた作品であると感心しました。
アニメ製作背景
本作のアニメ製作はSILVER LINK.製作となっており、特徴でもあるポップな表現が好感が持てました。
パステルカラー調の影や光といった描写や背景の雰囲気などSILVER LINK.らしさが出ておりそれがまた作品とうまく合わさってより良い出来となっているのが良かったです。
アニメ1期については他のアニメ作品のパロディも多く、よりコメディに特化した作風となっていて作中のナレーションも作中のキャラクターが担当していたりかと思えばその担当が変わったりと独特の世界観ぎまた視聴者をより引き込ませる不思議な魅力だったりするのかなと思います。
アニメ2期では原作小説から抜粋されたシナリオが描かれており、より物語の本筋を1期からのイメージを崩さない様に繋ぎ合わされていて原作ファンの人でも違和感をあまり感じない様な構成となっており、好感が持てました。さらに原作では詳しい描写のなかったメインキャラクター以外の召喚獣についての描写があり、クラスごとにデザインされているのも良い点であると思います。
メディアミックス展開について
原作小説の人気をきっかけにアニメでも好評を博し、漫画作品では様々なアンソロジーが製作されたりと多様な作者の多様な「バカとテストと召喚獣」が描かれているのもとても印象的です。
アニメのパッケージ版では特典映像としてショートアニメの収録や声優さんたちの実写映像の収録作品などファンにはより嬉しい仕様になっているのも発展の要因となっていると思います。
他にもウェブラジオやドラマCDといった音声作品だけでなく、ミニストップやバカテスカフェなる飲食店が期間限定で開かれたりとアニメ作品としては異例のメディア展開がされるほどの魅力が本作にはありますが原作が完結してしまっているので今後の展開よりも原作者の井上堅二先生とアニメ製作のSILVER LINK.さんには次回作を期待したいと思います。
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