映画史上最悪の「クズ」が登場!
経済界の大物蜷川隆興の孫娘を殺害した清丸国秀の命には10億円の懸賞金がかけられ日本中から狙われます。
そんなクズのような殺人犯でも警護しなければならないSPの苦悩と葛藤が描かれています。
そして金の魔力と人間の欲望がいかに結びつきやすく、金の前で人間はどこまでも無力になるという世界観もリアルに表現されています。
大金が絡むことにより、少女連続暴行殺人を繰り返す清丸国秀は殺されても仕方がない奴だ、と知らず知らずのうちにマインドコントロールされる民衆の姿は現実社会でも起こりそうで恐ろしい。
どのような形であれ民衆心理の中では殺人が正当化されてしまっています。
また、全てを手に入れ、日本の財界や政官界に大きな影響力を持つ蜷川隆興が本来の彼の世界において気に掛けることもない存在であるはずの清丸国秀に、孫娘の殺害という事件をきっかけに翻弄されてしまう人生が切ない。
不可能なことなどないというような生き方をしてきたであろう蜷川隆興が、清丸を簡単には殺さずあえて日本中から狙わせた点に彼の深い悲しみと怒りが現れていると思います。
国家に託すことなく清丸に私刑を下そうとする彼の姿には、蜷川隆興が日本という国を見限っている心理が感じられました。
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